私だけではなかった2
首に、ぶら下げていたペンダントの胸元に光る指輪の刻印が
消えてしまっていた事に、気づいてから1週間後
奈々未は、たみさんが働いていたお店に向かい
たみさんを、訪ねていました。
だが、お店には、たみさんの形跡がない
店主の話では、そんな人知らない存在自体が無し
たみさんが働いていた形跡も無かったのでした。
そこで、以前行った事がある
たみさんが暮らしていた家に向かいました。
お店を出た裏手に、こじんまりとした和風の家があるはず
先ほど店主から、そんな人うちには居ないよと言われた事もあり、
喪失感からか足取りは重く力なくトボトボと歩いていたが
見えてきた先に
あの家は今も存在していました。
奈々未は内心、ホッと胸をなでおろした。
家も存在してなかったら、どうしょうと動揺を隠しきれない顔で
向かっていたから
「ああ良かった、家があって、後は、たみさんがいれば、、、」
不安な気持ちのまま奈々未は、玄関のインターホンを鳴らしました。
1度目のコールの後、待てども何の反応もなく
数分後もう一度コールしてみました。
すると、はーいとインターホン越しに声が届きました。
返事を聞いてから数秒、玄関のドアが開きました。
返答の返しもなく、直ぐに玄関ドアが開いたので
奈々未は少し驚きましたが
その事より、玄関ドアから出てきた人物に
戸惑いやら、驚きで直ぐに言葉を発することが出来ませんでした。
玄関先に現れた人物は、じっと奈々未の顔を
見つめた後こんな言葉が出てきました。
「どちら様?」
奈々未の目の前に現れた人は、たみさんよりも随分と
ご高齢なご婦人でした。
「こんにちは、突然申し訳ありません。こちらに
たみさんいらっしゃいますか」
「たみ?」
「はい、以前こちらに伺った時、たみさんに良くして頂いたんです
お会いしたいんですが?」
怪訝そうな顔のご婦人は、奈々未が思ってもいない言葉を
発しました。
「悪いけど、うちには、そんな子いないよ
家を間違えてないかい?私以外誰もいないんでね」
「え?」
「私一人なの、他をあたって頂戴」
「え?、でも、以前」
でも以前と言い掛けたと、同時に玄関のドアは閉じてしまいました。
奈々未は、呆然と玄関の前に立ち尽くしましたが
二度と玄関のドアが、開くことはありませんでした。




