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孤独な魔王様  作者: 高梨王牙
全ての始まり
2/10

第一章 疾走美少女との出合い

事の始まりは彼女が水の国『アクレシヤ』を訪れた時だった。

目の前に広がる広大な水路、建ち並ぶ優雅で美しき、大小様々な建造物たち。

また沈んで行く夕陽の暁が、水面を雄黄ゆうおうに輝かせ、上質なアールグレイを彷彿とさせる。

その光景はまるで絵に描いたような、素晴らしい情景だ。

そんな風景の中、凛とし、大人びた整った顔立ちの少女がいた。

アバドンだ。

彼女は、アクレシヤ一番の宿屋『恵みの雫』へ向かうため、この国の名物『水船みずぶね』に乗っていた。

「流石は『世界で最も美しい国ランキング』ナンバーワンになった国ね、とっても素敵.....」

彼女は、この景色を船の物見窓から見つつ、そんな事を呟やいた。

湿気を含んだ少し冷たい風が、彼女の黒髪を撫でるように吹いた。

ゆっくりと、砂時計のように流れて行く時間....アクレシヤにいる限り、素晴らしい絵画のようなこの情景を飽きるほど味わえるだろう。

そんな事を考えながら、彼女はその露草つゆくさ色の瞳を閉じた。

船の揺らぎが、まるでゆりかごような心地よさを感じさせる。

(ふふっ....... このまま宿屋に着くまで寝ちゃおうかな…)

彼女は、その懐かしい心地に身を委ね、暫くの眠りにつく........はずだった。

『なに人様にぶつかってんだよくそアマ!!』

「うひゃあ!?」

怒声が前方から聞こえてきたのだ。

それもまるでドラゴンの咆哮のよう声量で。眠りにつこうとしていた彼女は、突然の事に堪らず飛び起きる。

「な、何々!?」

アバドンは窓から首を突きだし、前方を確認する。

前方には夕陽に照され、まるで黄金のように輝く桟橋があった。

怒声はその桟橋の上から聞こえて来たようだ。

桟橋の上には五人の男と、一人の女の子らしき人がいた。

どうやらあの女の子は、世間一般的に言う不良ってやつに絡まれてしまったようだ。

しかも、どうやら女の子の方は、足でも挫いたのか、動くことが出来ないように見えた。

アバドンは無駄に正義感の強い女性だ。

たとえ足を挫いていなくとも、不良らしき者に絡まれている女の子を、見て見ぬふりをすることは、とてもではないが、彼女には出来なかった。

彼女はその光景を確認するや否や、水船の船長に

「船長さん!運賃はここに置いておくから!」

と言い放つと、直ぐ様に隣の席に置いてあった荷物を肩に背負い、席を立った。

「ちょ!ちょっとお嬢さん!?一体なにする気なんです!発着場はまだ先ですよ!!」

「ごめんね、ちょっとあの桟橋・・に用が出来ちゃった!!」

「ちょ!!桟橋って!!お嬢さん水魔法使えるのですか!?」

船長の叫び声を無視して、彼女は窓から飛び出した。

無論、窓の外は水のみで、向こうの道路までは10メートル位ある。

水魔法でも使えない限り、ここを窓から助走なしで渡るのは、無理に等しい。

当然アバドンは重力の慣性に引かれて、水面にぐんぐん近づいて行く。

ああ、正義感つよい彼女は、後先考えずに窓から飛び出したのだろうか。

否、彼女は『魔法と鎌術に関しては』天才的・・・だった。

彼女が右腕を突き出す、すると瞬時に水が重力に逆らい、彼女を乗せ、桟橋へと伸びて行くではないか。

彼女を乗せた水流が、桟橋の腹にぶち当たった、その衝撃を利用し、彼女は宙に舞った。

「来い!魂をひさぐ者『ソウルブレーカ』!!」

彼女が叫ぶ、数拍遅れて一振りの大鎌が飛んできた。

彼女は飛んでくるそれを掴み取り、慣性に従い、桟橋の女と男達の間に落下・・した。

そう落下したのだ、着地ではなく落下だ。

ドガァァン!!と、まるで隕石でも降ってきたかような爆音をたて、桟橋の石畳に無数のヒビを入れる。

荒々しい、どんな高さから落下したら、そんな事になるとツッこみたくなる落下ちゃくちだった。

「私、参上!!なんちゃって」









「うにゃああぁぁぁぁ!!!御免なさい御免なさい御免なさい御免なさいぃぃぃ!!」

ギラギラと、初夏の陽射しが照りつく水路の側の道路を、悲鳴を上げながら制服で突っ走る、銀髪の美少女がいた。

彼女、魔法女学院1年生タケミは自身の不幸を呪った。

今日は厄日だと彼女は、その無駄に豊富な胸を張って言えるだろう。

ここアクレシヤの魔法女学院は明日から夏休みに入ろうとしていた。

だからであろう、無駄にハイテンションになってしまっていた。

そのテンションが押さえられなくて、普段はお金が勿体なくて、行きもしない服屋で、ちょっと可愛い服でも買おうとして、店のすぐそばでカツ挙げされていた女の子を、大して強くもないくせに助け出そうとした。

結果、店から出てきた彼等の仲間、およそ十人位に追われる羽目になっているわけである。

「待てやゴラァ!!」

「嫌ぁぁぁ!!誰か助けてぇぇ!!」

古びたバケツを蹴飛ばし、道行く人々をかき分け突っ走る。

彼女は女学院ではヘッポコの部類に入る程、大して成績も魔法センスも良くない、むしろかなり悪い。

魔法女学院に入学した理由も、ただ『制服が可愛いかったから』である。

だがそんな彼女も、短距離走や長距離走のような『走る』事は得意分野だった。

女学院ではそれだけはいつも一番だった。

言い換えれば、それ以外は全くできないということだが...... 今だけはその得意分野が盛大に役立ってた。

彼女に追い付けず、一人、また一人とスタミナを切らして膝をついていく。

「糞!なんだよあのアマ、化け物かなんかか!?」

「レディを化け物呼ばわりしないでください!!」

と言いつつ、やはり不良達とは違い、疲労の色一つ見せず、走り続けるタケミ。

咄嗟に目に写った曲がり角を、自前の銀髪を翻して屈折し、突っ走る。

時には小さな水路を飛び越え、時には積み上げていたガラクタを薙ぎ倒した。

そんなことを続け、町中を走り回った結果、ようやく巻いたようで、今彼女は桟橋を渡っていた。

長い時間走っていたのだろう。

走っている間に、日は随分西に傾き、暁に輝いていた。

その輝きに照されて、桟橋は美しく暁に輝き、橋の上にいる何組かのカップルを、まるで祝福するのような、神々しい光りを放っていた。

そのため、桟橋はプロの画家が描いたような、殆どの人達が見てもため息が出るほどの、素晴らしい風景となっていた。

パートナーがいる人達にとっては.....

「はぁ.......彼氏欲しいなぁ......」

そんなカップル達を、まるで亡霊のような視線で見続けるタケミ。

タケミは彼氏いない歴イコール年齢の少女だ。

見た目は悪くないのだ、むしろ上の上に入ってもおかしくない、可愛らしい顔立ちをしている。

では何故彼氏がいないのか、理由は簡単だ。

彼女の理想が高すぎるのだ。

長身で心優しく頭もよく、自分のピンチに何時でも駆けつけてくれる超絶イケメン。

それが彼女が望む彼氏である。

だか世の中そんな完璧人間のような男、早々いない。

いたとしても、彼女に振り向くかどうかは、その人個人が決めることだ。

ちょっと考えれば分かることなのだか....... 彼女は、そんな夢のような人を探し続けていた。

「はぁ~、私だけの白馬の王子様、何時になったら現れてくれるの.......」

そんな物思いに浮気っていたせいだろう。

前を完全に見ていなかった彼女は、ドンッと強く何かにぶつかってしまった。

「キャッ!!ちょっと!前くらいちゃんとみなさ.........い.......」

ぶつかったその何かを彼女が睨むが、即座に気持ちが怒りから、恐怖に入れ替わった。

彼女がぶつかったのは、さっきの不良達よりも恐そうな、顔に三つの傷が入った筋肉質の男と、取り巻きっぽそうなひょろっちい男どもが四人だった。

「...ええと......あの.......その........」

これはヤバイ、冷汗が彼女の背筋を伝う。

謝罪をしなければと、彼女は急いで考える。

しかし、ぶつかった相手が、凄まじい威圧感を放っていただけに、弱冠パニックになってしまっていた。

恐怖で謝罪の言葉が思い浮かばない。

数秒、気まず時間が過ぎて行く......そして待たせ過ぎた結果、ついに男のボルテージが頂点に達した。

「なに人様にぶつかってんだよくそアマ!!」

「キャア!」

まるで火山が爆裂したかのような、大音量の怒声。

彼女が最初に聞いたものはそれだった。

次に飛んできたものは視線。

しかし、その視線は憎しみによるものから、直ぐに別の視線に変わった。

まるでなめ回すように、じっくりと、ねっとりといやらしく、彼等が自分を見ている事に、彼女は気づく。

彼女は気づいていない、自分の今の姿に....

初夏とはいえ、今日はそれなりに暑い。

彼女は今この時まで、ずっと不良から逃げるために全力疾走していた。

そのため、汗を掻いた彼女の身体に、制服はベッタリと張り付き、下着の色やボディーラインまでもが、ハッキリとわかってしまっていた。

それに加えて、タケミは誰もが認める美少女だ。

とどめにスタイルまでもが凄く良かった。

それが今回はかなり悪い方向に働いた。

「ヘイヘイ、よく見たら結構良い女じゃねぇか.....」

「嬢ちゃん俺達と一緒にイイことしねぇか?」

ネットリと粘つくような言い方で言葉を放ち、彼等はゆっくりと近づいてくる。

「い、嫌......来ないで!!」

彼女もつられて、ジリジシと引き下がっていく。

彼女は逃げ出そうと足を後ろに踏み出す。

だかここで最悪なことに、不良達から逃げだした時の疲労が祟ったのか、彼女は石畳の隙間で足を挫いてしまう。

グキッ!とかなり痛そうな音とともに、彼女の足首に激痛が走る。

「あう!いったぁ~!.....あっ!!」

再度振り向くと、男達は直ぐそこまで来ていた。

蛇に睨まれた蛙とは良く言ったものだ、今まさに彼女は睨まれた蛙だった。

ジリジシ近づいてくる男達、それに対して、足を挫いて動けなくなった彼女。

彼女は今、様々な意味で絶体絶命だった。

「嫌......嫌!!」

「うへへへ、一緒に遊ぼうや~」

ゲスな言葉を吐き、彼女へと、さらに近づいて行く男達。

彼等が彼女に触れるまであと数メートルもなくなった.....その時!!

ドカァァン!!とそんな轟音を鳴らし、彼女と男達の間に、何かが降ってきた。

落下時にできた土煙が晴れると、そこにいたのは.....

「お、王子様.......?」

白馬にこそ乗ってはいないが、そこには彼女が求めし王子様がいた。

キリッとし大人びた顔立ち、ショートヘアの艶やかな黒髪、また百八十センチはありそうな程の伸長。

そして奇妙な紅い紋様があちこちにあるローブを着ており、首には、ミノタウロスの頭蓋のようなペンダントを着け、その右手には、鎖で拘束された禍々しい大鎌が握られていた。

こんな格好でそんな武器だと、王子様と言うより、死神か悪魔に近いと言いきれるが、恋は盲目とでも言うのだろうか。

タケミの視線は、現れたら王子様の顔だけに注がれていた。

見た目、状況、登場の仕方、全てに置いて彼女は確信した、あれが自分の王子様なのだと。

「やっと見つけた.....私の......私だけの王子様!!」

彼女の顔が、並みの男なら一発で堕ちてしまうほどの、素晴らしい笑顔に染まる。

だが悲しきことに、彼女は後に気づくこととなる。

たった今、自分が王子様だと思い込んだ相手が、実は『女の子』だったということに......

「私、参上!!なんちゃって」








「なんだてめぇは!!」

暁に輝く桟橋の上、男達のリーダが叫ぶ。

どうやら邪魔をされたことに、たいそうご立腹なようだ。

怒りで男のこめかみには、青筋が浮いている。

「う~ん、そうだね.....通りすがりの正義の味方!.....かな?」

アバドンは高らかに答える、その返答に男達は、爆笑という解答をした。

「はぁ?正義の味方だぁ!?つうことはなにか?てめえが俺達を倒すのか?うひゃははは!!てめえ見たいなひょろっちい奴がか!?笑わせてくれるね~!お前ギャクのセンスあるぜ!!」

男の一人が笑いながら喋る。

「お前ごとき、俺がやるまでもねぇ、おいお前ら!」

「うっす!!」

リーダー格の発言と共に男達の一人が、彼女に襲いかかる。

「ヒャッハー地べたを舐めなぁ!!」

男が全力で、アバドンの顔面目掛けて殴りかかる。

しかし、その拳はアバドンに当たることはなかった。

まるで宙を舞う紙のように、当たる直前でフワリと避けたのだ。

ギリギリで避けられた結果、男は致命的な隙を、彼女にさらすこととなった。

「あんな大振りのパンチ当たるとでも?......数が結構いるし、最悪、逃げようとか思ったんだけど.....!!」

避けられた事に驚愕し、声も出せぬ男に、彼女は無慈悲にも、結構な力で肘打ちをこめかみに叩き込んだ。

肘打ちによる一撃で、脳を揺さぶられた男は、むろん直ぐに意識を失った。

「この程度なら、ソウルブレーカー召喚よばなくっても良かったかな?」

「ファ!?」

男どもがどよめく.... 対して、軽く男の一人をノックダウンさせたアバドンは.....

「どうしたの?私みたいな『ひょろっちい奴』を倒すんじゃあ無かったの?」

と、余裕綽々で男達に挑発していた。

単純なのか、単細胞バカなのかは分からないが、兎に角男達はその態度に激怒した。

「うんだとこのくそアマ!!」

キレた男達は今度は全員で飛びかかっていった。

しかし、やはり彼女はそれを苦もなく対処する。

一人目の男の蹴りを、同じく蹴りで弾き、二人目の掴みかかりを蹴りを放った反動を使い、フルスイングでのパンチで吹っ飛ばす。

吹っ飛ばされた男は、桟橋の柵に頭を強打し、そのままってしまった。

三人目のパンチを避け、延びきった彼の腕を左手で掴み、なんと片手で一本背負いをした。

後頭部から落ちた男は、あまりの痛みに耐えきれず、直ぐに意識を手放した。

そして最後のリーダー格のパンチはあり得ないことに、彼女はヘッドバットで止めた。

普通は、ヘッドバットをした、アバドンの頭が割れるところだか、今回割れたのは......

「うっ!痛えぇぇぇぇ!?」

リーダー格の拳だった。

この時点で、彼女は既に三人を気絶させている。

しかも右手を使わずにだ。

「痛っつ~、小さい頃から石頭って、御父様に言われてきたけど.....流石にあれは無理があったかな~」

ただし、先程の無茶で額に軽いたん瘤が出来てはいるが.......

「さてと.....まだやる?」

アバドンは、額を左手で抑えながら、男達に挑発する。

リーダー格の男の背に冷たい汗が流れ落ちる。

彼の生存本能が危険レッドに染まる。

「チッ!チキショウ!!覚えてやがれぇ!!」

敵わないと思ったリーダー格は、雑魚敵のお約束とも言える台詞を吐き、倒れた仲間を抱き抱え、その場から脱兎の如き速さで逃げるのであった。












「君、大丈夫?一人で立てる?」

「うにゃあ!?あ、大丈夫です!!」

彼女は、男達が逃げだした事を確認した後、絡まれていた女の子に声をかけた。

女の子は、一言て表すなら『超が幾つ着いても足りない位の、超美少女』だった。

大きな深紅の瞳のつり目、幼さを残した可愛らしい顔立ち、髪は銀でミディアムデジタルパーマと呼ばれる髪型をしていた。

今度は身体の全体像を見ようとして.......アバドンはそこで思考が制止した。

彼女の視線は.....女の子の胸に向けられていた。

デカイ.....真っ平らな自分の胸と見比べて、彼女の胸は少なく見積もっても『G級』はくだらないだろう。

つまり女の子は、俗に言う『爆巨乳』と言うことだ。

しかも、冷汗なのか脂汗なのかは分からないが、何故か彼女は汗だくだった。

そのお陰で、胸のラインやブラの色や装飾まで、しっかりわかってしまった。

だからこそ、直ぐに彼女の胸の形がわかった。

アバドンにとっては悔しいことに、形までかなりイイ胸だ。

さらにこれは完全に彼女の妄想だか、絶対自分のより柔らかいと考えた。

他にも、何処かの学校の制服らしき服を着ていたり、伸長は160センチギリギリだったりと、色々な特長的な物があったのだが.....胸へのインパクトが強すぎた結果、結構彼女はそれ以外の部分に、目を向ける事が出来なかった。

『羨ましいなオーラ』を凄まじく撒き散らしながら、『私もあんな胸にならないだろうか』と思いながら、彼女は仕切りに胸を見続けた。

「.....」

「あ、あの~」

「ふぇ!?な、何?」

「どうして私の胸ばかり見ているのでしょうか?」

あまりにもじっくり見すぎたせいか、なんとか立ち上がった彼女に、アバドンは質問された。

慌てた彼女は、咄嗟に

「あ、あぁ、何でもないよ何でもない!!......そうだ!君の名前は!?」

と、質問を『名前を聞くという』質問で返した。

質問で返された彼女は多少困惑したが自身の名を打ち上げた。

「ふぇ!?わ、私ですか?えぇと......私はタケミ、『国立魔法女学院一年生』タケミです!」

「そうかい、じゃあ私も......アバドン、それが私の名前さ、よろしく、タケミ!」

「は、はい!!王子様!!」

こうして、これから後に起きて行く、様々な大事件を、解決して行くこととなる二人が、今こうして出会ったのであった。








「..........うん?王子様??」


ここにはこの物語に出てくる『国』や『専用用語や伝承』を書いていきます。

興味がある方はご覧ください。


水の国アクレシヤ


かつて、そこは大きな火山だった。

その火山は、大地のほとんどを焼き払った後に砕けちり、広大な湖へと変貌を遂げた。

カルデラだ....

やがて、その湖には人や人に友好的な他種族が集まって、一つの町を作った。

貿易に特化した町は、町に多大なる富を与え、町に住む人や、町その物を豊かにしていった。

そうして、いつの日にか町は国になり、住む人を増やすため、その土地を湖の中心部まで伸ばしていった。

土地を得るため、湖の埋め立てを繰り返した....その結果、湖には元々少なかった魚が姿を消してしまった。

この事を教訓に、その国に住む人達は道路のほとんどを水路に変え、交通手段を舟に変えた。

そうしてから数百年後、湖に魚が帰ってきた。

この話しが作られてから数千年たった今も、魚達はこの湖に住んでいる。

世界でもっと美しい国、アクレシヤは魚の為に形を変え、その結果その美しい外観を手に入れたのであった。

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