頭が痛い (2)
頭が痛い
御機嫌よう。皆さんは知っているでしょうが、婚約者が来る。
当然、相手はよくは思ってはいないだろう。自分のような男爵と公家の右大臣の娘。
そして、その直系の娘となれば私よりもよい嫁ぎ先がいただろう。普通であれば皇室に嫁がしたはず。それぐらいの力があるはず。
それがどういう意味か分かるか?
実の娘、であるのにこんな不釣り合いの婚約。つまりは、問題はその娘の性格だろう。要するに礼儀がなってなくある程度格のある家に嫁がせれば逆に家の恥となるかもしれぬほどの問題児!
だが、そんな問題児でも武家の成り上がり貴族であれば礼儀をそこまで知らず。縁もないと思ったのだろう。しかし、請け負ってしまった以上それが爆弾であろうが、受け取らなければならない。もし、問題児であったにしてもまだ子供なのだから改正の余地はある.......
お願いだ問題児は嫌だ。
いや待てよこの世界には魔力や霊力などの概念がある。皇室は特にその力を重視する。
要するに、問題児ではなく魔力、霊力または気のない者か?
だが、父とあの男は友人のはず?そんな外れを渡すか?いや、だからこそか?????
ああああああああああああああああ!!!!
もうやめだ、どうせ今から合うんだしその時に見ればいい。
彼女が来る理由は分かっている。品定めだろう。
本人でどうせ断れはしないが、どんな奴か見たいんだろう。
結婚か、前世でもしたことなかったな。まあ仕事一筋だったし。
だが、人とコミュニケーションか、交渉ならできるがコミュはな~
正直言って苦手
大苦手
そう考えながらソコツは障子を開き外の景色を見るともう馬車が見えた。
「えっ.......」
そう一声あげるうちに馬車はすぐ止まりドアが開いた。
そこから出てきた女性は、小学生ぐらいで西洋のドレスを着ていた。そのドレスは遠くから見ても一目でわかるほど豪華であった。
金糸の複雑なデコレーションにシルクのドレスが遠くからも輝く。
羨ま…
おっとイケナイこんなことで動揺しては、相手はいいとこのご貴族様の令嬢だ。礼儀をもって挨拶しなければこちらが舐められる。何もしてない、ただ親が偉い人間に見下されるのは前世で十分だ。
ソコツは、急いでドアに見かった。
足をそろえて整えられた髪と服装で向けえる準備をすぐさま大急ぎで終わらせ、ドアに手をかざ
「出てこい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドアが吹き飛び粉々になってソコツにぶつかった。
「ソコツというものはどこだ!いくら父の決まりと言えど私より弱かったら破棄してもらう。」
あ~、蛙の子も性別が違えど蛙なのか、いやこれは、どちらかというと鷹だな、
ソコツは内心、相手が礼儀をそこまで気にしないということに歓喜したが同時にこれからの事、未来の事を考えて憂鬱な気分になった。
どう見たって戦闘狂?
いや、まだ怒りに飲み込まれていつもはそうじゃないかも、
「お嬢様、毎度毎度怒ったら何これ構わず破壊するのをやめてください。そして、婚約は御屋形様のご遺志です。いくらお嬢様がいようと変わるとは思いません。」
「それにしてもぼろ臭い家よね。今時まだ寝殿造りの家に住んでるなんて、時代遅れなのね。なんで父上は私をここに!!!!!!」
少女の周りの空気が揺れた。魔力持ち、いや全部持ちだ。
「こんな家消えてしまえば、嫁がなくてもいいんじゃないんじゃな~い!!!」
「やめてください、ここを壊したら私の家が消えてしまいます。それは困ります。」
ソコツは冷静な声で体内含む魔力、霊力を垂れ流しにし、怒る少女に会話を持ちかけようとする。
「ッな七舐めるな!!!1fjfk;」
だが、彼は明らかな誤算があった。
それは相手が子供だったことだ。子供とは生きる不条理、理不尽、非理性的、それに大いなる力が加われば止まることはない。そして、ソコツの垂れ流しの魔力と霊力は敵意として受け取られた。
「手袋!!」
「はい」
近くにいたメイドが手袋を持ってきた。
何をする気だ?手袋使って火でも出す気か?錬金術師でもないだろうに
バン!!
少女は、手袋を地面に投げた。だが余りの威力に地面が耐えきれず手袋が食い込んでいる。
「決闘よ、私が勝ったら、婚約は解消してもらうためにこの家は御取り潰しになってもらう。」
「婚約破棄はぜひやってください。こちらとして大喜びです。でも、家の取り壊しは勘弁してください。」
「では、決闘はうちの山でやりましょう。」
隠れていた虎次郎が提言した。