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勝利


 「はぁぁああああああ、づかぁれたあぁあぁ」

 ソコツは、勝利したことにより緊張がほどけ、一気に疲労感と倦怠感が込み上げてきた。


 「いやあ、でもほんとバケモンだよ他の貴族もみんなこんなバケモンなんかな?」

 正直言って最後の詠唱時のあがきが一番怖かった。

 〈一刀両断〉か、めっちゃ怖かった。

 何だよあの威力、どんなチート使ったら沼地が消し飛ぶんだよ。

 

 再度周りを見ると本当に殺す気だったことは一目瞭然、自分が湿地に代えたところの泥が蒸発して土に戻り尚且つ濡れた木々は炭になり内側が仄かに赤く燃えている。

 しかも<水籠>で囲んだ水の三分の一は蒸発してるって魔力量どんだけバグってるんだよ。


 大量の水が水蒸気になり透明な水晶のように光る水籠は、大量の気泡を少女中心に発生していた。


 「やっぱ怖い、まって今思い出したんだけど、彼女って婚約破棄のために来たんだよね...」

 

 つまり、自分は彼女が破棄するっていうのを断ったという体になるのか...

 それって、今度自分から破棄をお願いする時、立場が圧倒的に低くなるのでは、そしてかの一家に目の敵にされるのでは。

 しかも、そんな噂が広まったら余計に面倒だ、恋人ができるかどうかは置いといて、信用にかかわる。父の領地を治める上で市民の信用を損なうのは非常にめんどいい

 それはきついなーーー


 「しかし、こんな暴力的な人間はあまり好みではないんだけど…」


 でも、尊徳の話をするなら彼女と仲良くなった方がいい。

 嫌だとしても、仕方ない。


 ソコツは、水籠を解除する。それと同時に少女は、地面に土袋を落すような音をしながら落ちた。

 

 そして、水を吐きながら意識を取り戻す。

 ソコツは、日が沈む太陽を背にし、意識を取り戻した少女ににっこりと笑って


 「お嬢さん、少々やりすぎた様です申し訳ありません。」

 と言い、少女に手を差し伸べたのであった。


==================================


 「旦那様、あの二人随分と派手にやっていますね。」


 「ああ、もう正直言って付き合いきれんよ息子もアイツの娘も、こっちは一発も当たれば死ぬんだぜ」


 「それはまたご冗談を」


 「でも、正直言って家を何度も直すのは勘弁」

 

 「そうですね」


 

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