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君と星

あの夜、君と星を見たことから、僕の世界は少し変わった気がする。

僕たちはまだ高校生で、将来のことなんて何も分からない。

でも君は、ふとした瞬間に僕の胸に触れるように現れて、まるで夜空の星みたいに静かに輝いている。

この物語は、そんな一夜の、ちっちゃくてでも大きな想いの記録だ。



夜の帳が降りる頃、僕は自分の部屋の窓から外を眺めていた。

街灯の光が静かに揺れて、夜風が少し肌寒い。

スマホに届いた君のメッセージ。「今夜はちょっと肌寒いね」

何気ない言葉なのに、胸の奥がちくりと痛む。


外は雲に覆われていて、星はまだ見えない。

僕はそっと呟いた。「やっぱり寒いね」

こうして静かに夜を感じるのは、君のことを考える時間だからかもしれない。


明日の夜は晴れるらしい。今日の曇り空も、きっと消えてしまうだろう。

あの夜空の下で、君とまた歩くことを想像して、少し安心する。


もし明日、星が見えたなら、君は誰と見ているんだろう。

僕は一人、遠く夜空を眺める。何も持たない自分に、少しもどかしさを感じながらも、同じ空を見ていることに救われる。


雨が降ったらどうしよう。君が濡れていたら、傘を差し出して、二人で夜に溶けて帰ろう――そんな小さな夢を、そっと胸に温める。


深夜、雨は予想通り降り出した。

僕は部屋の明かりを消して、窓の外をじっと見つめる。

君のことを思い出すと、胸がじんわり温かくなる。

少し前に一緒に歩いた帰り道、二人で傘を重ねた感触や、笑い声がまだ耳に残っていた。


星は見えなくても、僕の気持ちはあの星と同じくらい光っている。

たとえ世界が拒んでも、僕の居場所は君の隣だ。


午前2時、雲は晴れ、夜空に無数の星が瞬き始めた。

果てしなく広がる夜空を、君と一緒に見たい――他の誰でもなく、君と。

たとえ星が見えなくても、夜空が雲に覆われても、輝いているのは君だけだ。

胸に言葉にならない感情が流れ込み、僕はそっと笑った。

君は僕にとって、夜空に瞬く星そのものだ――永遠に、僕の中で光り続ける。

星って、いつも上でキラキラしているんだなって思う。

世界が暗くても、君がそばにいてくれれば希望は消えない。

この話を書きながら、僕もまた、あの夜空の光を胸に抱いていた。

読んでくれた君も、夜空を見上げるとき、少しでも僕と同じ気持ちになってくれたら嬉しい。



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