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神様談(12)



「危ない、危ないよ! あのままだったら、絶対にバレてたよ!」


「……そのように申されましても。元を辿れば、すべて■■■様の行ったことではありませんか」


 真っ白な世界、人ならざる者たちが今日も今日とて下界──人間界を眺める。

 上位存在──■■■こと創造神は、めったに出せない冷や汗を流していた。


 そんな上司の挙動を部下である◆◆◆◆はふと疑問に思い、それを尋ねてみることに。


「さすがに『書』のシステムまで使われると不味いからね。つい干渉しちゃったよ」


「あの……■■■様、『書』とは?」


「君はまだまだ下級神だから、知らなくて当然なんだけどね。要するに、世界創世からありとあらゆる情報が記載されたシステム──アカシックレコードみたいなものだよ」


「それをツクルさんに使われると、どのようなことが起きてしまうのでしょう?」


 アカシックレコード──神の無限の図書館とも呼ばれるソレ自体は、◆◆◆◆も記憶していた。


 曰く、創造神よりも上の存在──大神すらもその場所を知らない謎の空間。

 選ばれた者だけがそこを訪れ、その叡智を授かれると……。


 そこで知識を得た者は、下級神であろうと上級神に匹敵する力を得られるとも。


「まず間違いなく、下級神になれるね」


「…………えっ?」


「権限は僕のものを使いこなせるだろうし、彼にはアレがある。今回【救星者】としての認定も半ば行われただろうし、実績もちゃんとある……そうならない方がおかしいよ」


 創造神の権能を宿すスキル──:DIY:を持つツクルは、その神威を振るう代行者のような存在と(彼も知らぬ間に)なっていた。


 システム的に管理された『書』がそれを把握すれば、ツクルを正式な使徒として扱い存在の書き換えを実行しただろう。


 故に■■■はシステムへ干渉を。

 ……ちょっぴりのおまけを付けたうえで、何事も無かったかのように取り繕ったのだ。


「まあ、お蔭で都合よく試練を用意することもできたからいいんだけど……これでようやく、ツクル君も【救星者】だよ」


「……あの、今回はどういった内容の試練となるですか?」


「さぁ、僕にはさっぱり。あくまでその内容は●●●●が決めることだし……準備ができていたのに、ツクル君を送れなくて困っていたけど、これでバッチリだね」


 神が与える試練──神練。

 その難易度は決して簡単なものではなく、星渡りの民でなければ躊躇われ、達成されなかった結果国が滅んだこともある。


 神にとって人は平等に愛すモノではない。

 ■■■にとってはそうであろうと、今回神練を担当する●●●●にとってはまた別。


「……ツクルさん、無事をお祈りします」


 祈ることしかできない◆◆◆◆は、何度もやってきた祈りの構えを取るのだった。



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