私と、たみさんの体験は、、、同じ?
年付き合って、いよいよ結婚しょうと
二人で式場選び、日取りも決め、招待客に招待状もだして、後は当日を
待つだけだった。幸せいっぱいな日々から
奈落の底に突き落とされたあの日
結婚式をするはずだった日に、捨てる事が出来なかった指輪を外す
そこから、、奈々未はおかしな体験をする。
目を覚ました私の薬指には、あの指輪じやない別物の指輪をつけていた。
彼が指輪をはめてくれたの?夢の中の出来事だと思ったのに。
1970年代のこじんまりとした趣きの和風の家に
寛いだ状態で座卓を囲む、二人は
今まで他の人に話したことが無い
不思議体験を、奈々未に真剣な顔で話していました。
「実はですね、若先生にチエーンを渡したのは、私なんですよ」
「え!!え!そうだったんですか?」
たみの話を聞いた、奈々未は咄嗟に、北都の顔を見ました。
「ああ、、ごめん、奈々未に言わなかったね」
「う、、、うん、、」
奈々未は、、そのチエーンを何処で
見つけた?、、拾った?んだろうと、続けて訪ねそうになった時
たみは、、早く話したいのか自分から、、早口で
言葉が溢れるぐらいの勢いで、話し出しました。
「私は、、以前、旦那とお店を開いていたんだけどね
そのお店が、ある場所には、、不思議なことが起きると言う
祠があったんだよね。」
「え!!」
奈々未は、、あの祠を思い浮かべるも、、黙ったまま
聞き入れました。
「そう!あれは、、3年前だったかなぁ?それまでは、疎らだったお客さんが
結構、噂になっていたのか、、祠に行ったついでに、、私らのお店に
寄って下さる客が多くてね。お店繁盛したんだよ」
「そうですか、、、、。」
「だけどね、、私ら、、年寄りには、、それが良くなかったんだわ」
「え!!、、どうしてですか?」
繁盛したら、、お店にとっていい事じゃないのかなぁ?と
奈々未は、疑問に思いました。
二人の様子を、黙ったまま聞いている北都は、、チラッと
時計を見ました。
時間は午後10時を回っていましたが、、たみさんの口は
閉じません、、
「普段から、、のんびりと二人で、お店回していた私達には、、毎日
押し寄せるお客さんの対応が、、苦痛になっていったんですよね、、途中から」
「そう、、だったんですか」
「で、、あの日、、無理をしたのが、、いけなかったんだろうね、、。
旦那、朝起きてきたら、、倒れちゃってね、、、あ、、」
そこまで、、言った、、たみさんは今までの勢いは無くなり、、
何故か急に、自分の顔を両手で覆い、黙ったまま数十秒
あの怖い思いをした場面が、、フラッシュバックとなり、
話せなくなっている、たみさんに代わり、、
その状況を知っている?北都が話し始めました。
「たみさん、、俺が奈々未に話すから、、落ち着いたら、、
バトンタッチしてね」
「ああ、、若先生、、すいません」
「ほら、、高校生最後に皆で行った峠近くのお店
奈々未覚えている?俺さぁ、、その後も、、
一人車走らせて、そのお店行っていたんだ。
何度か行っているうちに、常連客みたいになって
たみさん夫婦と、親しくさせてもらうようになってさぁ
気分が落ち込む時に、、など、、たみさんのお店行くと
気分転換出来て、、よく行っていたんだ
そう!あの日は、、たまたま、、だったんだ!!
本当に、、、、偶然が、重なったんだよ!!
その日も、、久し振りの休みでね、、いつもの様に
朝早く、、お店行ったんだけど、鍵が閉まっていて
おかしいなぁと思い、、、訪れた時、入口閉まっていたら
裏口から入れてもらってたから、、そのままいつもの様に
入ったら、、、、ね、、、フクさん倒れていて、、たみさんが、、、」
北都、、ひと呼吸して、、話しを続けました。
「放心状態だった、、たみさん、の傍らで、フクさんが、、
苦しい顔色で、横たわっている姿、今も思い出してしまう」
「、、、、、。」
その状況を呑み込んだ奈々未は、、ただ、、静かに聞くだけでした。
すると、気持ちを、だいぶ落ち着かせた、たみさんが、北都に
話しかけました。
「若先生、ありがとうございます。私から、、話しますわ」
「ああ、大丈夫ですか?私で構わなければ、話しますよ」
「いえいえ、、もう大丈夫です。ここからが、、大事だから、私から、
奈々未さんに、話さないと。。」
元に戻った表情は、きりっとした顔で、しっかりと奈々未を見て話すたみは
何処か、頼もしく見えてきました。
「主人が倒れた時、、若先生の応急処置が良かったお陰で
大事には、至らなかったけど、、その後、入退院繰り返しているけど
あの時、、若先生が居なかったら、、どうなっていたか?
私達に、取っては、、命の恩人なんです」
「何言っているんですか?当然の事したまで、、医者になろうと
する者は、当たり前の事しただけ、、そんな事思わなくて良いよ!たみさん」
「、、私も、その場にいたら、、たみさんと同様、気が動転して
何も出来ないかも、、北都、やっぱり凄いよ!」
たみと奈々未に、気持ち良い言葉を、語りかけられ
恥ずかしそうに、少し顔が綻ぶ北都は、二人から眼を逸らしました。
構わず、たみは確信を話します。
「私、店の奥にある祠が願い叶うと噂になっていた事知っていたけど
噂だけ、信じてはいなかったんですよね。それに
お店の評判になるんだったら良いかと、、気楽に考えていたんだけど
、、夫があんな事になって、縋る気持ちで祠にお願いにしに
行きましたよ。。あはは!!」
急に笑い出してしまう、たみさんは、、言います。
「祠を綺麗にしてから、お願いフクが早く良くなりますように、と
言った後、、風が吹き、、何か声が聞こえた様なんだけど、
そこから記憶が、、プチンと、無くなりてから、、どれぐらい
意識が無くなっていたのか、その後、、目覚めた時には
祠に、、指輪とチエーンが、有ったんですよ」
「ええ!!」
冷静に聞いていた奈々未は、、驚きで大きな声が出てしまいました。
自分が体験した状況に似ていたので、、動揺してしまったのでした。
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