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浸水

作者: 渡辺志郎

こうやって僕は海の底から 浮かぶ泡を眺めるだけ

僕が叫ぼうとしても 泡の中はからっぽで

それは僕がなんて叫んでいいのかわからないからなのかもしれないけど

きっと何と叫ぼうが 泡の中はからっぽなんじゃないかとも思う

それに一度叫んでしまったら もう僕の中には空気すら残らない


こうやって僕は海の底から 浮かぶ泡を眺めるだけ

僕が泡の中に何かを見出そうとしても 泡の中はからっぽで

ただ水が目に沁みて 目を閉じてしまおうとも思うのだけど

ここは真っ暗なので 目を閉じたところで何も変わらない

泡を吐いていることを感じられるから 泡が見える気がして目を開けるなんて滑稽


こうやって僕は海の底から 浮かぶ泡を眺めるだけ

僕が泡の中に響く音を聞こうとしても 泡の中はからっぽで

水が耳を塞いで 何も聞こえないのだけど

僕が何を叫んでいるのかわからなくて 知りたかった

泡が音を出すのは浮かぶときだけだということは 知っているんだけど


結局のところ 何をしてもだめなんだけど

それでもせめて 海に僕を許してほしい

息ができなくてもいい 目が見えなくてもいい 耳が聞こえなくてもいい

海が僕を責めることなく 生かしてくれるのなら からっぽな泡すらもう見つからない

でもそのためには 僕も海を許さなくてはいけない

肺の中も 目の前も 耳の穴も 水でいっぱいにしなくてはいけない

でも 僕は海を許す 

海は僕を許す

小説を書きたかったのですが、今日仕事中に思い浮かんでしまったもので書いてしまいました。小説も近いうちに書きます。

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