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深返の淵視鏡



「コンセプト通りのアイテムはできたな。このとき以外に使う気はしないが……」


《それでも、望んだ通りのアイテムを生成することは充分な進歩です。おめでとうございます、旦那様》


「それもそうか。何もできないより、できた方がいいわけだしな」


 出来たアイテムは『深返の淵視鏡』。

 使い捨てのアイテムだが、殺す機能を完全にカットした分の容量にカウンター能力を注いだような性能を持っている。


 装備中に送られた鑑定の波動から、発動者の情報を逆に読み取って開示させるのだ。

 自分で発動しているスキルなので、抵抗はできずほぼ確実に視ることができる。


 ──『深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ』……ニーチェの言った言葉らしいが、それを再現したわけだな。


「それでも視ることができないヤツが、まあ大勢いるけどさ」


《『騎士王』、【魔王】、祝福持ちの者……彼らにはまず届きません》


「前二人はどうしようもないから別として、祝福持ちっていうのは……神の内の誰かから祝福を授かっているってことか?」


《はい。本来は想定されていない手段を用いてのカウンターです。そのため、祝福による本人の権限とは関係なく付与された守護には対応できず、鑑定が行えません》


 俺なりに解釈するのであれば……個人を狙い行った行動も、それ以外のヤツが関わった結果失敗する……みたいな感じか。


 神の権限は確実に【救星者】よりも上。

 それは俺に与えたうえで、権限を解放していったこれまでの行いからもよく分かる。


 まあ、祝福を受けている相手を逆に見つけることができるのだし……逆手に取らせてもらおうか。


「冒険世界に行くか……ついでに、何か解放できる職業が無いか『騎士王』に訊いてみることにしよう」


《畏まりました。何か御用がありましたら、すぐに私をお呼びください》


「ああ、遠慮せずにそうさせてもらう」


 そんなことを言ってから、転位装置で冒険世界へ向かう。

 ……こっちの方がコスパはいいからな。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 冒険世界


 いつものように屋台で待っていると、どこからともなく『騎士王』がやって来た。

 なので職業のことについて、質問を行ってみると……。


「──【奴隷】などどうだ? それか、似たような職業に【虜囚】などがあるぞ」


「……それって、職業なのか? 職業と言うより状態な気もするんだが」


「……いや、残念なことに職業として存在しているな。かつてその在り方を許容した結果が、そのような事態を招いた」


「在り方の許容? 職業って、そんな感じで創られるのか?」


 これは『SEBAS』も知らなかったことなんだが……まあ、初代から代々継いでいる『騎士王』だからこそ知っていたのだろう。


 けど、【奴隷】や【虜囚】が職業ってのはやっぱり引っ掛かる……俺が就くかもしれない職業だし、やっぱり訊いておくべきか。



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