ミッション
どうも~僕たち脳民です!よろしくお願い致します!
農民だから畑耕さなきゃ!
その農民じゃないんだよ!現代に農民なんていないぞ!
じゃあ、現代には何がいるんだ!ゾンビか?
ゾンビってなんだよ!もっといないじゃないか!
ゾンビーム!!
うわっやられた!って!なんだよいきなり!
じゃあ、ソンビーム!!
じゃあって何だよ!うわっ!損した!ってなんのビームだよ!
損するビームだ!
そんなのやだよ!
・・・って、僕はすぐ頭の中でネタを考えてしまう・・職業病だ。
トビオは自分だけが知っている情報を話すのが、よほどうれしいのかニコニコしている。キモい。
サラリーマンさんも、帰るタイミングを逃してしまったようだ。
「ゾンビ伝説ってなんだよ、どうせインチキだろ。」
僕は、そういった類のお化け話は苦手だった。
「その真相を今から探りに行くのだ!とにかくランチが食べれるらしい。」
「え?ゾンビ屋敷のランチなんて食べたくないよ!」
「ノンノンノン!それが、素晴らしく、美味らしい・・ふだん食べられない高級食材がふんだんに使われ、そして食べ放題!プラス・・・なんと無料!」
トビオは、飲食店の営業マンのごとく、ノリノリだ。
「ええ~!なんだそりゃあ。無料って・・・意味わからない。」
「全く!ことわざで言うと”金持ちが考えることは、よくわからない”」
「いや、ことわざじゃないし!つーか、仕事っていうのは、そのランチを食べて、屋敷の中を撮影してくるって事?誰に言われたの?」
「ジャーマネット白田」
「あいつう~、、え?じゃあ撮影許可下りているって事?」
「さあ?」
さあ?全くトビオはふざけている。子供のお使いか?
「さあって何だよ?第一、予約とか必要じゃないのか?とってあるのか?」
僕がそう言うと、
「それは大丈夫!なぜなら屋敷は毎日、訪問客をランチに招いて食事をするのが習慣なのだ。突然来た客もウェルカムしてくれるのさ。」
とトビオが得意げに言った。
「ええー?どんなシステムだよ」
知らない人を招いてランチして何が楽しいんだ?ゾンビとどうゆう関係が・・?謎は深まるばかりだ。
「さっき、君の友人が屋敷へ入っていったようだが、、」
トビオがサラリーマンに聞いた。
「いや、その、あの人は友人って訳ではなくて、、」
サラリーマンは、しどろもどろになった。
「そーなの?仲良く歩いていたけど?」
トビオは不思議そうにサラリーマンを見ている。
___その時だった。
門の横手のドアがギギギと開き、男が出てきた。
先程、屋敷に入った、もう一人のサラリーマンだった。
「お、噂をすれば、だ。」
そう言ってから、さすがのトビオも男を見て、その変貌ぶりに口をつぐんだ。
男は__色を失っていた。目は光を失い、顔色も悪く、全身から少しのエネルギーも感じられなかった。姿形が変わった訳ではない。生気が感じられないのだ、、
そう、まるでゾンビ___
男は、こちらには目もくれず、ゆらゆらと歩き出す。突いたら一瞬で崩れてしまいそうな足取りだった。
「あの、大丈夫ですか?中で何があったんですか?」
一応声をかけてみたものの、男は振り向きもせず、坂を下りていく。
サラリーマンも男を見て驚き、立ち尽くしていた。
本当に・・・ゾンビになっちゃったのか・・?
僕は背中がゾワリとした。
「ほっとけ、無駄だ。」
トビオは、既に男に興味を失ったようで、岩に向かって謎の念力をかけていた。トビオはいつも感性を磨くことに重きを置いており、たまに念力で岩を砕こうとしたり、壁の中を透視しようとしたりと謎の行動が多い。アホだ。
「あいつ、、まるでゾンビじゃないか!!」
謎の行動をやめないトビオにイライラする。
僕は坂道を戻ったことを後悔していた。
「そんなことしている場合じゃないだろ?大丈夫なのか?僕たち中に入っても・・」
僕はゾンビになんてなりたくなかった。
「さあね?」
「さあねって何だ!僕は、あんな風になりたくないよ。」
「俺だって、なるつもりはないさ!」
「じゃあ、何か作戦とか対処方法とか、あるのか?」
「ある!・・・って言いたいとこだけど、実は俺もそれ以上の情報はわからないんだよ。何しろ、中に入ったものは皆一様に口を閉ざして、中で何があったのか語ろうとしないらしい。謎だらけ?ミステリーってやつさ!だから俺たちが解明する!」
「何言ってるんだよ!いくら仕事でも僕は嫌だね。こんな、、訳の分からない・・。もう、ゾンビ伝説は本当でした!THE END!でよくない?!」
「君は、さっきの奴と知り合いじゃないのか?」
トビオは僕の意見を全く無視して、サラリーマンに話しかけた。ひどすぎる。
「ん、まあ・・・」
と答えてから、サラリーマンは何か迷っているらしく、トビオと僕を交互に見た。
そして下を向いてウロウロしながら、
「まあ、いいか、うんうん、知らない人だから話せることもあるな。」
とつぶやき、ふう~っと息を吐いた後、話し始めた。