23話 小さな無能
国際条約委員会、ギューイ・ルドルフは笑っていた。
コンクリートに囲まれた頑丈な建物の広場から、上層の階から見下ろすように、ご機嫌に笑っている。
周りは、暴言、罵倒の叫び発狂していた。
口髭と髪が白いおじいさんだけが笑っていた。
ギューイ・ルドルフの隠れ家だ。
「ようこそ我が、地下要塞へ」
表では、電子体の一掃の為に、核でアジア支部壊滅となっていた。
アジア大陸の中心地から遠ざかる、なんとか逃れてきた。
ここが、どこか場所の位置はわからない。
空輸での移住が決まった、ごく一部だけが地下要塞へたどり着けた。
家族を残し泣いてわめくものや怒りをぶつけ発狂していた。
「なぜ、皆は連れてこれなかった」
「俺の親がいるんだぞ?」
「幼い甥がまだいるんだぞ?」
赤髪の女の子は、耳を抑え震えていた。
大人の雄叫びや叫びを近くで聞くと恐怖しか覚えない。
いつここにいる人が暴動が起きてもおかしくない、止めるめどがあるのかもわからない。
総括は、同じ階層の皆に背中みせるだけだ。
戦闘員達に守られてやっと暴動は止まっているが
「くずやろう……!」
「お前がちゃんと仕事しないからだろ」
「お前なんか支部にいればよかったんだ!!」
総括は、背中を震わせるだけだ。
威厳しかない彼女は弱々しいただの人物になっていた。
ギューイは歳相応に似合わず叫び。
「総括は皆のためにここに来た。彼女がいなかったら今頃……支部で炭になっていたのだぞ!!いいか?全員は収容は無理だった、今生きてる者は、総括に感謝しないとならん!!」
静かにざわついていった。
「ギューイ殿、心遣いありがたい。……皆聞いてくれ、心もとなかったのは自覚する。すまない………提案がある、私は、アジア支部に向かい遺族の脳データを回収してくる。これは私の責任だ、明日から向かう……これでよいか?」
静まりかえる、誰も不満はない。
放射能に汚染された地に死ににいくつもりだ。
誰も止めない、誰も死ねとは言えない。
「……決まりだ」
総括は膝をハの字に崩れこむ。
ーーー
地下要塞、仮移住区を割当てられた。
あかねは、総括に配慮で同じ部屋にしてもらった。
室内は、質素でシルバーに統一された二段ベットとテーブルと椅子だけだ。
二人椅子になり、お互いに考えの整理をしていた。
携帯端末を取りだし、電源をつける。
起動しても、一切のシステムは出来ずただの機械になってしまった。
それを見かねて唯は端末を隠すようにテーブルにおかせた。
「あかね……もう……」
あかねは、うなづき頬を涙した。
唯は、励まそうと何か考える考える。
思い付けない自分と彼女の気持ちを思ったら、泣いてしまった。
一つの端末を互いに握りながら。
何日間過ぎた頃だろうか、総括が部屋にやってきた。
唯は椅子に誘い座らせて、総括は頭を深く下げていた。
唯は、頭を上げてくださいと肩に触れる。
「すまない、皆に挨拶しにきた。支部に戻るので遺族の特徴聞にきている……」
あかねは、奥のベットに座りながらおぼつかないように見ているだけだ。
唯は、親族の写真を出してお願いしますと深く深く頭を下げる。
大事そうに受け取り、唯の方に見つめ頷く。
「すまない……私の力不足だ……」
「……いえ……総括を攻めても……帰って来ませんから」
唯も棘がある強く、放ったが……頭を下げる、笑顔で総括にはいつもお世話になりましたから、と付け足された。
椅子から立ち上がり、また深く長く頭を下げた。
唯は、ただ冷たい目線をしたが……。
総括はあかねに歩みよる。
「かなめは………」
「行方不明………消滅まえから……、私は総括を攻めたりはしません」
彼女は微笑む、なんで優しく笑ってるんだ。
優しくしないでくれ頼む。
「総括は、私達を守ってくれたんです。そんな辛い顔しないでください……私は大丈夫ですから家族いないですから」
やめてくれ、優しくしないでくれ!
そんなに優しくしないでくれ……私はお前に殺そうとしたのだぞ……。
家族がいないとか言うな、お前に……七瀬 あかねに私は家族を与えたんだぞ、私の責任なんだやめてくれ……かなめを殺したと言われても言っていいんだ。やめてくれ……。
総括は顔を手で塞いだ。
見られないように見せたくないように
「かなめさん見つけられますか?」
やつは、問題児だから覚えてるよ。
迷惑かけたからな
だめだ、泣いちゃだめだ。
「アア¨………すまない……すまない……私は……お前らに何一つ良くしてやれなかった……」
見ないでくれ、涙を見ないでくれ。
あかねは、優しく抱きついて背中を擦ってあげると、総括は顔を隠した手から涙が零れいた。
「……ウグ……」
唯は歩みより、横から頭を撫でながら、優しく微笑む。
総括は横目に唯を見て、唯は頷いた。
優しく優しく頷いて、優しく言った。
「泣いてください……総括」
一時間以上号泣し、椅子に座りながらテーブルに腕の中にうずくまる。
ムッと上半身を起き上がらせて、立ち上がり周りを見渡し、椅子に座った唯とあかね姿を見つめて、頬を赤く染めた。
「す、すまない!!」
総括以外に可愛いなと思いながら、唯を見ながら微笑んだ。
唯は怪しげにニヤリと微笑んだのは、唯は苦笑いしてしまったが。
唯は意外な一言を残した。
「私、支部についていきます」
あかねは耳を疑ったが、良く考えたら私もいきたい。
かなめを探しに。
「あかねも私も行きます」
「……お前らくるの……?」
ーーー




