表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
828/3058

金属活用法



 報酬として受け取った『流体液体金属』、その難点は一定の量が無ければまったく使い物にならない点だ。


 そのうえ購入する場合は少量でも多額の金銭が必要で、入荷数もほんの僅か……性能はいいが使えない物の類だな。


「だがまあ、俺にはこれがある。さっそく増やしていこうか」


 魔物の素材にもよく使う、複製の魔道具。

 必要な量の魔力を支払うことで、あらゆるアイテムを完全な形でコピーできる。


 二つの魔法陣の内、出力側に一度液体流動金属を載せて情報を読み込ませておく。


 そして、もう片方の魔法陣の上に魔石を載せて起動すると……魔力が流れて術式を発動して──アイテムが複製されるのだ。


 ただ、今回は必要な魔力量が多いな……複製ができないわけじゃないので、多少の出費は気にせず魔石を使って液体流動金属を増やしていく。


「……とりあえず、一t分ぐらい増やすことができたな。これで何を作ろうか、何かいいものはないか?」


《それでしたら、やはりカエンの駆動部分の強化に行うべきでしょう》


「それなら、『SEBAS』の分も作らないとな……ちなみにだが、カエン一人分でどれくらい使うんだ?」


《一度錬金で加工する必要がありますので、おそらく……五百リットルほど必要になるかと。インゴット化で一リットル、人造魔物化の場合は五百tです》


 五百tって……異常だな。

 これは素体のすべてを液体流動金属にした場合であり、普通は混ぜ込む程度で効果を発揮するらしい。


「まあ、やれるならやってみようか……仮説だけで誰もやっていなかったことを試すのはやっぱり、面白そうだしな」


《では、液体流動金属を製造ラインに加えておきましょう。五百tの製造が完成したのちに報告致します》


「頼んだぞ……さて、カエンの強化をしないとな。どうやってやるんだ?」


《通常のゴーレムの場合、旦那様が錬金術によって合成する必要があります……ですが、カエンの場合は体内へ取り込むことで自己進化を行います》


 なんと素晴らしいゴーレムだったのか。

 作製者である俺自身も知らなかったことだが……もしかして、とっくに何度か経験しているのかもな。


「って、五百リットルもいったいどうやって取り込むんだよ」


《手をかざすなど、皮膚に触れるだけで構いません。飲む、食べるなどでも可能ですが効率に変化はございません》


 まあ、方法は分からないが便利な体だ。

 五百リットルも保存できるという点も、なかなかに気になる。


「まあ、液体流動金属に関してはまた今度だな。さて、今日は何をしようか?」


 決まっていない予定、だけどそれはいいことに違いない。

 捕らわれない自由な日々……休める憩いの時間ってのは、代えがたい日々だからな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=196149026&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ