大事にしてねって?
7年付き合って、いよいよ結婚しょうと
二人で式場選び、日取りも決め、招待客に招待状もだして、後は当日を
待つだけだった。幸せいっぱいな日々から
奈落の底に突き落とされたあの日
結婚式をするはずだった日に、捨てる事が出来なかった指輪を外す
そこから、、奈々未はおかしな体験をする。
目を覚ました私の薬指には、あの指輪じやない別物の指輪をつけていた。
彼が指輪をはめてくれたの?夢の中の出来事だと思ったのに。
タタタ、、足音が聞こえてきました。
おーい!!、そこの君!!!
病院の建物から外に出て歩く奈々未は、誰かを呼ぶ声に気づき
ました。
余りに大きい声なので、誰だろう?と何気に、その声の方へ
振り向いて見ると
あ!!君!!え!、、と名前、、そうそう、名月さんだよね!!
その大きな声は、私に向けての声、、
それも、その人物は亜季です。
奈々未「私?」
亜季「そう!そう君だよ」
奈々未「何か?」
亜季「北都が目を覚ましたんだ!!そこで、さっき君が
病室に訪ねてきたこと話したら呼んできてくれないか?と言うからさぁ、、、、
はぁ~、、、、ハァ、、探し回った」
そう言って一方的に話し
はい、いいえ、も聞かれることもなく、早く、こっちと亜季に手招きされ
訳が分からないまま、慌ただしく
誘導されるがまま、急ぎ足で後を着いて行くことになりました。
病室に行くまでの間
奈々未の顔は、こわばった表情です。何で!?何で?
この時代に、亜季と会ってしまうのかなぁ、、、
会いたくなかったなぁ、、、。と
楽しかった、あの日々が走馬灯のように、、、。過ぎる
いやいや、ヤメヤメ、、!!頭の中で必死に打ち消すも
会話をすることもなく、前を行く亜季の背中を見ると
気持ちは、どうしても、もやもやしたまま
朧気な感覚でいると、、、、早くも病室の前に到着していました。
亜季「北都、連れてきた」
亜季が先に病室の中に入っていき、後を追うように奈々未も入り
ベッドの上に仰向けに寝ている北都が見えました。
亜季の声に反応した北都は、私達の方へ少し顔を、向けました。
北都「ありがとう亜季、呼んできてもらって悪いんだけど
名月さんに、大事な話があるから、二人にしてくれるか」
亜季「はぁ~あ!!何だよ!!必死で探してきてやって、すぐそれかよ」
と言いつつも、怪我している北都を気にかけ
飲み物でも買ってくる、と、、、病室を出ていきました。
二人になって直ぐに、北都が奈々未に言いました。
北都「ごめん、そこにある眼鏡、取ってもらえるかな」
ベッドから少し離れたテーブル台の上に眼鏡が置いてありました。
そのメガネを取って、奈々未が北都の方へ近づくと
右手を差し出したので、その手に渡そうとした時
北都が、メガネと一緒に奈々未の手と掴み、言いました
北都「指輪、見せてくれるかな?」
奈々未「え?」
この間、見てるのに?またぁ?見るの?と不思議に思います。
受け取ったメガネをはめた北都は
奈々未が不思議そうな顔をしていても、お構いなく
もう一度、指輪をしている指を掴み、見せてと
メガネの奥の瞳が訴えていました。
もう!この間二人で見たじゃんと思うも
北都の切実そうな、その表情を見ると、しょうがないなぁ~と
この間から
指から外れない指輪を隠す形で、上から白テープを張っていたので
面倒くさそうに、奈々未はテープを剝がし始めました。
現れた指輪を彼の目の前に翳すと
北都が指輪に触れ、掴んで動かしたと同時に、スル~スル~スル~と指から
指輪が、、、!!!はずれた、、の、、でした。
この光景を間地かで見る奈々未は、、、ええ!!!
驚きで、あいた口が開いたままです
そして、瞳は大きく開いた状態で、固まってしまいました。
すると、静まり返った病室が、一瞬にして
大きな笑い声に包まれました
余りにも、面食らった顔をした奈々未の表情が、おかしくて
北都が思わず大笑いした声でした、
響き渡る、その声で我に戻ると
奈々未「どうして?どうして!!今まで、全然、取れなかったのに!!!?」
そんなことを、頭の中でグルグルと考えていると
先ほどまで、笑っていた北都が意味深な言葉を投げかけました。
北都「どうして外れたか知っているよ」
奈々未「え?」
声が小さく聞き取りづらく、もう一度、訊ねてみました。
奈々未「どうして、外れたか知ってるよって言った様に、聞こえたんだけど??
私の聞き間違いだった?のかなぁ~!?」
北都に問いかけた奈々未は、どういう意味だったのか?
それとも、聞き間違いだったのか?
問いかけた後、じーっと北都を見つめました。
しかし、両手の親指、人差し指で指輪を掴み
沈黙のままの北都は、何か考え事をしているのか?真剣そのもの
怖いぐらいな顔の表情です。
そんな顔をみると話しかけては、まずいかな?と
高校生の奈々未は、躊躇しそうになりそうですが
中身は27歳です、そこは臆する事無く
甲高い声で
奈々未「北都君!!!さっき言った意味、どういうこと!!!」
自分の世界に浸っていた彼は、急に耳にキ~ンと来るぐらいの
大きい甲高い声で、ハッとした後
俺、無意識のうちに言葉に出していたのか?と心の中で呟き
その問いかけに、答える事無く
持っていた指輪を奈々未に、渡しました後
北都「ありがとう!見せてくれて、大事にしてね」
と言った後、ニッコリと笑みが零れました。
奈々未「え?」
受け取った指輪を握りしめ、大事にしてねって??
言ってる意味深な言葉が、分からない、?
その意味は?どういう事?と奈々未が聞こうとした時
コンコンもういいかなぁ??とドアの向こう側から声がしました。
北都「ああ!!、いいよ。」
病室に二人を残し、飲み物を買いに行った亜季が戻ってきました。
中に、入ってきた亜季は二人の様子を、眺めた後
ハイ。片手でジュースの缶を、奈々未に渡し
北都には、無難な水でいいよな、と言ってペットボトルを
先ほどまで、メガネが置いてあったテーブルに置きました。
手渡しで、渡されたジュースの缶を両手で持った奈々未は
亜季にジュース代、いくらです?と聞くと
亜季「大丈夫!!北都に貰うから、そうだよな北都!苦労して名月さん
探した後、直ぐ病室、追い出されて飲み物も買ってきてやったんだからさ」
北都「あ、、、いいよー、ありがとう!悪かった。」
亜季「ところで、大事な話は終わったんですかねぇ?」
戻ってきたは、いいが大事な話の途中だったんじゃないかと、気遣う亜季
それに対し
北都「ああ~、、。少し疲れた、、、?眠い、、。」
そう言いながら、身体を仰向けにして、目を閉じました。
二人の会話を遠巻きに、聞いていた奈々未は、さっき言っていた
意味深な言葉を、どうしても聞きたかったのですが
疲れて、目を閉じてしまった彼を見ると
また今度にした方がいいか?と思った後
奈々未「私帰ります。これ(ジュース)有難う!!じゃあ、またね」
ドアを閉め、病室の廊下に出た奈々未の右手には
先ほど、指から外した指輪を握りしめたままです
奈々未「北都、うん!!大丈夫そうだったから、後日改めて、聞いてみればいいか」
一人、納得し廊下を歩きながら呟きます。
意識が、北都と交わした会話に集中していたため
左側の角から、歩いて来る人影に全く気付かない奈々未は
目の前にして、人の気配を感じたと同時に、ぶつからない様に
身体を無理な姿勢にした為、前のめりに倒れ、、る、、る!!?
奈々未「あ、あ、、、ぁ!!」
その時
また、あの声が聞こえて、、る、、、、?
光 風 霽 月(こ う ふ う せ い げ つ)
一方、亜季も又、北都が、疲れて目を閉じ、話さなくなったので
奈々未が、病室を後にした後、直ぐに部屋を出て行ったのでしたが
もう、、何処にも彼女の姿はありません
亜季「あれ?おかしいなぁ?」
友人の知り合いと、初対面から和んで話せた彼は
何かの縁で知り合ったから、もう少し話がしたいと
直ぐに、後を追い、何気に一緒に帰ろうと思ったのでした
しかし、何処を見渡しても、見つける事は出来ませんでした。
亜季「まぁ!いいか、、。北都の友人だったら、また話せるか。」
残念そうに独り言を言いました。
それでは、奈々未は、何処に、、、?
北都は何も思って、大事にしてねと言ったのでしょうか?
そして、奈々未は、何処に行ったのでしょう。
久し振りに、投稿してみました。毎回読んで頂きありがとうございます。




