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神殺しのケルベロス  作者: アナログ牛蒡
第1章
2/6

村での日々からの事件発生

 フローレン家に住み込んで半月が経った。この間に旅に出るための準備をするために村のお手伝いをした。


 時折、婆さんから「婿にならんか?」と言われるが、答える前にアルミンがどこからともなくやってきて婆さんを叱っている。

 

とりあえずこの世界ではステータスという概念があり、確認するには『鑑定』というスキルで見るか『パブレッシュグラス』というアイテムを使えば見れるようだ。


 だが『鑑定』を習得するにはかなり地味な修行を積まなければ習得できないそうだ。早いもので半年かかるらしい。方法としてはひたすら植物とか動物、魔物、人などを観察し続けなければならない。特に人相手に観察したほうが効率と命のリスクが低いそうだ。


 まあ、明らかにそんなことしたら不審者として見られるだろうな…。幸いにアルミンが『鑑定』持ちだったので俺のステータスを見てもらった。


 一応便利なスキルなので習得するのは気長に植物とか動物を観察して覚えてみることにした。


 以下の内容が俺のステータスらしい


黒田真司 人族 Lv1 職業:無職 

称号:異世界から来た人族

ステータス

体力:90

精神:20

筋力:10

防御:20

敏捷:60

魔力:10

スキル

言語理解・数秒記憶能力(Lv1)・無限収納紙箱アイテムボックス


 ステータスは特に運動してたわけじゃないが体力と敏捷が高い。あとは一般人と同じ感じだ。体力が多いから長旅でも普通の人よりは疲れないだろう。


 スキルだが、まずはじめに『言語理解』は文字通り様々な言語が理解できるスキルである。これは異世界に飛ばされた者は必ず持っているスキルらしい。一応勉強すれば習得できるらしい。


 だが、喋れるだけで文字の読み書きはできない。そこは頑張って覚えるしかないようだ。


 俺自身もこの村にで少しずつだが文字が読み書きできるようになった。


 次に『数秒記憶能力』とは『瞬間記憶能力』の1つ前のスキルで、数秒間対象を見れば記憶できる。こいつのおかげで文字の読み書きが早くできるようになった。前の世界で暗記系は得意だったからこの世界に来てからちょっとどころか大分強化されたみたいだ。


 しかもレベルが1ときた。つまりまだ成長する可能性があるといことだ。これでテスト受けたら楽勝じゃね?


 そして最後の『無限収納紙箱アイテムボックス』だが、このスキルはかなり珍しいスキルらしく、アイテムボックス持ちは大抵このスキルを持ったやつは商人になるか冒険者の荷物持ちとして冒険するらしい。これは婆さんから聞いたが、異世界から来たものは何かしら特殊スキルを持っているらしい。


 その能力だが、違いはあるが武器やアイテムなどを入れ物または空間にしまうことができる。しまえる容量は魔力量で変わるが、スキル名に『無限』と書かれている。おそらく俺の場合は無限にしまい放題なのである。


 そして、最後に『紙箱』と書かれている。これはしまう為の器で、1度にその器に合ったサイズ物しか入れることができない。実際出してみたそれは…ダンボールだった。少し耐久性に難があるがサイズを変更できてしてしまうのでかなり便利なスキルだった。


「おーい、クロダくん。ちょっと荷物を運ぶから手伝っておくれよ!」

「はーい、今行きますよ!」

「あ!クロダの兄ちゃん、あそぼあそぼ!」

「ごめんな~、今ロイさんとこの手伝いしてるから今は遊んであげれないけど、終わったら遊んであげるぞ?」

「ちぇー、しょうがないな~。早く終わらせてあそんでくれよ~。」

「はいはい、じゃあ、行ってくるよ。」


 近所に住んでいるジャンに別れを告げてから、ちょうど畑仕事で野菜などを運ぼうとしていたロイさんのところに向かった。


 この村にも大分馴染んできた。始めの頃はよそ者としてあまりいい顔されなかったが、荷物運びでは『無限収納紙箱アイテムボックス』を使って負担を軽くしてあげたり、子供たちと一緒に遊んで子育ての負担を減らしてあげるなど、地道なコミュニケーション活動をして今では慕われるようになった。

 

 ちなみにアルミンのステータスだが以下のとおりだ。


アルミン・フローレン 人族 Lv2 職業:魔法使い見習い 

称号:フローレン村の魔法使い見習い

ステータス

体力:20

精神:40

筋力:10

防御:10

敏捷:20

魔力:30

スキル

交易共通語・地方語・鑑定(LV4)・魔力感知(Lv2)・神聖魔法(Lv1)・元素魔法・水(Lv1)・魔法の才能(Lv1)


 ステータスは平均的だが、なんか俺よりスキルがめちゃくちゃ多い。体力と敏捷が高い俺はすごいみたいだ。


 そんなこんなでなんか普通に過ごしているがいつかこの村を離れなくてはならない。ちょっと…いや、かなり後ろ髪が惹かれる。もうこのままこの村に住んでもいいかな~って思えてしまうくらいだ。だけどいつまでもここにいるわけにもいかない。


 荷物運びの仕事も終わって散歩していると向こうで数人の大人たちが慌ただしく話し合っている。


「なにかあったのですか?」

「おおクロダくん、実は大変なことが発生してしまってな…ルルー、ルルーが近くにある遺跡に入ってしまったんだよ。」

「遺跡?なんでそこに入ってしまったんですか?」

「ジャンたちが一緒に遊んでいたら迷って入ってしまったらしいんだ、どうしたものか…。」


 そう、この村の数キロ先に遺跡がある。ここにある遺跡は魔物は少ないが罠がとても多く、様々な仕掛けが施されている。何度か調査隊が試みてみたが未だ未探索である。冒険者でも攻略できずにいる。


 そんな中に子供が一人紛れ込んでしまったのだ、無事では済まないだろう。ちなみにその子供ルルーとはジャンたちと同じ村の子供で、少し恥ずかしがり屋の女の子だ。


「わ、私、探してきます!」


 そう答えたのはアルミンだった。大人たちは「止めるんだ!」「無理だ!」と彼女を止めようとするが彼女は諦める気はないようだ。……しょうがないな


「俺も一緒に行きます。」

「えっ!?」

「そ、そんな、クロダさんまで行くなんて、危険すぎる!」


 俺だって行きたくないよ、でもな…。


「…みんなはルルーのこと見殺しにするのか?」

「そ、それは…」

「…見殺しにできるわけないだろ、助けたいに決まってる!だけど…。」

「大丈夫です、体力と逃げ足には自信があります。だから行かせてください。」

「……わかった、くれぐれも気をつけてくれ、必ず無事に戻ってきてくれ。」


 かなり悩んだ末、遺跡に行くことを許してくれた。


「任せてください、必ずルルーのこと無事に連れ戻してきます!」


 遺跡に行くことになった俺とアルミンは一旦家に戻り準備を完了してから急いで遺跡入口までむかった。向かった先には調査隊と思われる集団を発見した。


 どうやら調査隊も子供が遺跡の中に入ってしまったことに慌てているようだ。俺たちに気づいたのか調査隊の一人が話しかけてきた。


「君たち、ここに何しに来たんだ?」

「俺たちは…。」

「ああ、もしかして冒険者の方かい?助かった、今遺跡の中に村の子供が入ってしまって大変なんだ!僕らも気づければよかったんだが、この遺跡にあるトラップに引っかかってしまって、おそらくダンジョンのどこかに飛ばされてしまったんだ!僕らの方でも捜索隊を編成中だからまだ動くことができないんだ、どうか協力してください、お願いします!」


 必死の形相で話しかけてきた青年はものすごい勢いで喋り、頭を下げた。


 こっちはルルーを助けに来たんだ。お願いされなくても行くさ。


「あ、ああ、俺たちは…」

「おっと、そういえば自己紹介がまだだったね。僕の名前はサトー・ノビツラ。イエロー・ガイアの東の端にある『ヤマト』出身の人族の男さ。歳は20で、ここの調査隊の新米だ。君たちは魔法使いちゃんと戦士くんかな?まだ冒険者に成り立てっぽいね!あ、別に頼りないなってわけじゃないよ!人が多いに越したことはないからね!お!、魔法使いちゃんは神聖魔法と元素魔法を覚えているんだね!回復魔法持ちで戦士くんは体力が多いからいいコンビになれそうだね!あ、なんで知っているかというと実は僕も『鑑定』持ちでね、彼女よりは低いけど低レベルの魔物ぐらいなら鑑定することができるんだ!戦士くんのスキルはかなり特殊だね?まあ、異世界からきたみたいだし納得できるけどね。でも『無限収納紙箱アイテムボックス』か、すごいね~そんなスキル滅多に見ることはないよ!どうだい?冒険者じゃなくて僕らの探索隊に入ってみないかい?あ、別に嫌ならいいんだ。でも考えては貰えないかい?」

「あ、はい…考えておきます。」


 この男…こっちが喋る前にめちゃくちゃ喋るから反応できん…あと勝手にこっちのステータス見んなよ!


「ちなみにここに来たのは遺跡攻略のために来たのかな?無理にとは言わないけど君たちのレベルだと厳しいんじゃないかな。まあ、今は緊急事態だから気にしないでくれ!ちなみにこの遺跡だが、この遺跡は素晴らしい!今までの遺跡と比べてここはおそらく数千年以上の遺跡で魔物は少ないがトラップが多いんだ!まだ最深部までは行けてないが、きっとすごい物が眠っているはずさ!その素晴らしいという理由はなんといってもここで使われているトラ…」

「何してるんだ、このバカタレ!」


 上司みたいな男が青年にゲンコツを食らわせる。正直助かった。このまま永遠と長い話をさせらるかと思った。


「すまんな、こいつかなりの変わり者で喋りだすと止まらないんだ。」

「い、いえ、気にしないでください。では俺たちは先に失礼します。」

「ああ、気をつけて行くんだぞ。」


 ようやく長い話を終え、早速遺跡の中に入ることにした。ルルー、待ってろよ、今助けに行くからな!


「あ、そこは…。」と青年が言う前に俺はそこにあるトラップを踏んでしまった。


「……へ?」

「ク、クロダさん!?」


 そう、俺も踏んでしまったのだ…転送トラップをね。なんでこんな序盤にこんなトラップ設置したんだよ。この遺跡作ったやつろくでもないな。


 そんなこと考えながら俺は遺跡のどこかに飛ばされるのであった。

休日や仕事の休憩時間使ってなんとか出来ました。次回は遺跡の中での始まりです。

追記:行の変更をしました。

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