思い出せなかった過去が、蘇るも
年付き合って、いよいよ結婚しょうと
二人で式場選び、日取りも決め、招待客に招待状もだして、後は当日を
待つだけだった。幸せいっぱいな日々から
奈落の底に突き落とされたあの日
結婚式をするはずだった日に、捨てる事が出来なかった指輪を外す
そこから、、奈々未はおかしな体験をする。
目を覚ました私の薬指には、あの指輪じやない別物の指輪をつけていた。
彼が指輪をはめてくれたの?夢の中の出来事だと思ったのに。
幾度となく、過去を行き来するようになった奈々未は、思い出したくない
自分の、この気持ちの行き先、居たたまれさ、醜いドロドロとした、気持ち悪い
心の中の真っ黒い球が、大きくなってしまいそうになる。
その真っ黒い物体に支配されない様、必死で、もがき、前に進もうとした私に
電話の着信音が鳴り響きました。
もしもし、相手の声を聴いた奈々未の表情が、パッと明るくなりました。
まだ、こんなに、たくさんの言い様も無い感情を知らなかった
天真爛漫な素晴らしき時を、共に過ごした、その相手は懐かしき友人からでした。
今日は、高校の同窓会に、私(奈々未)は出席しています。
懐かしき友人、大和みき(やまとみき)から、数日前
同窓会主催する旨の連絡があり出席できる?
三日後の土曜日6時半からなんだけど??あまりの突然すぎる確認の電話!!に
ええと。。。あまりの急な事で、声を失ってしまいました。
三日後ねぇ。、、、???
出席に難色を示しましたが、以前の住所、電話番号の変更で、随分と前から
奈々未に連絡しょうと、色々手を打ち
調べた結果、漸く連絡する事が出来たんだよと、明るく元気な声を弾ませた
電話越しの、みきに押し切られる形で出席で、良いよね!耳の奥に響く大きな声
私の、ちょっと、ま、、待ってという声を消し去る弾む声が、じゃあ!!
駅前の時計台の前で6時に待ってるね、、。電話は一方的に、切られて
しまいました。
「ああ~そうだった」
みきの早とちりと、激しい思い込み、せっかちな性格を私は思い出してしまいました。
そして、私は出席することになったのでした。
ここには、高校卒業後、接点がある旧友は誰も居ず、この数年間の事を
知る人は無く、久し振りの旧友達と、懐かしい思い出に花が咲きました。
皆と話す奈々未は思いました。みきの、せっかちと思い込みが功を奏して
楽しい時間を、久し振りに過ごせて、意外と感謝かなと、一人思い返していた時
奈々未、名月奈々未さんと私の名前を呼び、横に座る人物?
自分の名前を呼ばれた奈々未は、右側に座った、その人物の顔を見て
驚きで一瞬、声が出せず、手に持っていたグラスを落としそうになると
「おっと、落ちるよ。危ない危ない」
咄嗟に、手を添えてくれて、私はグラスを、落とさずに済みました。
「ありがとう、でも何で、え!!と」
訳が分からない奈々未は、軽くパニックになっていました。
透かさず、話し出す
その人物、中谷北都が、同じクラスには、なった事は
ないけど同じ高校だったんだけど、覚えてない?よね!
北都はそう言って、苦笑いをしました。
同じ高校と言われて、幾つかの過去の中から探すも、全然思い出せずにいると
奈々未を横目に、持ってきたデイバックの中から
「はい。預かっていた忘れ物」
小さなチャクつきのビニールケースを、私の右手を取って、手のひらに渡してくれました。
透明なビニールは、中身がよく見えて奈々未は、ジッと見いった
光る小さなリングが見えます。
奈々未の頭の中は、時を戻していました
あ!!と、あのビルの前で、外して落としてしまった指輪?な、の?
あの後どうなったのか?解らないまま、今に至っているけど、どうして彼が・・・
手に渡され、不思議そうにしている奈々未に北都が、話し出しました。
実は、中谷医院で検査を受けた日
隣のビルの人に運ばれた時、菜月奈々未さんの持ち物ですと
手渡たされ、看護師が保管したんだけど、
ドタバタしていて奈々未が、医院を出た後、直ぐに気づき電話かけた時に
再受診の時、受け取る事にした様だけど、再受診日には現れず
奈々未に電話するも、繋がらずに、どうしたものか途方に暮れた看護師が
若先生の知り合いだったんじゃないか?と、昨日研修から帰ってきたばかりの
私(北都)に尋ねてきたんだと、今渡したビニールケースの経緯を
話してくれました。
「あの時は、運ばれた時に名月が菜月と、書かれていて自分の知っている
名月奈々未さんだとは、全然気づかなくて、顔を見た時には、びっくりより
驚きが先だったんだよ」
北都はあの日、病室での再会を思い出しながら、話すも顔は穏やかです
それに、今日の同窓会に奈々未が出席する事は、幹事に聞いていたから
直接渡せて、良かった!!問題ないよねと聞く北都の顔が、
私の顔に近すぎて、恥ずかしくて、ふっと顔を背けてしまった。
その奈々未の行動に、北都は、ハッとして我に返ったのか、
何故か奈々未の前だと素のままの北都に戻るのか、昔の様に調子づいて
しまった事に、気まずくなった北都はしょんぼりとしてしまいました。
その事に、気づいた奈々未は、顔が近すぎて、恥ずかしくなったから
顔を背けたことを説明すると、北都はパッと明るい顔に戻りました。
そこに、近づいてきた幹事のみきが、耳元で囁きました
「苦労して奈々未を、出席させたんだから、今日の会費女子の為にカンパしてよ」
その言葉に、頷く北都の顔は嬉しそうでした。
北都はみきに奈々未を必ず参加させてくれたら
会費の救援資金をするよと、裏工作をしていたのでした
三日前にも拘らず強引に、みきが奈々未を参加させたのは
こういう事が会ったからなのでした
懐かしい思い出や、仕事に関する愚痴や見栄など、色々な話で盛り上がったが
会場2時間制限も、もうじき、終わりに近づいて来た頃、飲み慣れない
お酒を飲んだ奈々未は、眠気を我慢できなくなりテーブルに
顔を押し付け、意識が遠のきました。その時
又も、あの声が、今度は、はっきり聞こえたのでした
てんがい-ひりん(天涯比隣)
時空を超えた奈々未は
懐かしいチャイムの音で、目覚めた時には、学校の屋上にいました。
学校??自分の姿を見ると、懐かしい高校の制服姿ではないですか。
わぁ!!一人びっくりすると同時に、わぉ!!と感激するも
直ぐに、我に返り、今いつなの?
奈々未は立ち上がり、周りを見渡しました。
あれ?あれは、、
誰かがいる気配を感じ、違和感のある方向へ歩いて行くと、両足が見えます。
壁の奥を覗き込み、ジッと見つめると、男子が寝ているではないですか
寝ていると思っていた、その男子が私の方を見て、話し出しました。
(彼も又、奈々未の気配を感じ、ジッと見つめられ居たたまれず、話しかけたようです)
もう、昼休み終わりのチャイムなったけど、大丈夫なのかと聞いてきたのでした。
私は、その問いかけに、はぁ!あなたもじゃないと思い
「おかしくない。あなたも、同じじゃないの次の授業に、あなたこそ間に合わないよ」
初顔合わせにも拘らず、奈々未は何故か、その言葉にムッとしてしまいました。
その男子は、奈々未の言葉に
「俺はいいんだ。早く行きなよ」
その突っ慳貪な言い方に、段々と腹立たしさを、感じるも
身体は高校生でも、年齢は27歳大人げないと、心の中で想い
気持ちを落ち着かせたのでした。
私が、一向にその場を、離れない事に、しびれを切らした男子は
「俺今から」
「え!なに?」
「いやいいや、今日は邪魔がいったから、止めた」
そう言った男子の顔を見た、奈々未は、つい最近の私と重なる
思い詰めていた表情が似ている事に気づいてしまいました。
これは、、、奈々未は思いました。ほっとけない!!
「ねえ!!君、今からどうするの」
急に聞かれた男子は、奈々未をチラッと見るも、黙ったまま
遠くの景色に目を、向けました。その場を離れない彼に
何かを感じた奈々未は
「ねえ!!あなたの名前は」
どうにか、注意をこちらに向けようと、まだ知らない名前を聞きました。
それでも、無視?聞こえない?黙って遠くを眺める彼に
スタスタスタと、足早に近づき
「ね~え!!君の名前は」
奈々未は、彼に近づいて行き、耳元で大きな声で名前を聞いたのでした。
その声が大きく、彼は
「お前なぁ!鼓膜が破れる!声でかい」
思わず大きい声を聴いた彼は、左耳を片方の手で押さえましたは、
びっくりした、その突拍子な顔がおかしくて、思わず大笑いした
ツボに入ったのか、笑いが止まらなくなった奈々未を見た彼も
つられて、ふ、ふ、と苦笑いを浮かべました。
そして、彼は奈々未の前では、不思議とためらいなく、言いました。
俺の名前は、中谷北都。
君と同じ高校3年生、クラスは一回も一緒になった事は、無いけど
この場所で、一人よく昼寝しているんだよね名月奈々未さん。
私は、思わず声を出しそうになるも、心の中で北都?
記憶の中で徐々に、蘇ってきたあの光景
日課となっていた屋上で、昼寝をしていた時
背が高く、ひょろっとした眼鏡の男子が、私の視界に、いつも
入っていた!!鮮明に思い出しました
私は北都と大きく関わっていた?
そう、、あの時、この場所で、北都が、無意識にあのフェンスを越えて
鳥の様に飛び立った?
ドキドキ、急に心臓が波打つような、はぁ!はぁ!
その後が、、ああ!!!頭が痛い
えええ!!、、え、、と
その場にいた私は、、、
気づいて、フェンスを越えて、、北都に、、
解らない、、ああ!!!頭が痛い
苦しそうな奈々未の、その様子を見ていた北都は壁から離れて
コンクリートの床に座り込み、大丈夫?と心配そうに見つめ
奈々未に受験の進路の事で、親と揉めている事を、話すのでした。
自分には、やりたい事があるにも、かかわらず、稼業を継ぐ為の
大学を受験をする様に、言われていて自暴自棄になってしまい
授業をサボっているんだと、ぽつりぽつりと自分の話しをしました。
話している途中で北都は、はぁ!!と驚いた顔になりました
どうしたんだ?ほぼ初対面で、話したこともなかった名月さんに
俺、何で?こんな話をしたんだ。分からん。心の中は
驚きを隠せないでいる北都に、奈々未が
「大丈夫だよ。中谷君は将来、進む道は、ちゃんと自分で決めて後悔しない
人生を楽しんでるよ」
10年後?を、知っているだけに、何も考えずに話した奈々未でしたが、
奈々未に、とって何気ない、その言葉でも、北都には、、勇気づけられ、心にしみる
言葉の数々でした。
そして、さっきまでの、暗かった表情は、もう何処にもありませんでした。
明るくなった北都の顔を見つめる、奈々未の手には、10年後?の北都に手渡された
あの透明のビニールケースを、しつかりと握りしめていました。
久し振りに、書けました
本日も、読んで頂きありがとうございます。