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白氷 前篇



《──殲滅が完了しました。死徒のリソースは確認されません》


「……凄い時間が掛かった。ドローンも増やしてなかったら、たぶん底が付いていたな」


《お疲れ様です、旦那様。職業の方のご報告ですが、上級までの生産職すべてのレベリングが完了いたしました》


「マジか……やっぱりレベル250の無限湧きって、異常なほど経験値が貰えるボーナスタイムなんだな」


 下級職は一体で、上級職は三体ほど倒せばカンストしたらしい。

 少々それでも余ったらしいが、その分は就かないでおいた【虜囚】に回したそうだ。


 ……ちょうどそれがカンストした辺りで、死徒が居なくなった。


《ご報告いたしますと、下級職をカンストしたことによる発現する複合職というモノもございました……が、それらはすでに系統樹に載っておりました》


「ってことは、俺が今就くことができるのは【奴隷】と【虜囚】の進化先──【隷者】と【獄囚】だけってことか……うん、とりあえず【隷者】で」


《畏まりました──“職業系統樹”を起動、職業を【隷者】に設定……成功しました。職業スキル(精隷依属)を獲得、代わりに職業スキル(奴隷根性)が喪失しました》


「『SEBAS』、職業スキルの説明を」


 どうやら(精隷依属)とは、(奴隷根性)の精神版らしい。

 要するに、扱き使われても心が折れないようにされるんだとか。


 具体的には状態異常時、精神耐性が向上する……俺には素地が無いので意味ないけど。

 それに、わざわざ耐性を付けるぐらいならば──死んだ方が手っ取り早いし。



 閑話休題(すべてリセット)



 俺がここに来た目的を確認する。

 リソースをすべて消化したため、王座の上に載せられた結晶のオブジェクトは少しずつ光に融けていた。


 ちょうどそれが完了する頃で……中で眠っていた妖精が、パチリと目を開く。


「……誰!?」


「『生者』と申す者です。『白氷』様、このたびは──」


「とりあえず……凍っておいて」


 手を振るう。

 ただそれだけの仕草で俺は氷に包まれ、そのまま身動きが取れなくなる。


 対策ができなければ、【王帝】系の職業持ちでも大変なんだろうな……と思いながら、スッと中から抜け出ておく。


「……あれ?」


「ですので、このたびは──」


「失敗しちゃったかなぁ? なら、もう一回やろっと!」


 今度は俺の周囲ごと固めて、失敗が無いようにしたみたいだ。

 たしかにより堅固になった氷の柱は、何人たりとも動けない……が、俺は抜け出す。


「だからなんで!?」


「話を聞いて──」


「ええい、ならばこれで!」


「……いい加減にしてくれませんかね? 少し止まってください──『雲縄』」


 また懲りずに固めてくるので、今度は最初からすり抜けて仙術で捕縛する。

 ……うわさに聞いていた通り、ずいぶんと悪戯好きな妖精なこって。



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