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神様にダンジョンマスターのことを簡単に聞いて他にもダンジョンマスターがいると言う事を聞いた。
人型だったり動物型だったり様々らしいけど、私みたいに人の記憶を持ってるのは私含め少数らしい
あとは魔王してる魔族とか
今は私同様説明を聞いてるらしく、並列思考がなんちゃらかんちゃらだとかで一斉に話しているんだとか。神様すご。
「ねぇ神様ー」
――貴方もうちょっと敬う感だせないの?他の子達はもっと凄く丁寧なのよ?口が悪い子も態度と目は丁寧でキラキラさせてるのよ?そこんとこどう思うの貴方?
「人それぞれですよー 人は個ですから似たようなのばっかじゃ面白くないでしょ?」
――そうじゃなくて…
額に手を当てて溜息をつく神様に笑っていると軽いデコピンをされた。
こんなことされたの初めてで嬉しかった。
おでこを押さえてニコニコする私に神様が困った様子だったので、さっき遮られた話をした。
「神様なら姿変えられますー?」
――そんなこと簡単よ。貴方、姿変えたいの?
「心機一転の二回目の人生、同じ姿でスタートは嫌ですよー ガリガリで顔色悪くて腕痣だらけですよ?変えられるなら超絶美人が良いです!」
――貴方それ最後が1番の望みでしょ
呆れた声を出した神様はそれでも私の願い通り姿を変えさせてくれると言ってくれた。やっふーい!
ウキウキと神様と二人で私の姿を考える。
「やっぱり妖艶エロ女ですかね!」
――貴方の性格に合わないわよ!幼女で元気っ娘な感じが良いと思うわ!
「どういう意味ですかそれ。」
――そのまんまの意味よ?
「なら神様こそツンデレ少女の姿の方が良いと思いますよー?性格と話し方的に。」
――ワタクシは少女じゃないわよ!神に年齢なんてないから!あと“ツンデレ”って何よ!ワタクシ、貴方にデレてないわ!
「えーでも何だかんだ優しいし」
――うるさいわね!優しくないわよ!!死んだ貴方を都合が良いから誘拐したのも同じなんだから!
「私的には二回目の人生送れるんで万々歳ですけど。本人が優しいってんですから優しいで良いんですよー。そんなことより私の姿ですけど、」
――やさっ、やさ…そんなこと!!?ワタクシの事でそんなことなんて言ったの貴方が初めてよ!!?
騒がしい神様だなぁと思いながら私の姿について提案し、それに神様が反論して口論は長く続き―――
――よし!これね!任せなさい!
「お願いします!」
二人で納得のいく姿を決め、早速変えてもらう
神様が手を宙に上げ、ぼんやりとした光が手に集まりそれが私の方へ飛んで来て胸の中に入っていき、
「ッ、ァあぁあああアッ」
強烈な痛みと計り知れない恐怖が襲った。
涙が出ることもなくただ痛みと恐怖に耐えられなくて発狂してしまう。
痛みにも恐怖にも強いと思っていたのに…
こわい、いたい、きもちわるい、こわい、いたい……
恐ろしい恐怖と痛みに蹲ることも出来ずに悲鳴を上げた
――姿を変える痛みと、ダンジョンマスターの中で断トツに力が強い魔王をしてる子の覇気と殺気を合わせたのよ。これで何かあったとしても冷静な判断をできるようになるわね!
泣き叫び震えて意識が薄れそうな中そんなことを言われ、急激に私の中で何かがスッと冷える
その瞬間、一瞬で痛みと恐怖が無くなった。
「ええ、そうですねー。神様の威厳も感じられないほどに麻痺しましたぁ、ありがとうございますー」
――えっ?え、いや、えっ?アレッ?
「さぁ神様。私に新しい私を見せてくれます?」
――ゴメンナサイ…。どうぞ。
ニッコリ笑顔で言ったのに怯えた様子の神様に可笑しいなぁと笑いながら出してくれた全身鏡に自分を映す
そこに映るのは病院服を着たガリガリの顔色の悪い目つきの悪い私じゃなくて、望んだ通りの私の姿
青から白と水色が混じるグラデーションの艶々サラサラふわふわの膝まである髪
サラサラすべすべモチモチ感のある雪のように白く透き通るほどに綺麗な肌
ふわんとした元々の眉と少し高めの綺麗な鼻
自然二重の少し垂れた目に夜空と海青の色の瞳
それを覆うように緩いカールのかかった長い睫毛
形の綺麗なふっくらした荒れのない赤い唇
それらをバランス良く配置する綺麗な卵型の輪郭
少し尖った綺麗な耳
綺麗なデコルテと程よく小さめな形の綺麗な胸
細いがふっくらしている華奢な体
綺麗な細い指の先にはオーバル型の爪を彩る夜空、足の爪には青海が彩られている
そんな私の理想と神様の案が詰め込まれた私の体
試しに腕を上げ、足を上げ、ポーズをとり、笑顔を浮かべる
問題なく動くし、以前の体より高い160センチだけど馴染んでいるし身体に違和感は無い。
「っやったぁー!神様ありがとう!」
――見た目とのギャップが…
はしゃいで神様の手を取り振り回す私に神様が何か言ってるけど聞こえないフリ
きゃっきゃと胸を揉む
前の私にはなかった柔らかさに夢中になる
――ちょ、変態みたいよ!?止めなさい!服を着させるのも忘れていたし…、どんなのが良いかしら?
「絶対ドレスですよ!この姿はドレスです!ていうかオシャレしたいです!したことないし!」
――嬉しくてはしゃぐのは良いけど貴方今裸なのよ?羞恥心を持ちなさい。
「どうぞ見てください、私の美しい身体を。」
――そうね…ドレスかぁ
私のドヤ顔と言葉を無視した神様にぶーっと唇を尖らせてもっと見てとアピールするも、神様は目の前に様々なドレスや飾りを一瞬で出してきた。
もうそっちに目が行っちゃいますー!
――選びなさい。他の物はまた買うか何かしたら貰えるわよ。飾りとかもね。
「ヤバイ神様ちょー素敵!」
――知ってるわ
「あ、これかわいー」
――ちょっと!ワタクシ褒めるのもう終わりなの!?もっとあるでしょう!?
「感謝してます神様!ありがとう!」
――まったくもう…
フリルいっぱいのドレスやシンプルなドレスもあり、これギャグ?みたいにエロいドレスもあった。
その中で私が選んだのは、
――あら、良いわね。貴方にぴったりよ
「ありがとうございます。大事にします。」
青と白のグラデーションのシンプルなスレンダーラインのロングドレス
オフショルダーで胸元はフワっとさせて膝下からスワロフスキーが付けられたもの
見た目が少し派手な私にピッタリだ。
神様がついでにと紺色のレースのあしらわれた大きめのショールをくれた。
ありがとうございます、大事にします!
――さて、次はモンスターね。