なに・・・・、異世界だと・・・・
「うん・・・・・・・・・・?」
サンサンと照らす太陽を見ながら、おれは意識を取り戻した。
「うん?あれ?、なんで俺意識を失ったんだけ?」
体を手でさえようとした時、手が草や土に触った。
「!!」
「????なんで、俺、あの古い家に、いたはずなのに」
と、次の瞬間、気を失う前に起きた出来事を思い出した。
「おいおい・・・・・・・もしかして神隠しにでもあったのか?」
俺は、突然のことに、茫然としているほかなかった・・・・・・
数分後、我にかえり
「・・・・・・・わかった!、きっと、誰かが俺をさらったか、もしくは、これは夢なんだ!」
俺は、お得意の現実逃避及び、変なことを考え始めた、当り前だろう、だれしもがそう考える、きっと・・・・。
「よしっ夢なら、ほをつねれば」
と、俺は、ほをおもいっきりつねった。
「いてててててて!夢じゃない!」
やばいな、現実逃避に陰りが出てきた。
「きっと、誰かにさらわれたに違いない、いや、きっとそうに違いない!」
そんなふうに強制的に思い込んだ境井は、とりあえず、携帯電話が通じるかどうか確かめてみた。
「よかった。こんな森の中なのに、アンテナが3本ちゃんと立っている。さっそく110を」
「ぴぴぴっぴ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
反応なし
「ぴぴぴぴぴっ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
置物のごとく反応なし。
「・・・・・・・きっと警察さん、寝ぼけてるんだそうに違いない、」
いったん警察への連絡をあきらめた俺は、母さんに連絡を試してみる。
「ぴぴぴっぴぴっぴぴ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
砲弾を受けた後の如く、沈黙していた。
「・・・・・・・・・きっとこの携帯壊れているのだろう、・・・・・いやまてよ」
この携帯が壊れていることなんてありえない、何せ、1ヵ月前に買ったばかりの新品である。
もしかしたら、おれをさらったやつらが壊したのかもしれないが、壊すより盗んだほうが、金銭面等、メリットがある。それとも、どこかを強くぶつけたのか?いやそれでも、普通このような貴重品は、盗まれているだろう。
「・・・・・・・・財布でも盗まれているのかな?」
とりあえず、そこに転がってあった。バックをこっちに引き寄せた、バックは盗まれているどころか、物色を受けた形跡もない、
「・・・・・・・・・・財布、完全に無事、ちゃんと全額2867円、カードなんかも完璧にある」
うれしいはずなのに何だか、恐ろしい気持ちになってくる俺。もしかしたら本当に神隠しに・・・。
「・・・・・・ほかのものは盗まれてやしないかな~?」
しかしその淡い希望は、戦艦の艦砲射撃と、爆撃機による絨毯爆撃にあったのごとく、完全に砂と化した。
世界史の教科書、及びその資料集とノート、情報の授業の時に使った。ノートパソコンと充電器、漢字テストの勉強のために持っていた、漢字の教科書、食った後の弁当箱にちょっと残った水筒、クリアファイル、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
うん、すべて完全にそろっているね、なんでだろう、
うれしいはずなのに悲しいな。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ぼーと、半分そうしているうちに数分がたった。
「はぁ~おそらく、おれをさらったやつらは、ドジだったんだろう」
決して神隠しを認めていなかった。境井であった。
「まあとりあえず、まさか、某北の国に拉致られたわけでもなさそうだし、ここは、日本なんだろう、そこら辺を歩けば、道路にでも、ぶち当るに違いない」
とりあえず、バックを持ち、俺はとぼとぼと歩きだした。
あること数分・・・・・・・・
「ぎゃーぎゃー」 「がおおおおおおおーーーン」 「パボーン」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なんか・・・・・この世の終わりかと思える鳴き声が聞こえる、おかしいのはそれだけでじゃない、何だか体が妙に軽いし、生えている草や木も、これぜってー日本にはないと、断言できるものまで生えている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
とりあえず、俺は、得意科目?の現実逃避を発動した。
しかしまあ、ここは日本ではなさそうだということを、薄々と思ってしまった。
一瞬、ここは地球じゃないのかもしれないという考えも出たが、俺の本能が全力でそれを否定した。
しかし、次の瞬間現われたものは、おれの現実逃避バリアを、大陸弾道核ミサイルで、長距離からぶち抜くがごとく粉砕したのであった。
「バボーン」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
いったい何回目の沈黙なのだろうか、まあとりあえず、200メートルぐらい先だろうか、すごいのがいる、てゆうかあまりにものすごさに足がすくんだ、そう、そこには、明らかに10メートルは超えている物体がある、形状としては一見、巨大な象であった、しかし、普通の象とは、まったく違う所が4ッある。
一つ、目が三つある。
二つ、ライオンのようなたてがみ、色はピンクだが。
三つ、尻尾に2メートルぐらいの鉄球みたいなものが付いている。
四つ、せみのような羽が生えている。
後、巨大な事を含めば5ッつある、正直言って、全然愛くるしくない、こいつがもし動物園に来たとしても、閉鎖に追い込まれるどころか、その動物園ごと、この象もどきの存在に危機感を感じたアメリカのによって世界から抹消されてしまうような動物である。
なぜか?なぜなら、ヒトラーも、スターリンも、素足で逃げ出しそうな怖さだ!事実、俺は現在、足がすくんでうごけないからだ!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「バボーン」
どうやらこの像もどき、幸運なことに、おれの存在に気づいていないらしい、そのまま、走り去って行った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「はぁ~、ここは、どこなだ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「バタン」
おれはあまりにもの緊張に、ぐったりとなってしまった。
数分後
「ハハハハハハハ、ここはガラパゴスだ!」
ついに狂ったぜ、てか、狂ったほうが楽だ。
「マダガスカル、南米のアマゾン、アフリカの草原、東南アジアの熱帯雨林」
狂いながらそんな事を言い続け、また数分が経った。
数分後、何とか冷静になった、
「いや・・・・・おちつけ・・・・・・・・一番有力な候補は、DNA組み換え実験の、哀れなモルモット的な存在の象なのかもしれない、だとしたらここは、アメリカ、ロシア?」
けっして、けっして、神隠しで異世界へGOだなんて認めない!
しかし、次にあらわれた、大陸間弾道核ミサイル、第二波によって、その認めないという心すら、そして、おれの現実逃避を、砂どころか、原子核の中性子なみに分解した。
「キーン」
「?」 何やらそんな音が空から聞こえてきたので、空を見たら、おれは絶句した。
なぜかってか?それはあんなのを見れば誰だってそうなるだろう絶対、たとえ、ナポレオンだろうが、
ネルソンだろうが。
それは、
「おい・・・・・・空飛ぶじゅうたんかよ」
そう!おれの真上を、人を乗せた空飛ぶ絨毯が飛んでいた、信じられないけどな。
そして、あっという間に空の彼方に飛び去っていった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「やべ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
俺は、涙ぐみながら、このような現実を認め、それと同時に現実逃避もやめ、このような結論に達してしまったのであった。
「異世界だ・・・・・・・ここ・・・・・・・・・」
そして・・・・・・
「はぁ・・・・こんなめにあう俺って・・・・・・生きている意味あるのかな・・・・・」
と、俺はまたもや、ネガティブになり、そして涙ぐみながらそうつぶやいた。
境井 真がつぶやいたその言葉は、そんな事になんか気にも留めず、のんびりと広がる大空へ、溶けていった・・・・・・・。