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七話 道中馬車を助けます

 俺ことゼノは、いちゃラブするときは人目を気にする。当たり前だがいちゃラブは当人たちにとっては幸せそのものだが、端から見れば見せつけられているようで鬱陶しいことでしかないのだ。特に所謂非リア充からすれば烈火のごとく怒られても仕方がない。いちゃラブは人目を気にしてするものだ。では人目の付かないところならば?欲望の枷ははずしても構わないのだろう。野外プレイなんてものがあるように、人目が付かなければいいのだ。

 というわけで俺はルーシィを背負って旅路を進んでいた。こうした方が俺の歩幅を最大にできるし、ルーシィは寝れるし、俺はルーシィの柔らかい体を背中で堪能できるしていいことばかり。人目さえ付いてないならずっとこうしていたいほどだ。

 ゆっくりと歩いて進むのが旅の醍醐味とはいえ、ルーシィの歩幅に合わせるとかなり遅くなってしまうので、こうせざるを得ないとも言う。唯一問題点を上げるとするならば夏は非常に暑くなってしまうことだろう。

 だがこの異世界の気候は春先のような、寒くもなく暑くもない調度いい感じ。ルーシィの体温を楽しむのにも調度よかった。

 クークー可愛い声を上げて眠るルーシィを背負って歩む。ルーシィは三度の飯より睡眠が好きだ。惰眠をずっと貪っていたい、そんな性格。そういう子が俺は好きと言うこともあって、ルーシィも睡眠好きになった。ルーシィの寝顔を欲を言えば見たいが、俺の首はフクロウのように180度回らないので、それは諦めていた。

 そうやって歩いていると、道の向こうから声が聞こえてきた。すぐさま擬人化して罪悪感に借られながらもルーシィを起こす。寝惚け眼で暫し起きるのに時間がかかったが、覚醒してゆっくりと俺の背から降りる。

 先へ進んで見ると馬車が止まっていた。後輪を見るようにおじさんが一人立っていた。どうしたんだろう。俺は声をかけることにした。

「何かあったんですか?」

「旅の方かな? いや、車輪が溝にはまってしまってね」

 そういって見せてくれた。確かにはまっていて抜けられなくなっていた。それでどうしたものかと悩んでいたようだ。

「良ければ手伝いましょうか?」

 俺はそう声をかけた。するとおじさんは申し訳ないといった様子になったが、頼むと言ってきた。俺は早速馬車を後ろから押す。筋肉のステータスは盾職的にはそこまで高くはないが、それでも馬車を押すくらいなら苦ではない。馬に引かれていたお陰もあって、軽く溝から抜けることができた。

 おじさんは感謝を述べ、良ければ乗っていかないかと言ってくれた。どうやらおじさんもコマドリに向かってる途中らしい。歩いていきたいところだが、折角の好意を無為にするのも悪い。ここで俺は乗ることを選択した。ルーシィは眠れればいいらしく、特になにも言わなかった。

 それじゃあと言うことで俺達は馬車に乗せてもらった。馬車に乗るのは初めてだったが、結構揺れるな。それでも眠れるルーシィに少し感心しつつ、俺達はコマドリに向かって進むのであった。

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