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虚弱生産士は今日も死ぬ -遊戯の世界で満喫中-  作者: 山田 武
無限の残機で行う一揆

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迷宮イベント その16



 フィーヌのレベリングを手伝う形になったが、それは最終的にルリのためとなるので拒む気にはならない。


 むしろ、大歓迎である。

 なので嬉々として回復用のアイテムをふんだんに渡し、どんどん狩場へ向かっていく。


「これほど順調に進むと……少々罪悪感が湧いてくるのだな」


「そうでしょうか? もしそうであったとしても、フィーヌにはルリを守るためにももっと強くなってもらいますよ。最低でも、レベルは250を達していなければ」


「……聞き間違いだろう。私の耳は、人族の限界である数値を聞いた気がするのだが?」


「事実です。いずれルリは、力を必要とするでしょう……今は種族のレベルではなく、スキルの方ですけれど。そのときのためにも、どれだけ力があっても足りないということにはなりませんからね」


 自然回復能力を高める装身具を使ってもらうことで、戦闘を続けてもらっている。

 現れるアンデッドたちを相手に俺が時間を稼ぎ、溜めた時間でそれらを払ってもらう。


 決して俺の消費した命を考えると、効率的とは呼べない。

 だがそれでも、結果として着実に彼女のスキルは成長を遂げていた。


「……ですが、すでに目的地間近といったところでしょうか? 申し訳ありませんが、今回はこれで最後ということで」


「……そ、そうか。ならば、仕方がない。ああそうさ、仕方がないだろう。では、すぐに行こうではないか!」


「? そうですね」


 どうやら俺のレベリングは彼女を弱らせていたようで、さっさと帰るためにやる気を満ち溢れさせている。


 今の彼女は特殊な職業に就いているわけでもないし、称号を持っているわけでもない。

 なので自信が無いんだろうな……これをどうにかできるのは、きっとルリだけだろう。


「最後は私にすべてを任せてもらいたい。今の力でどこまでできるのか……それを知っておかなければ」


「ええ、ではお任せしましょう。私は後方より、支援を行いますので」


 それぐらいしかできないだろうが、蘇生薬も準備しているので問題ないな。

 逆境に置かれれば、それだけ彼女は強くなるに違いない。


  ◆   □   ◆   □   ◆


「なんともまあ、自信があればなぁ……」


 ドローンは使えないが、投擲の補佐を行う魔道具を使って投げればほぼ確実にフィーヌへ届けることができる。


 大型のアンデッドが彼女を襲うが、得たスキルや魔法によってあっさりと防いでいく。

 その姿はまさに聖騎士、破邪の光を纏って配下の魔物を倒している。


「やればできるんだが、休人とかルリの下に集まる逸材と比べちゃっているんだよな……いろいろと思いだすなー」


 ルリの運の半端なさは人材にも活かされるため、オンゲーだろうとありえないだろうというレベルの能力の持ち主が集まっていた時期もあった。


 それに比べて、俺はただランダムで決めたキャラをプレイするだけ……楽しんでやっていることだったが、時には比べたり比べられたりすることが多かったな。


「だからこそ、ルリがどうにかしてくれるだろう……俺にしてくれたようにな」


 少なくとも、俺より実力はある。

 ルリに掛かれば一瞬だろう……弱気な奴に活を入れることなんて。



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