喜びとその結末
すみません、けっこう遅れました。
なにせ、自分家のパソコン、インターネットに繋がっていないので、
ケータイで投稿するのはやっぱり難しい。
すみません、言い訳ですよね
私は、子供のころから、勇者の話が好きだった、いつも母親代わりの大精霊様の所に行って、何時もその話を聞いていた、そして特に、私はあの歌に強い関心を寄せていた、おそらく、いつも聞かされているだろうからだと思うけど、いつの間にか私は、そいつという人に助けられたいと思っていた、そしてそいつと一緒にに旅に出るんだと思っていた。これが、恥ずかしいけど、私の夢だった。
そして、いつの間にかそんなことも忘れ、本当に私が生きる意味をなくしているときにそいつは現れた。
マコトの姿を見たとき私は二重の絶句をした、ひとつは、まさしくあの歌のようにそいつが現れたということ、二つ目は、
目の前にマコトが居るということだ、マコトはあの眠り薬で今でも眠っているはず、なぜならあの眠り薬の効果は、明日の朝までである、普通の人間ならあの薬を飲んでこんなに早く起きるはずがない、やっぱり、マコトはタダものじゃなかたんだ。
一瞬、私は、そいつが現れたのかと思った、しかし、同時にそんなはずがないと思う、私が居た。
そう、そんなはずがない、いつも現実はそうであった、私のお父さんが帰ってこなかったときみたいに・・・。
そして私はこう考えた、いや、考えてしまった。
マコトは、あんな危険な森に置き去りにした私を許してなどくれないのだと。
そして、そんな事をした私に、復讐に来たのだと…
そう考えてしまうと、もう私には絶望しか見えなくなった。
「いやだ・・・・いやだ・・・・」
私は、マコトから逃げるように後ろに下がった、しかし、後ろは川である、足が、服が、すぐさまずぶ濡れになる、しかし、そんなこと気にしている暇などなかった。
「いやだ・・・・・いやだよ・・・・・」
私は、体を刺すようにに冷たい水の中で震えながら言った。
「ごめんね・・・・・ごめんね・・・・・」
泣きながら言った、許してくださいと、だけど、きっと殺されるんだな、と思ってもいた。
当たり前である、いくらあの歌と同じように表れたとしても、あんなモンスターがいっぱいいる場所で眠らせ、放置したのだから、殺したのと一緒である。それに、抵抗しても無駄だろう、マコトはあのよく分からない魔法具を使いこなすんだし、私ぐらい簡単に殺せるだろう、
殺される・・・・・・・殺される・・・・・・
「ごめんね・・・・・・許してよ・・・・・殺さないでよ・・・・・」
それでも彼はわたしのほうへ寄ってくる・・・
「許してよ・・・・お願い許してよ・・・・・・ぐすん」
ピィオナは、川の中で、ずぶ濡れになった体で、泣き崩れた
「おーい、ピィオナちゃん?」
しかしながら、ピィオナにとっては恐怖の的であるはずの真の言葉は、至っていつも通りであった
そして
「ごめんね・・・・・・ゆるして・・・・・・」
悲しみと絶望に満ちた顔で、それに気がつかないピィオナであった
「ダメだこりゃ」
まずはじめに俺はそう思った、何か、ピィオナに眠り薬?を飲まされて眠ってしまったが、すぐに起きた、おそらく、薬の効果が弱かったのたろう。
最初、俺が、薬から解放されて目を覚ました時、何が起きたのか理解できず、あれれ?なんで寝てたんだっけ?ええと、あれれ?ええと、ここどこだ?あれれ、あれれれ?
という感じであった。
数分後、ようやくここが異世界であり、そしてピィオナに渡されたクッキーにな眠り薬が入ってたのだな・・・・・という所に至った、しかし、
だからと言って、ピィオナに対して、怒っていても意味ないしいまだにこの世界が、何やらファンタジー香りがする、というところまでしか掴んでいないし、それに自分には結局、ピィオナしか頼るものが居ないのである。
それに、最後にピィオナが「ごめんね」と言ったことから、悪気があったわけではなさそうだしな。
というわけで、ピィオナが通ったと思われしきけもの道を、ピィオナに追い付く走ったのだが、そのあとすぐさまけもの道が途切れてしまい、ズガビーン、と思ったものの、
またもや道なき道を歩くのはもうコリゴリだし、それにもう真っ暗なので、またあのナメクジバッタに襲われたら今度こそおしまいだ、なので結局、川に戻ることにしたのであった。
そしたら居たのである、川辺にピィオナが、もっと詳しく言うと泣きながら。
「・・・・・・・・」
「ごめんね!ごめんね!・・・・おねがい殺さないで」
川の中で体をずぶ濡れにしながらそんな事を言っているピィオナ、正直言って、俺は、何がなんだかさっぱりわからん、なぜに俺がピィオナを殺さなくてはならないのか、なぜに川辺で泣いていたのかも・・・
まあ、謝っている理由はおそらく、俺に睡眠薬を飲ませたことへの謝罪であるとはさすがにわかる、
しかし、
そこまであの薬は強力ではなかったはずだ、すぐに起きれたしな、別にそこまで必死になって謝る必要ないと思うんだけど・・・・・川の中をずぶ濡れになりながら必死に謝るピィオナ(13歳)を見て、これじゃあ俺(17歳)、まるで悪役じゃね?
「・・・・・なあピィオナ、とりあえず、なぜにこの俺に眠り薬を飲ませたのかを教えてくれないか?別に起こらないからさ」
「ごめんなさいごめんないさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめなさい」
「・・・・・・・・・・・」
相変わらず川の中で泣け叫ぶピィオナ、俺ってそんなに怖いのか?それはそれで、俺のほうが悲しくなるのだが・・・まあとりあえず、コミュニケーションを図らなくては。
「おーいピィオナ!・・・・ピィオナ!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
・・・仕方ない最終手段だ。
「すーっ」
「ピィオナーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「ひゃい!!」
「俺の言葉わかる?俺の話聞いてる?」
我ながら13歳のピィオナにそんな大声で言うというのは、かなり恥ずかしい、どれぐらいかと言うと、俺が中学の英語の授業で、先生に、これは本ですかを英語で言ってみて、と言われ、何の迷いもなく、あいあみブック、と言ってしまい、教室中の笑い者なった時並みだ・・・
はぁー、もう二度とやらないと誓う俺であった。
ああ、穴があったら入りたい、いや、ブラックホールに入りたい・・・
「ぽたぽた」
ピィオナの服や髪から水滴が落ちる、マジでずぶ濡れだな、大丈夫か?
「・・・ぐすん・・・本当に、こんな私を許してくれるの?」
さらに、顔はあふれる涙で川とは関係なしで濡れている。え?なに?俺のが悪いのでしょうか。・・・はたから見たら13歳を泣かしている俺(17歳)、…はいはい、俺が悪かったよ、もうどうにでもなれ。
「はいはい、俺が悪かったよ」
全然悪くないはずだが
「だから、大丈夫だ、俺が悪かったし、ピィオナが心配しなくても、別に、取って食うわけでもないし、それに、俺を眠らせたのも、なんか理由でもあるんだろ、それを話してくれれば別に怒らないぜ」
てゆうか、泣いている女の子に怒れるほど俺は鬼畜じゃない。
「・・・本当に・・・・・・本当に・・・」
よかった、だんだん泣きやんできた、なんで泣いているのかわからんけど。
「だから、本当だって、絶対に怒らないから、もう神様にだった誓ってやる」
この場合、誰に誓えばいいんだ?異世界だしキリストとかないと思うが。
俺がそう言った少し後、ピィオナは、まだ髪から水をたらしつつ呟いた。
「・・・・・ありがとう・・・ぐすん・・・・・本当にありがとうマコト」
よっしゃー、ピィオナの顔に笑顔が!この達成感はこの前の期末テスト並みだぜ。
「よし、ピィオナ、とりあえず服を乾かそうぜ、風邪ひくかもしれないしな」
この世界に風邪という病気があるのか分からないが
しかし、すぐさま俺は、ある問題点に気づく。
「…あ、でもどうやって乾かそうか」
すっかり忘れてた、俺は現在マッチもなければライターもない、まさか原始時代よろしく、摩擦で火をつけるわけにもいかん
「なあピィオナ、なんか火種とか持ってない?」
仕方ないのでいまだにぐすんぐすんっと言っている、ピィオナに言った、決して、情けなくはないはずだ、決して!
「・・・・・ぐすん、火種?」
「うん、なんか火をつけるもんでもないかな、ほら、ピィオナの服とか乾かさんといけないだろう」
「…うん、わかった、確かにこれじゃあ寒いもんね・・・・・・ラル・・シュア・・イブ・・・」
そう言ったあと、ピィオナが何やら呟き始めた何やってんだこいつ
「キツネ火!!」
「ブワァ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
にゃるほど、魔法の絨毯があったんだから、こんなことがあってもおかしくねーよな
キツネ火?
を見ながら俺がそう思っていると
「…それじゃあ、マコト、私の正体とか、何で私が、マコトに薬を盛ったか、全部隠さずに言うね…とりあえず座ろうか」
ピィオナはもう、泣きやんでいた。
「ホーホー、ホーホーグゥボルジュア!!」
フクロウもどきが泣いている、さっき時計を見ていたら、なんと、1時であった上に、キツネ火のほのかで温かい光に照らされて、かなり眠たい、しかし、ピィオナの正体やら、泣いていた理由やら、俺を眠らせた理由を聞いて眠れるはずがない、ピィオナの話を聞くため、体に鞭をうつ俺であった。
「つまり何だ?ピィオナは、人間ではなく、バケギツネという一族で、今の姿も、化けている故にあるわけで、さらにその一族は、鉄皮というやつのせいで、滅亡の危機にひんしてるってこと?」
「そう…、私たちバケギツネ一族は、…滅亡の危機に…瀕しているの」
とても暗い顔で言うピィオナ
おいおい、なんだよそれ、この世界にきてやっと会えたまともな人?が、いきなり一族もろとも死ぬって…、なに、俺そんなに悪いことした?酷過ぎないそれ・・・
「それで、まあつまり、その鉄皮とか言うやつを倒すために、俺から殺虫スプレーを奪ったてわけ?」
なるほどね、理解したぜ
「そうだ!これ、マコトなら使えるんでしょ!…そのさちゅうすぷれーとか言うやつを・・・もう一度使ってみてよ、正直、私も結局それがどのくらいの威力があるのか分からなかったしさ、ヒョルガルを一撃で倒すのなら、かなりの威力があるんでしょ!」
ピィオナは思い出したように言った、おいおい、ピィオナにとっては殺虫スプレーこそが最強なのかよ、しかし、殺虫スプレーのことを話すとなると、当然俺が異世界人だということを話さなければならん、誤魔化すにもどうやって誤魔化すのかわかんないしな、下手に嘘をつくよりも、本当のことを言ったほうがいいだろう。
それに、ピィオナも本当のことをすべて話してくれたし、ここは自分も本当のことを話さなくてはいけないのだろう、てゆうかそんな空気だし!、言わなくては処刑的な雰囲気?
「はぁー、ピィオナ、実はピィオナに知ってもらいたいことがあるんだ」
「…?何?」
ピィオナは予想外のような顔を浮かべた
「…いいか、今から、俺の正体を話す、ピィオナも自分の正体とか、自分の身に起こったこととかを話してくれたしな、だから、まあ、信じられないかもしれないが、これから俺の言うことを信じてくれよ、ピィオナ」
俺はそう確かめてから言った、頼むから、うわーーこいつ変人だわ、電波だ、とか言うなよ、まあ今はとりあえずその要素はないが
「うん・・・・信じるよ」
良かった、話が早くて助かる、マコトに正体なんかあったの?そんな感じに下手に驚かれて、めんどくさいことにならずにすむしな、もしかしてある程度感じていたのか?まあ、ピィオナは人間じゃないしな、ありえるな。
「俺・・・・・・」
「うん・・・・・・・」
俺は改めて決意を込めて言った
「異世界人なんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・あれれ?驚かないの?」
なんだか沈黙しているだけで、ピィオナがそこまで驚いていないように見える
「え・・・・・・・」
「え?」
「えーーーーーーーーーーーーーー!!」
「いや!おせーよ!驚くのが!!」
俺は、ジェット機がビルへ突入するがごとく、そう突っ込んだ!
「つまり、マコトは、この世界とは違う世界、いわゆる異界から来たというわけで、何やら、冒険心に駆られてしまい、古い家に入ったら、いつの間にかこの世界にきてしまっていたというわけね」
「まあ、そう言う感じかな、そう言えばピィオナ、この世界に異世界人が来たという話、聞いたことない?」
「・・・・残念だけど、聞いたことないわ、あなたが初めて」
ガーン、それはそうか、世の中そんなに気前よくないはずだしな・・・・
がくんと項垂れていると、ピィオナがそんな俺を励ますように言った
「でも、大精霊なら知っているかも」
「へ?大精霊って、君たちの命の源みたいな奴?」
確か、大精霊こそがバケギツネ一族の力の源であり、命であるといっても過言ではない、ゆえに、その大精霊が死ねば、バケギツネ一族も死んでしまうという、バケギツネにとっては迷惑以外の何物でもないやつだったよな、その大精霊が異世界のことを知っている?
「なんで、大精霊とやらが異世界のことを知っているんだ?」
「うん…大精霊はね、私たちとは違って、永遠とも言えるほどの時間を生きられるの、だから、おのずと持っている知識は私たちでは想像もつかないぐらい持っているはず、だから、もしかしたら異世界のことを知っているのかもしれない、その証拠に、私たちは大精霊からいろいろな話や知識を聞いているしね」
なるほどね、つまりその大精霊なら、異世界のことをしているかもしれないと
「つまり、大精霊ならば、おそらく異世界のことを知っていると」
「たぶん」
たぶんかよ、まあ断定はできんだとろうな、しかし、その大精霊に会えば、俺が元の世界に戻れるかもしれないという可能性がある、それを知ったら、じっとはしてられんな。
「で、ピィオナ、その精霊にはどうやったら会えるんだ?」
この時、俺は大事なことを忘れていた、いや確かに、元の世界に戻れるかも知れないということで結構興奮してたと思うし、早く元の世界に戻りたいなーという気もあり、忘れていたのだ。そう・・・
「・・・・・・いや、だからマコト、大精霊は、鉄皮にとらわれてるって言ったじゃない」
「・・・・・・・・」
俺の中に、ある方程式が浮かびあがる、あに、それは至極簡単な方程式だ、元の世界に戻るヒントを得るには、災厄級とか、そんなよくわからん、ふざけた名のランクをつける鉄皮を倒すという、何ともファンタジー的な方程式だ。
「・・・・・・・・・」
しかし、しかしだな…
オレノシュヨウブキサッチュウスプレーダゼコノヤロー
どう考えても殺虫スプレーで災厄級を倒せるとは思えんだろ。
俺がそんな絶望的な方程式を考えていると、ピィオナが話しかけてきた。
「ねえねえ、そう言えば、そのさっちゅうすぷれーだっけ?それと異世界、どう関係があるの?」
ああ、そう言えば、まだ、異世界に来た経緯なら話したけど、俺の世界のことは話してなかったんだっけ。
いや、まて、おれの世界のことより、この世界のことや、いまだに正体不明な魔法のことも聞かなくてはならんし。
それに、おれの世界のことを教えるにしても、殺虫スプレーのことを教えるにしても、おそらく、こんなファンタジーな世界の人間だから。
「なあピィオナ、科学って知ってるか?」
「…カガク?何それ?」
どう説明すればいいんだこれ?
「うんと、つまり、あなたの世界には、魔法というものがなくて、代わりに科学というものがあるというわけね!」
面白そうに言うピィオナ、まあ、誰でも、知らないものが現れれば、興味や面白みもわくだろう
「その科学て言うのは、つまり、魔法を使わないんだから、もしかして、誰にでも使えるの!!」
「まあ、確かに子供だろうが、老人だろうが、一様、やり方を覚えれる生き物なら使えるな」
そんな当たり前なことを言うと、ピィオナはかなり驚いたようで、かなりはしゃいでいた。なんだかその姿に癒されている俺って、ダメな奴?
「すごいじゃない、期待以上だわ、ヒョルガルを一撃で倒し、なおかつ誰にでも使えるなんて、それに魔法は使わないということは…ねえねえ、私でも使える?」
テンション高めにそう言うピィオナ、まあ、ふつうはそう思うわな
「別に使えるとは思うけど、何に使うんだ?」
一様聞いてみた。
「この岩を破壊してみたい!」
そんな風に言われて、ピィオナの指さす方向を見てみると、あれだな、暗くてよく見えんが、5メートルぐらいの岩がある、ああなるほど、ピィオナはつまり、この殺虫スプレーのことを、ロケットランチャー的なものと勘違いしているようだ、ピィオナよ、お前にとって、殺虫スプレーはどれだけ最強何だよおい。
「さて、どう説明するか」
かなり悩むよなこれ、どう説明すればいいんだ?とりあえず、ピィオナの期待を裏切るようで悪いが、殺虫スプレーでは、あの岩を破壊することは不可能だということを言うか。
「ピィオナ、すまんが、殺虫スプレーはそんな武器じゃない」
てゆうか、殺虫スプレーて、武器なのか?違うと思うけど
「へ?どういうこと?」
心配そうに言うピィオナ、なにその俺への期待の要素の三分の二は殺虫スプレーで構成されている的なかんじは、さすがにそれは酷くないか?
「いいか、この殺虫スプレーというのは、簡単にいえば、虫を殺すために使われるものだ、つまり、なんというか、この部分から、霧状の化学物質?が、噴射されて、それを浴びた虫が死ぬ、そんな感じだ、だから、岩を破壊するとか、虫以外の生き物には、あまり効果はない、という感じだ」
といっても、この世界の虫という定義が分からんが、とりあえず、俺がそう言ったら、ピィオナは喜びの顔をあげた、どうしたんだ?
「うっう神様、ありがとう、これでわが一族も安泰です」
え?どうしたんだ?え?
「どうしたんだピィオナ、そんなにうれしそうな顔をして」
「えーとね、つまり、その殺虫スプレーは、虫なら何でも殺せるんでしょ!」
まあ、これはそこらのスーパーで買った安物だから、よくわからんが、だけど、あの、ナメクジバッタの件を考えると、そうかもな
「まあ、そうかもな」
そう言ったらますますピィオナの顔がぱぁー!てな感じで輝いた、いやーよく漫画で顔がまぶしいなんて出るが、あるんだな、そんなことが本当に
「だからね、鉄皮には、別名があるの」
へえ、なんて名前だ
「鉄皮虫」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いやー、世の中っていろいろ気前がいいんだね
まるで誰かに導かれているみたいだ
そんな事を考えていると、ピィオナが話しかけてきた。
「ねえ、マコト・・・・・・・」
「うん?」
ピィオナは意を決してこう言った。
「私と一緒に、鉄皮を倒そう!!」
・・・・・・・・来たか、ついに来たか、いや、言われるのが遅かったともいえる、たしか、バケギツネと人間は対立関係だよな、それなのに、俺はピィオナのことを許し、こうやって話し相手にもなっている、そして、殺虫スプレーという強力な武器を持っている、さらにピィオナは、なにやら、生き残りのバケギツネと別れてきたらしい、つまり、頼れるのはもう俺だけだということ。
それだけの要素があれば、そう言われても不思議ではない、俺に助けを求めるのに…
だけど
ごめんピィオナ
「むりだ、ピィオナ…俺は、ピィオナを助けらるほど…強くない…」
本当は助けてやりたい、この子を守ってあげたい、だけど…、俺は昨日まで平和な日本で、高校生活を送ってきた人間だ…そんな人間が…おそらく、戦いなれているであろう、バケギツネの軍団を何回も退ける相手に、かなうはずがない、よく考えれば…すぐにわかる。
何でたろう、何で、何時も生きる意味がないとか思っているくせに、こんな時に、何でこんなことを考えられるのだろうか・・・悲しいな、もし俺が、そんなことを考えもせずに、一緒に鉄皮を倒そうと言えたらどれだけいいか・・・
俺がそう言うと、ピィオナは、まるで、絶望にとらわれた顔をした…
「嘘…嘘…そんな・・・・・そんなわけないよね!!」
驚いたように目を見開き、そう叫ぶピィオナ
「嘘、だよね・・・・・・・」
心配そうでおかつ、驚愕に満ちた顔で、ピィオナが呟くように言う、ゴメン、ピィオナ・・・
「ピィオナ、ごめん、俺、なんていうか、生きたいんだ、鉄皮なんて討伐しに行って、死にたくないんだ」
そして、俺は、とどめにこう言った、いや、言ってしまった。
「それに、俺には関係ないことだろ」
自分でも、こんな言葉を言うのは苦しかった、でも…こんなふうに、死にたくなかった、生きる意味も作れずに
…いや、もしかしたら、ただたんに怖かっただけなのかもしれない
その言葉を聞いたピィオナは、諦めたかのように、そして、苦しみと悲しみにゆがめた顔で…こう言った。
「そう…なの…それもそうよね…貴方も所詮は人間、私たちのことなんか気にも留めるはずもないもんね」
俺はその言葉に、反論できなかった…
「・・・・・・ごめんピィオナごめん」
「いい!うるさい!!」
謝ろうとした俺にピィオナがそう怒鳴った…
「マコト、ありがとう、私に最後の夢を見させてくれて…おかげで、決心がついたよ…私、父さんたちを殺した鉄皮を倒しに、一人で行く!!」
ピィオナは、怒鳴りながらそう言った…
「さよなら、マコト、あ、そう言えばマコトって道に迷っているんだけ…人間の街はこっちよ」
そう言った、ピィオナは、何やら呪文を唱えたその呪文は、ピィオナさっき唱えていた、きつね火とは違っていた。
それは、話している言葉の違いよりも、悲しみと言う、感情の違いが感じられた。その瞬間、木々がまるで動物のように避け、あっという間にけもの道が作られた。
「その道をまっすぐ進めば、人間の街に着くわ…がんばってねマコト」
そう言い、ピィオナは…
「じゃあね、マコト、生きてね」
そう言ったピィオナは、走って、そのけもの道とは、反対側の森の中に走って、行った・・・
走り去るピィオナの目から、一筋の、涙が、落ちた…
ああ、俺は鬼畜なやつだ・・・・女の子泣かせるなんて・・・
最悪だ・・・・・・・・・・