Ginシリーズ
とりあえずアイデアのみです。
ちまちま書いていく予定です。
「はぁぁぁぁぁ!」
「ふふ、最後の一撃、とくと味わってくれる!
この一撃を制した者が世界を制するのだ!!」
魔王は魔力をこれまでにないくらいに高めている。
僕の渾身、そして最後の一撃に対抗するつもりだ。もとより僕にも魔王にもこれ以上力は残っていない。
「行くぞ!最後の一撃だ!聖龍豪神滅魔掌覇!!!」
「聖なる力なぞ、なにするものぞぉぉぉ!無情裂壊光黒覇!!!!」
勇者と魔王の最大の一撃が放たれた。周囲は互いの技のエネルギーに干渉され荒れ狂っている。
すさまじい轟音とともに放たれた技は互いに向かっていく。
まさしく世界を左右する一撃だった。
しかし、互いの技が衝突するその刹那、まるでそれまでのエネルギーの衝突が嘘のように静寂が訪れた。
「なっ!」
「ば、ばかな・・・何がおきた!あやつも我も最大級の力を込めて技を放ったはず!!」
「困るんだよなぁ。ここで君らの決着がつくのはさ」
足音がする。
回廊の端から静かに歩いてくる男がいた。彼は二人の間まで歩いてくると、二人を交互に眺めて質問してきた。
「こっちの男前が勇者で、力こそすべてーーって感じの武骨なおじさんが魔王?であってるかな?」
「そ、そうだ・・みんなは僕を勇者と呼んでくれている」
「確かに私が魔王だ。貴様、何者だ?」
空間の静けさに引きずられてか、僕も魔王もまるで平時のように回答した。
「そ、さっきも言ったけどさ。困るんだよ。君らがここで決着をつけちゃうのがさ。
そーすると一方に歴史の流れが偏っちゃうわけよ。そーするととーっても面白くないことが起きちゃう
からさ、申し訳ないけど、ここで手打ちにしてくれない?」
「き、貴様は何を言っているのだ。我の質問に答えろ!何者だ!」
魔王は、いや僕もだけれど、確かに僕らは怯えていた。
彼の得体の知れなさもそうだが、先ほどの僕らの最上級の技の衝突。それを消したのが彼だとしか思えなかったからだ。
あのエネルギーの衝突を消せる人間などあり得ない!
いや、そもそも彼は人なのか?疑問が次々に沸いてくる。それを察したように
「いやぁ、聞きたいことはたくさんあるだろうけど、とりあえず、君らの敵はお互いじゃないのさ。」
「え?どういうこと?」
「な、なにを言っている?」
彼はいたずらに嗤い、指を天に掲げこう言い放った。
「君らの敵は天にいる!勇者と魔王が神に鉄槌を下すのだ!!」