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孤独な魔王様  作者: 高梨王牙
全ての始まり
6/10

第五章 激突、三神官 前編

書いていたら一万文字越えたので分割

その日、アバドン。タケミと一緒に、彼女の家で旅の準備を手伝う予定だった。

正確には、彼女の家の彼女の部屋になるが………正直に今の状的確にを三行で言うと…


アバドンがタケミに謝っている。

タケミの部屋は今酷く汚い。

タケミは号泣している。


と言う何ともカオスな状態である。

現在タケミの部屋は、彼女が脱ぎ捨てたであろう服がタンス付近だけでなく、部屋中に散乱し、ベットの横にあるごみ箱らしき物がひっくり返り、中のゴミが飛び散っていた。

オマケに長い間、掃除をしていなかったのか、部屋の一部から異臭がする。

まさに、好きな人に見せたくないと思って当たり前の部屋であった。

「……ごめん、タケミ…」

「だからまだ入らないでって言ったのに~!!」

「ごめん!ごめん!勝手に部屋に入った事は謝るから!だからお願い!!バチバチ鳴っているその棒みたいな物引っ込めて!!何か危ない気がするから!!」

「アバドン様の馬鹿ぁ~!!」

だか断る!そんな事を言っても、おかしくないくらいに、片付ける前の部屋を目撃され、激怒したタケミは涙目でその手に持った、青い電気を放つ棒らしき物を、アバドンの首筋に突き立てるのであった。

以下、その時のアバドンの悲鳴である。

「あばばばばばばぁ!!!?ちょ!なにこれ痺れる!?ちょっとタケミ待ってそれ以上されたら…シビレビレビレ!?ちょ!本当にやめ……ヒギィィィ!!」

数秒後には、彼女に気絶させられ、部屋から放り出されたアバドンがいた。









「すみません!アバドン様!!」

「いや悪いのは私だし、土下座なんかせずに、顔あげてよタケミ」

タケミは我を忘れていたとはいえ、アバドンを気絶させてしまったことに、かなり後悔していた。

それゆえに、彼女は誰が見てもとっても立派な土下座をしていた。

立派過ぎて、額が床にめり込みそうだ。

「と…取り合えず、旅に行くための、荷物類はまとめたかな?」

「あ、はい!あのドタバタの時にまとめたんです♪」

「そっか、それは良かったよ……あ、あとあの時、私を気絶させたアレ何?」

「へ?あぁ、これ?」

アバドンの問いにタケミは答えるべく、例の棒らしき物を取り出した…………胸の谷間から。

「くっ………くっ……」

アバドンは自分の胸を見つめる。

真っ平らで谷間など無い、鉄板でも敷けば、まな板の代わりになりそうなくらいに平たい自身の胸。

それに反してタケミの胸は………

彼女が着ているゴズロリドレスの、胸元がはち切れんばかりの大きな胸。

どうすればあんなに大きくなるのだろうか……アバドンは、彼女の胸を見つつ考えた。

「……アバドン様って、たまに私の胸ばっかり見るよね?初めて会った時も、私の胸を見ていたし……」

「え!?そ、そうかな~あはははっ」

「なんで棒読み?まあ良いけど……あ、話を戻しますね。

先程、アバドン様を気絶させたこれは『スタンロッド』と言いまして、文字通り、相手を気絶させる道具!

原理は………あ~長くなるので省くよ。」

原理にの解説をしようとしたところで、アバドンが嫌な顔をしたのを察し、解説を打ち切るタケミ。

「まあ、簡単に言うと、『電撃で相手を気絶させて無力化する単位武器』ね。

これもお父さんの作品なの!」

タケミが自慢げに話す。

やはり、父をかなり尊敬していたようだ。

「あいかわず、貴女はお父さんが好きなのね~。

さて、暫くの間はこの家に帰ってこないから、今のうちに別れでも言って起きなよ」

「はい!!」

タケミがそう口にした時だった……

謎の爆音が、家の外から聞こえたのは。


ズカァン!!ー


ーまるで家などの家建などが吹き飛んだような轟音に、二人は反射的に窓の外をみた。

「なに!?」

「うにゃあ!?何ですか!!」

二人が外を見つめると、外では家が一件、西側の大通りで潰れていた。

文字通り潰れていたのだ、まるで巨人か何かに、踏みつけられたかのように。

次に、その潰れている家の隣の建物が宙に、残骸を撒き散らしながら翔ばされた。

「あそこで一体何が!!タケミ、ここで待ってて!」

「いいえアバドン様、私も行きます!!魔法は残念ですが、科学に関してならお任せを!!」

アバドンは、駄目だと言うつもりだった。

その時、アバドンの脳裏に、昨日のタケミの言葉が過った。

『家族を心配させるだけですよ!!』

連れていくべきか、置いていくべきか…

アバドンは迷った。

タケミを見つめ、暫し考える…彼女は答えた。

「……はぁ、仕方ない!タケミ!付いてきて、後衛は任せるよ!!」

「は、はい!!」

タケミの返事を聞き、アバドンはその迷いを捨てた。

二人はその建物が吹き飛んだ場所へ急いだ。










建物が吹き飛んだ場所へ行った二人、周囲には、当たり前なのだが警備兵が四、五十人、建物の跡地を取り囲む様にいた。

「どうしたんです、何がありました!」

アバドンは、兵の中でも一番位が高そうな人に話しかけた。

鎧で全身を守っているその人は

「危ないから下がっていろ!!」

と叫んだ。

鎧兜のせいで、表情はまるで分からないが、声の震え具合からして、どうやらかなり焦っているようだ。

「兵長!!」

「どうした!」

「また狂信者マグナス・ボルガです!今度は三神官までいます!」

「またか!!何回人様殺せば気が済むんだあいつらは!!」

狂信者、聞いたことがない単語が飛び交う。

兵士と兵長が何を話しているかは、アバドン達にはわからなかった。

「あの、狂信者って何です?」

タケミが兵長に聴く……が

「まだいたのか!はやく逃げろ!奴等に殺されちまうぞ!!」

聞く耳持たず。

良く言えば、話す時間さえ惜しい非常事態ということだ。

しかし、アバドンは面倒なことに正義感が強い。

それも一度思ったことは、なかなか止めないタイプなだけに、そんな事態だからこそ、余計に協力したがってしまった。

「何があったかは知らないけれど、私達も戦えるよ!貴方達を援護します!!」

彼女が兵長と呼ばれた男に叫ぶ。

男も負けじと叫ぶ。

「君は兎も角、君の後にいるその子を戦わせれるか!!彼女は女の子だぞ!!」

「(あ、また男と勘違いされてるよ……まぁ今は良いや!)彼女はあれでも戦闘センスは多分・・あります!!大丈夫です!手伝わせてください!!」

「多分とか余計に駄目に決まってるだろ!!良いから速く………」

男がそこから先を喋ろうとした、その時だった。

建物が一つ、また翔んできたのだ。

しかもかなりの速度でだ。

避けれない!!男がそう覚悟を決めた時だった。

「でぇやああぁぁぁぁ!!」

建物がかち割れた。

タケミだ!タケミが建物をかち割ったのだ。

「タケミ!?貴女そんな力があったの!?」

アバドンも流石にそれには驚くが、仕掛けは単純な物だった。

タケミは右手に、奇妙な物を装備していた。

それが建物をかち割る手助けをしたのであった。

「良かった~、一発勝負だったから、失敗したらどうしょうかと……」

「タケミ、右手のそれ何?」

「これですか?よくぞ聞いてくれました!!これ、私の試作品の『ブロウクン・ファントム・スティメン』です!!見た目は只のガントレットですけど、その仕組みは中に火薬を仕込んで、私の意思でいっでも発破できるように………」

「!!タケミ、続きはあとで聴くから、来るよ、さっきの攻撃してきたやつが!」

アバドンが叫ぶ、と同時に、先程建物が翔んできた場所から、一つの影が跳びだし、アバドン達の頭上高くに表れた。

〈うっしゃあぁー先手必勝!!〉

大きな黒い影は、まるで稲妻のような速度で降下し、アバドン達を押し潰そうとした。

「ヤバッ!みんなの下がって!!」

アバドンが叫ぶ、影が地面にぶち当たる、警備兵の一部が宙に舞う、血が白い石畳の地面を赤に染める。

これらの事はほぼ同時に発生した。

影が地面へ衝突したため、巻き起こる白い土煙。

〈そこかぁ!!〉

「なっ!!」

土煙が吹き飛び、影がアバドンに向かう。

影が何か斧のような物を振りかぶる、アバドンも咄嗟にソウルブレーカを喚びだす。

激突ーーー

鉄と鉄のぶつかり合い、花火が飛び散る、アバドンが押される。

そして僅か零点三コンマで、その鍔迫り合いは終わる。

今の一合で、アバドンは『力だけだと絶対に影には勝てない』と考える。

そして、彼女達は見た、影の正体を!

〈人間のクセに、俺様の一撃を受け止めるたぁ……やるじゃねえか、誉めてやるぜ!〉

無機質な機械音声が辺りに響く。

影の正体は簡単に例えるなら、恐竜の姿をしたロボットだった。

三メートル強ありそうな巨体、冷たくあかに輝くモノアイ、鋭い鋼の牙がズラリと並ぶ顎、鉤爪となっている両手は、その身の丈すら小さく見える巨大な、ギロチンを斧にしたかのような物を持っていた。

「あれは……人体改造兵器ヒューマゾイド!!なんでこんな所に!?」

タケミが困惑する。

「あなた、何者?」

タケミの代わりにアバドンが彼に問う。

機械恐竜が答える。

〈俺かぁ?俺の名はガイア、『ガイア・マグナ』!!『砂漠の暴帝』だ!今時珍しいな、俺達マグナス・ボルガを知らねぇなんてよぉ〉

「マグナス・ボルガ?とか言ったわね、貴方達の目的は何?」

〈俺達の目的か?……目的だけならいいか、俺達の目的はな………真の自由を得ることだぁ!!〉

「真の…自由?」

〈ああそうだ!この国は違うみたいだか……世界のほとんどの国は政治も糞も知らねぇ王が国を治めてやがる。

俺達はそれにムズしが走るんだよぉ!!自分の味方するやつの、都合の良い法律しか作らず、その邪魔をしたら謂れの無い罪で即犯罪者、自由を求めて何が悪い!!王族か平民ってだけで差別されるのを嫌って何が悪い!!こんな不平等世界あってたまるか!!『こんな不平等社会をぶち壊す!!』それが……俺達の目的であり、大儀だ!!〉

ガイアが高らかに叫ぶ。

その姿は、まさに自由を求めし獣だった。

だが、アバドンは、その大儀とやらが非常に気に入らなかった。

矛盾しているのだ、彼等か言っている事と、今やっていることが。

「自由を手に入れるだって?その為ならどんなことをしても良いって言うわけ!?貴方が今やっていることは殺人だ!!自分の自由のために他者を傷つけて良い分けない!!」

〈ほう、小娘の癖に生意気言いやがる。

だか仕方ないのだ、こうでもせねば、あの傲慢な王は、打開策すら導かんのでな!ま、どうせ王族なんぞ、自分の身させ安全なら、何が起きようと無視しかしないんだろうがな!〉

「だったら何故!!」

〈おっと、これ以上の会話は俺の地位が危ないんでな………どのみち、お前とは主張が違うから、死ぬまで平行線なんだろうよ。

さて、お喋りはここまでだ!!俺達の大義のため……………死ねぇぇぇぇぇ!!!〉

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