欠落した蘇る記憶
7年付き合って、いよいよ結婚しょうと
二人で式場選び、日取りも決め、招待客に招待状もだして、後は当日を
待つだけだった。幸せいっぱいな日々から
奈落の底に突き落とされたあの日
結婚式をするはずだった日に、捨てる事が出来なかった指輪を外す
そこから、、奈々未はおかしな体験をする。
目を覚ました私の薬指には、あの指輪じやない別物の指輪をつけていた。
彼が指輪をはめてくれたの?夢の中の出来事だと思ったのに。
将来について悩み、苦悩していた自分の話を聞いてくれた奈々未を
じっと見ている北都は、手に持っているビニールケースが気に成る様子。
「名月さん?何を握りしめてるの?」
奈々未の手から奪い取る?は大げさですが、手に持っているケースを
北都も持ち、中身を覗き込みました。
「どうしたの?このリング?指輪だよね、、、」
中身を確認して、不思議そうな顔で奈々未に聞く北都。
時空を超える前に北都本人から、手渡されたんだよと心の中で思うが
そんな事、言えない奈々未は少し言葉に詰まってしまう
「私の大事、、、大事な、、、、指輪なの、、」
力の籠った言葉で話します。
「ふ~ん」
怪訝そうな顔の北都は、手に持ったビニールケースのチャックを開け
中身の指輪を取り出し、右手の親指と人差し指で持ち、じっくり見ると
北都が意外な言葉を発しました
「これって!!俺と名月さんのイニシヤルにも成るね」
北都は、自分で言っておきながら少し照れ顔で、奈々未にリングの内側を見せ
左手人差し指で、此処だよと、指さしました。
「え!!!どこぉお」
奈々未自身、刻印がある事に気づいてなく、突然発見された頭文字?
驚きで、声が上擦ってしまいました。
促されて魅入る奈々未、、、、え、、瞳に映る文字は
永遠の愛を貴方に エイチあんどエヌ(H&N)と刻まれていました。
確かに、文字がある、、
北都のエイチと私のエヌ、、北都の言う通り、そうとも、とれるが、、?
その様子をじっと見つめる北都、、、、眼鏡の奥の瞳が一瞬輝いた様な?
気のせいだったのか??
前は確か?無かったはず、、、、??頭の中で回想する
指輪の内側に刻印が、いつ現れたのか??考え中だっただ奈々未は
ぼ~とした状態だ、、った。その時、左手を掴まれました。
ニヤリと北都の顔が、綻んだと同時に
何も持っていない奈々未の、左手を取り
今回は高校生の北都によって、又しても薬指にスルスルと
指輪が嵌められました。
「あああ!!!」
やはり気のせいでは、ありませんでした。
思わず大きな声を出した奈々未は、前に同じ経験した事を思い出し
「また、同じ事を、、やってくれたね」
身体は高校生でも中身は27歳の奈々未
高校生北都に、姉が弟を叱る様な言葉を、浴びせました。
「また、、え、、」
北都にとっては、初めて、いたずらしたつもりが、また、、と言われて
おかしい事言うなぁ、と、微妙な顔をしました
ああ、、しまった!!、と思う奈々未
この数年後、北都に同じ事をされた経験と重なってしまい
ついつい、口走ってしまったのでした。そこで
「アハハ!!やだなぁ~学校で指輪を嵌めた所、見つかったら校則違反になるじゃん」
奈々未は、笑い、、別の理由を付け加えて、ごまかしました。
そして、あれ?もしかして、、冷静に考えてみると
指輪を嵌めたという事は?、、、、このまま、この時代に
留まると言う事、、、、?え、、え、、考えるだけで、
気持ち悪くなる奈々未は、無意識に
右手で指輪を動かそうとしますが、うう、、っと、ビクともしない
奈々未の顔が、少しづつ緊張した顔に変わって行った。
すると、側で見ていた北都が、外れないの?、、嵌めた本人も
軽い気持ちで、いたずらしたつもりだっただけに
指輪が外れなく、困っている奈々未を見て、、焦り出しました。
左手薬指を持ち、一緒になって動かそうとしますが、本当にビクともしません。
逆に奈々未の指に、ギュウと締め付けていく感じの指輪
「痛い、、たた、、いた、、い」
その言葉に、驚き、手を止めた北都
「ああ、、ごめん、、痛かった」
奈々未の顔を覗き込み、自分のいたずらで、この様な状況になってしまい
申し訳なさそうな顔で
「ごめん、こんなことになって」
だいぶ気持ちが、へこんだ様子の、北都を見た奈々未は
「もういい良いよ、いいよ。仕方ない、先生に見つからない様に絆創膏で
隠すしかない」
そう言って、胸ポケットから、伴倉庫を取り出し貼ろうとするが、うまく重ねて
貼れずにいる時、黙ったまま北都が、その手を動かして、
そのまま、指輪を隠すよう上手に貼ってくれたのでした。
(この頃の奈々未は、制服の胸ポケットに絆創膏を入れる癖が、ありました。
ポケットにある前提で、無意識に、行った行動でした)
あれから、数日経ち
まだ高校生のままの奈々未は
放課後、教室で一人、どうしたものか?途方に暮れていました。
「このまま、家に帰えって良かった?でも今日って、、、確か、、時空を超えてきた意味
何か目的があるから?、、だから、この時代に、、居るの、、」
独り言を、ブツブツと言っています
う~ん、、分から、、、、ない?
机に両肘をつき、顔を両手で覆うと、考え込んでしまいました。
その時、廊下の方から、誰かの足音が聞こえてきました。
パタパタパタ、パタ、、、、
静まり返った、この空間のなかで、足音だけが響いています。誰?
その足音が、去り行く方向に、奈々未は、釘付けになりました
あの人影は?そうだよ、、そう思う、、、?一人納得した奈々未は
ヨシ!!私も!!と言ったと同時に
ガタンと、椅子から立ち上がり、立ち去った人影を追う為
急ぎ足で教室から出ます
どこ行った?、パタパタ、、ああ~足音、聴こえる
あっちだぁ、、追い駆け、ああ!!!居た!!後ろ姿を、捕らえました。
やっぱり、あの、ひょろっとした男子は、北都だ!!どこ行くんだろう?
あれ?ふと奈々未は、考え込みました
この光景、夢で見た事が、、?あるのかな?
実際に、、こんなことをしたことが、あるような?
高校の時、誰かを追い駆けて、階段を駆け上がり屋上にいった?
今、起こっているこの行動は、私の記憶は、何?蘇ってきている
そう、、思う私の心臓が、バクバク音をたて、次第に自分の身体が
またも、気持ちの悪さ、気分の悪さを感じていることが、分かる
磁石の様に引きつけられ、彼の後を追えと、仕向けられたかのように
北都の方へ身体が動いて行くのでした。
屋上の入口の扉は開いた状態
そこから、外に出た奈々未は、直ぐに北都を見つけると
考える事無く、突進、、バタバタ
「北都」
屋上柵の外に居る北都を、後ろから引っ張った奈々未は
勢い余って、後ろに倒れた拍子に、北都の重みが加わり
可なり、激しく頭を打ち、そのまま、気を失ってしまいました。
数時間後
目覚めた時には、病院のベッドの上でした。
あ!!奈々未、覗き込んだ、その顔は、母でした。
直ぐに、ナースコールを呼ぶ母は
コンクリートの壁に激突したショックで今まで意識が
戻らなかったこともあり念の為、打った頭の検査した後
今日は、このまま入院したと、淡々と話す母の声は、心配しているとも
とれるし、こんなことになってと言わんばかりの
機嫌を、損なっているようでもありました。
それでも、意識が戻り安心したのか
もう大丈夫そうだねと、母は言うのでした
その話を聞きながら、私は段々と、目が閉じて行きました。
「奈々未さん、名月奈々未さん」
誰か呼ぶ声で、目を開けると、先生らしき人が覗き込み
どうですか?気分は?
そう問われて、起き上がろうとすると、そのままで良いと言われたので
寝たまま、先生の話に耳を傾けます。
何故、こうなったか?聞かれた奈々未は
コンクリートに頭をぶつけたと、話しました。
奈々未を運んだ、男子も同じ事を言っていましたよと更に話は続き
「お互い一緒の事を、言っているから本当なんだね」
怪我の原因を、探っていたのか先生は
「彼の方が、ひどい怪我だったけどね。」
怪我の状態をが、思ったより深い傷である事を、告げました。
北都が?奈々未は心の中で問う
頭を怪我をして、別の病室で、眠っている彼も又
入院する事になったと聞くことになりました、
その後一人ベッドに眠る奈々未は
完全に記憶が蘇ったんだと思うのでした。
北都との屋上での出来事は、完全に記憶の中から消し去られていました。
時空を超え、この時代に戻されたのは、この状況を思い出すことだった?
私は、北都が悩み苦しんでいた心の葛藤を知り
その事で、私が勘違いだった??かもしれない。飛び降りると思って、
外を見つめているだけの北都に、飛びつき
引き寄せた時、北都の重みで私の足がガクンとなり、支えられず、思いきり後方に
大激突して、気を失ったんじゃなく、そのまま記憶を失ってた?
この部分だけが、今まで欠辣してい、、た、!!!!!
当時の私は、
入院したことは記憶にあるが、それ以外の事は、全く覚えていませんでした。
ただ、ホッする事は
未来の元気な北都知っているから、大事には至らなかったんだろうとも
思いました。そして、疲れが出て来たのか
段々と瞼が重くなってくる中で、考える奈々未は
こんな、関わり方していたんだ、、、。
とんでもない事をした、恥ずかしい消し去りたい記憶だったんだ??
でも、北都との関わりって、、、?
高校生活では、、これ以外は、思い出せない?どうして?、、?
更に瞼が重くなり、深い眠りになりました。
次に日
検査結果は、大事に至らなかった様で、午後には退院してよい事になり
母が病院に到着するまでの間、私は北都が居る病室に、容態はどうか
見に行く事にしました。
病室の前に立ち個室のドアを、ノックしました
すると、中から、ドアが開きました。
私の目の前に、現した顔は、良く知っている人物でした
思わず、、驚きで、どうして!!!と言いそうになるも、
グッと堪えた後
「おはようございます。北都君はどうですか?」
と尋ねました。怪訝そうな顔のその男子
「誰?だれです?」
奈々未に、問いかけた目の前に立つている
その人物は、加々谷亜季でした。
知らない人が突然現れ、動揺している亜季に、一連の流れを話し出しました。
昨日一緒に病院に運ばれた、名前は名月奈々未で、気を失った自分を
病院に連絡してくれたお礼と、容態はどうなのか?
気になって病室に見舞ったと、話すのでした。
その話に納得したようで、室内に通されベットで、眠る
眼鏡なしの少し顔がむくんでいる北都が、いました。
頭には白い物が、見えています。
良かった。顔が見れて
安心感から顔がほころび奈々未は、心の中で、そう思うのでした。
病室を、後にした奈々未の顔は真顔でした。
少しづつ、私の辿ってきた時期が、ずれて来てない?
だって、亜季とは専門学校で、知り合ったんだから、、、。
高校生の時、会ってしまった、、どうして、、、?
読んで頂きありがとうございました