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霊体の問題 その19



 あれから数日が経過している。

 無事、【幽王】との交渉を終え、平和条約的なモノを築いてもらった。


「さて、そろそろ帰るとするか」


 そして最初の目的である修理も終え、ガイドたちの知人の情報を求めた。

 霊魔が知りうる限りの情報を受け取り、各地に散らばった彼らの下へドローンを送る。


 ──これだけで、情報が集まった。


 誰が誰の関係者かなんてのは見分けが付かないが、それぞれどの地域にどれだけの数の者がいるか……そういう情報はバッチリだ。


「『SEBAS』はこの情報をガイドに送り届けてくれ」


《畏まりました。旦那様は何を?》


「うーん、このままあの装置を使ってみようと思ってな。人形は俺のデータをそのまま使えたけど、職業とかは移せていないし」


《なるほど……承知致しました》


 それだけで、俺が何をしたいのか把握してくれる『SEBAS』。

 ガイドに俺が直接会うよりも、何度か接触している『SEBAS』の方が信用される。


 俺には俺で、できることがある。

 ならばそれをやる方が──大切だと思ったからな。


「それじゃあ、行ってくる」


《お気を付けて》


 転位装置を作動──例の場所へ移動する。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 N40 遺跡内


「──まあ、特に変わっていないな」


 すでに乗っているので、転移先のリストそのものは変わっていないままだ。

 相変わらず『アイプスル』の名は記されていないし、冒険世界しか移動先は無い。


「術式は複写したが、まだ再現はできない。けど、ここを工夫したらもしかしたら移動先に干渉できるかもしれないな」


 乗る者によって、欠けている魔法陣が描く紋様が変化していく……ならばそこを弄れば行き先を変えられる──バカな考えだ。


「だが、やってみる価値はあるな……解読はこれがあるから問題ないな」


 古今東西全世界、『SEBAS』が調べられる限りを調べ尽くした言語を翻訳できる魔道具──『理解のゴーグル』。


 その形状にした理由はもちろん、『OK』と言いたかったからである。


「……ふむ、どうにか翻訳できたか。情報が足りないみたいだから、別の所から類似データを持ってきているのか」


 そのため全貌は分からないが、最低限転移に関する情報は理解できた。

 もともと暗躍街で集めていたため、普通の言語よりもデータが多かったのだ。


「これとこの部分を書き換えて、座標に関するデータもこうしてみようか……あっ、でも時間設定もできるのか? なら、そこも変えて緊急時に脱出できるな」


 準備を整えて、改めて出発する。

 移動先に新たに出現した『???』という座標を選択し、魔法陣を起動していく。


「さて、成功するかな?」


 目的地……もちろん決まっている。

 さぁ帰ろう──『アイプスル』へ!



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