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トンネル



「……なるほど、これが九州へ行くための道か……トンネルだな」


《方法はいくつがございましたが、陸路でとのご要望でしたのでこちらへ案内しました》


「そうだな。ちなみに、ここにはかなりの数の魔物が居るって話だったんだが……全然反応が無いな」


《旦那様のお手を煩わせないよう、予め間引いておきました》


 さすがは『SEBAS』、俺の望まないことはすべて排除してくれる。

 実に退廃的な考えに染まりそうだが、しっかりと割り切って感謝を伝えておいた。


 そして原付きを起動させ、目の前のトンネルの中へ突っ込んでいく。

 ヘッドライトが光輝き、暗い道を照らして安全な道を示す。


「トンネル内はちなみに、どういう系の魔物が出てくるんだ?」


《主に死霊系の魔物たちです。物質の魔骨(スケルトン)や霊体の魔霊(ゴースト)など、低位ではありますが厄介なのであまり好まれない道となっています》


「厄介だしな……死霊術師系とか聖職者系ならともかく、普通の商人とかはここ以外の安全な道を通った方がいいか」


《橋や海路など、選択肢がございます。この道を選ぶのは旦那様の挙げた者たちや、金銭が足りず苦渋の末として選ぶような者たちとなるでしょう》


 道は有料なのだ。

 魔物たちが蔓延る中、道を維持するのは難しい場合がある。


 ちなみに『陰陽師』が支配する央は、公共機関の大半が無料だ。

 マンパワー、というか式神パワーでごり押しした結果だな。


「結構長く続くな……一定間隔で灯りを置いておいてくれるのはいいが、どうせならここに破邪効果でも付けておけばいいのにな。たしか、ルリがそんな話をしていたし」


 なぜそんなことになるかは不明だが、破邪効果を魔石に付与したとかで……それを照明として使えば、魔除け代わりにもなるのだ。


 俺も破邪の術式を刻むことはできるが、お試しで貰ったサンプル品の効果が、思いのほか性能が高かったんだよなー。


《倭島では、まだ開発が上手くいっていないか、あるいは……》


「あえてやっていないか、だな。まあいい、そこまで干渉するのはどうかと思うし、誰かが困っているなら、俺が作ったランタン型の魔道具でも渡せばいいし」


 原付きはトンネルの中をどんどん進む。

 時折死亡センサーが反応することもあるのだが、ライトが当たった瞬間に即消滅するため消えてしまう。


 後ろに飛ばしているドローンにも、先ほどの会話に出てきた魔石を使用しているため、どんどん消えていく。


 間もなくゴールだ……九州、いったいどうなっているんだろう?



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