鑑定士JUN
うーん
微妙だな
俺の名前は水田純。
26歳の自称鑑定士だ。
自称というのは正式に国から認定されている鑑定士ではないからだ。
だけど俺は鑑定士としては腕が一流だと確信している。
何故なら……。
「すいませ〜ん。こちら鑑定の館でいいですか?」
小さな少女が玄関の戸から顔を出しながら言った。
「あぁ、そうだよ!ここは知る人と知る鑑定の館ってもんだ。 そして俺は鑑定士JUNだ!!!」
少女にウインクをしながらの応答だったが軽くスルーされた。
「……」
「おっ、おっほん。気を取り直してさぁ、お嬢ちゃんの鑑定してほしいのは何かな?」
「えっーと。 この写真の映っている女性を知りたいです」
徐に鞄から取り出した写真を渡された。
「いいだろう。 まずどこまで知りたいかによるね。 1.名前だけ、2.生年月日と学歴、3.職歴などの経歴、4.その人の現在の居場所、5.その女性の全て。 さぁ、どれを選ぶ?因みに値段はそこの壁に書いてあるよ」
1は1万円
2は5万円
3は30万円
4は100万円
5は1億円
と書かれていた。
「4番でお願いします」
「それじゃお金をここに置こうか」
少女は鞄から100万円を取り出し机に置いた。
「まいどありー! それじゃあいくよ」
【初級鑑定】
唯の写真。
駄目だな次行くか
【中級鑑定】
白坂家の旅行に行った時に取られた写真。
まだまだ少ないな
【上級鑑定】
左上の男性は白坂清
左下の男の子は白坂拓也
右上の女性は白坂美樹
右下の女の子は白坂美優
白坂美樹にタップして
現在は東京都目黒区⚪︎⚪︎ー⚪︎⚪︎。
ふぅー終了。
「終わったよ美優ちゃん」
「えっ!?どうして私の名前を?」
心底驚いた表情を作りながら問いかけた。
「ふふん。俺はねこれでも凄腕の鑑定士なんだよ!」
「そ、それでわかっとんですか?」
「あぁ、まぁね。 現在は東京都目黒区⚪︎⚪︎ー⚪︎⚪︎に住んでいる」
「ありがとうございました」
少女は頭を下げてすぐに鑑定の館を飛び出した。
あれから一週間経ったけど美優ちゃんはお母さんに会えたかな?
会えてたらいいな
「ふぅー今日はもう客こないかなー?」
「すいませーん」
戸を開けて美優ちゃんが入ってきた。
「鑑定士さんお母さんがまたうちで暮らすようになりました。ありがとうございました」
「お嬢ちゃん、鑑定士はね他人の情報を読み取る嫌われる職業だけど依頼主からお礼を言われるだけでやっててよかったと思えるんだよ!こちらこそありがとう」
そして少しの間軽い雑談をしてから美優ちゃんは帰って行った。
またのご来店をお待ちしております
もう少しパンチがないとなー