表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚弱生産士は今日も死ぬ -遊戯の世界で満喫中-  作者: 山田 武
真・就職活動

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

953/3065

ヴァルハラ その03



「この臭い……なんとかしてください」


「しばらくすれば消えるだろ。それより、俺はこの先へ入ってもいいのか?」


「……ええ。ここに来て、門番である彼らを倒した貴方にはその資格があります。遺憾ながら! 資格があります!」


 どうやら臭いが原因だったようで、俺が中に入ることを嫌がっているようだ。

 まあ、俺自身にも臭いが付いているとか、そう思っているんだろうな。


「よろしく……ああ、俺はツクル。特に凄い業績とかを残したわけじゃないが、ここに居る奴らと戦って聖属性のアイテムが貰えると聞いて来た男だ」


「そうですか。名前を言うことはできませんので、ご自由にお呼びください。仰る通り、この地では勝者がさまざまなモノを手に入るでしょう──正々堂々! 戦えばですが」


「ふーん、呼び方はまた会ったら適当に決めるとして……なんでだ?」


「はぁ……先も申した通り、勝者がさまざまなモノを手に入れることができますが──そこには、私たち『戦乙女』も含まれます」


 この場合、職業がではなくそういう役割をしている彼女のような『戦乙女』のことを指しているのだろう。


 しかし、人すらも景品なのか。

 もし『天死』も景品だったらと考えると、手に入れようとしただろうな……いや、敵に回ったときの危険性を考慮して。


「もういいですよね? では、開門します」


「あっ、開けながらでいいから訊きたいことがあるんだが……入ってすぐ、殺されるとかはないんだよな?」


「……問題ありません。皆さま、正々堂々と戦っていますので!」


 真っ直ぐな『戦乙女』なこって。

 そんなやり取りをしている間に手続きを済ませたのか、目の前の巨大な扉は激しく振動してゆっくりと開いていく。 


「ありがとうよ、真面目な『戦乙女』さん」


「……さっさと行ってください。貴方のような方が、どこまでやれるか見物です」


「少なくとも、敗北だけは無いと自慢しておこうかな? 俺は目的の物を手に入れるまでは、死にたくもない」


 扉から漏れ出していた黄金色が、開き終わる頃にはこちら側を眩く照らしていた。

 軽く少女に挨拶をした後、俺はその中へと進んでいく。


「……なあ、『SEBAS』。座標とかそういうの、ちゃんと取れてる?」


《──できておりません。おそらくですが、帰還や座標登録すらも、勝者の特典として組み込まれているのかと》


「すべてがポイント制、か。さすがにやり過ぎな気もするが……『生者』がどれだけ減らすのか、それが問題だよな」


 死に戻りがマイナス評価に含まれるのであれば、そう何度も死ぬことはできない……みたいな流れになりそうだ。


 しかし、それは無理……魔力が籠もっていたのか、開く時の振動で死んでいたしな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=196149026&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ