第11話 カニの化け物…なの?
う~ん…
もう、腹が立つっ!
だめ、やっぱり眠れない…
薬も飲んだけど効かないわ
今、何時かしら…?
私は枕元に置いていたスマホを点灯させ
表示された画面を見た
ちょうど1時を回ったばかりだわ
でも、眠れそうにない…
お水でも飲もう
はっ! 何…?
ドサッって音が… 外だわ…
うちの駐車場の方みたい
窓から見てみよう…
はっ!
パパの車の傍に… 誰かいる…
何あれ…? 人…なの?
脚がたくさんある…
まるで…カニの脚…
カニの化け物…?
あっ、駐車場の電灯が点いた…
あの化け物が逃げていくわ
たくさんの脚を動かして
横向きに走って行く…
すごく速い!
何て速さだろう…
本当にあれはカニの化け物…なの?
でも…
そんな化け物がいるなんて
信じられない…
私… 本当はまだ、寝てるんじゃ…?
そうよ、夢なんだわ…
絶対に夢よね、こんな事ある訳が…
あっ…!
勝手口からパパが出て来た
手に木刀を持ってる…
ダメよ、パパ…
危ないから、やめて!
もう逃げたわ…
ん?
パパ、どうしたのかしら…?
パパの様子が何か変…?
車の前に立ち尽くして…
車のボンネットに何か置いてある
石…?
さっきのドサっていう大きな音…
あれを乱暴に置いた音だったのね
あの化け物が置いたの…?
何なのかしら?
あれっ…?
パパが地面に膝を付いた…
どうしたの…? パパ?
パパが両手で頭を抱えて
身体を激しく震わせてる
くぐもった嗚咽がここまで聞こえてくる…
パパ、泣いてるの…?
ボンネットの上の物を見て
泣いてるんだわ…
あの強いパパが泣くなんて…
ダメよ、そんなのイヤ…
どうしたって言うの…?
いつだってパパは強いはずよ
私が行ってあげなきゃ!
パパの所へ…
私がパパを慰めてあげないと!
パパ、しっかり!




