人肌恋しい!でもね、貴方でないと駄目なんだよ!
【俺は何にも悪い事していないけど、お前一体何なの?】
の作品のその後です
仕事から帰宅すると、家に荷物が届いていたらしい。彼から手渡される!
「どーぞ!」
「え、私に……? 中身は一体なんだろ」
袋の中から出て来たのは、チークだった。
「ありがとう!マジで嬉しい!」
「どおいしまして。すぐ注文したんだよ!」
彼は、ネットの世界で、お世話になったという、年下の女の子に、クレクレリストから2回もプレゼントを送っていた事があった。
その時、彼は、彼女に対して、好きという感情は入っていないと答えていたのだが、相手に、自分の住所まで丸わかりにしながら送るのはどうかと思った!
私の感覚では、好きな相手じゃなきゃプレゼントなんて送ったりしないから、彼が良く分からなくなっていた。
彼は、ネットで顔を晒すのは良くない事だって散々言っていたのだ! 私は、彼の言う通りに、顔出し写真をネットに投稿していたけれど、すぐに消したし、それ以来一度もそんな事はしていなかった。
それなのに、彼は簡単に自分の住所を彼女に教えていた。ショックで私はおかしくなった。彼は、そんな事でって思ってるけど、私にしたら、そんな事で済まされる程、簡単な内容ではないのだ。
プレゼントを貰って彼女が喜んでいると思ったら、何だか悲しい気持ちにすらなって、毎日情緒不安定のまま仕事へと向かっていた。
二度目の時、私は沢山泣いて、沢山責めた!これでもかってくらい責めた。大好きな人だったから、自分の感情が収まらなかった。
「もう絶対しないから!」
「……うん……」
彼はそう約束してくれた。私は嬉しかったけど、本当なのかな?って……実際は疑っていた。二度あることは三度あるって言うよね! 信じなきゃ駄目なんだって、思えば思う程、辛かった。
……それから数日後……
彼は自分のネットでの紹介文に、クレクレリストを貼り付けていた! 其れを知った私は、そっと自分もクレクレリストを貼りつけてみた。
でも、 上手く貼り付けが出来なかった。何時ものおっちょこちょいが発動して、貼り付けに失敗してしまい、ネットの紹介文から削除することになってしまった。
残念がっている事を彼に報告していると、彼が自分にそのクレクレリストを送ってほしいっと言ってきた。
次の瞬間、「私は貴方から欲しかったんですよ!」と一言添えて送っていた。
まぁいいや、とりあえず送ってみたけど、彼が私にプレゼントしてくれるわけないじゃん! そう思って何も考えずに日々を過ごしていた。
そんな、ある日の事だった。
私が仕事から帰宅すると、彼から紙袋を手渡されたのだ。
「今日荷物が届いたんだよ!」
彼はそう言って私に袋を手渡したのだ。
彼から袋を受け取る。
袋を開けて中身を確認すると、すぐに嬉しい気持ちになった。其れと同時に私は凄く驚いた。袋の中には、私がクレクレリストに入れていたチークが入っていたからである。
まさか、彼が、本当に私にプレゼントしてくれると思っていなかったのだ。
嬉し過ぎて、ニマニマしながら袋の中にある小さな箱を取り出すと、ニマニマしながら中身を取り出した。その瞬間、嬉しくて泣きそうになってしまった。
私は、中に入っていたチークを取り出すと、さっそく鏡を見ながら頬に塗ってみた。ほんのりピンク色になった。
鏡に写った、ほんのりピンク色の自分を見つめて、更に笑みが増す。
「ありがとう!」
チークを塗り、ほんのりピンク色に染まった私は、彼の目をしっかり見て、一言そう伝えた。
「これからもよろしくね!」
「うん、もう絶対しないからね。こちらこそよろしく!」
私は凄く幸せ者です。ありがとう。
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