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アリバイ作り その14



「スキルを無機物が宿せない、というわけではございません。たとえばゴーレム、魔核を持つ彼らは無機物ですがスキルを持ちます」


「……魔核を埋めろと?」


「いえ、たしかにそれもよいでしょう。人造魔核の作成には成功しておりますので、第三案程度には考えております」


「……第三案。まだあるのか」


 錬金術で生みだしたゴーレムには、個々にステータスが存在する。


 だが、こちらから覗かない限りゴーレムたちはそのステータスを本能で感じ取ることしかできない。


 こちらの世界の人々は──神代魔道具を使い読み取る方法か、生活魔法という魔法の一種にあるステータスを調べる魔法を使うことでその情報を知っている。


 ただ、生活魔法すらも習得できない俺なので、同じく情報を開示することができる鑑定スキルを使うしかない。


 魔力を籠めれば開示量を増やせるので、調べ物には困らないんだけどさ。


「第二案はそうですね……『機械皇』さんに協力してもらわなければできない方法です」


「言ってみろ」


「あくまで『機械皇』さんが欲しているのはスキルではなく、スキルを持つ生物と同等の力を発揮できる人形のはずです。なので、二種類の機体を作るのです──無限に成長する機体、そしてそれを受けて改良する機体を」


「…………」


 何言ってんだコイツ、という視線だ。


 人形越しなのに伝わってくるその想いは、人間の器官を模しているためか魔力を籠めて視線を向ける感覚も再現しているらしく、やはり俺を殺していく。


 だがまあ、創作物でいろんなロボットを見てきた俺だからこそ、この世界に住まう者へ伝えられることがある。


「機械を造る機械、ということです。今ある情報で満足のいく出来でないのであれば、そうなるまで無限に学習すれば良い。それを可能とするのが機械ではありませんか」


「……そう、だな。だが、それは机上の空論でしかない。どうするつもりだ?」


「おや、興味を持っていただけましたか?」


「話を聞くだけだ」


 この反応……意外と好感触だな。

 なんとなく経験勘がそう告げているが、それだけを理由に調子に乗ってはいけない。


 コホンと咳を一度して、改めて第二プランの説明を始める。


「少々手間は掛かるでしょうが、特化した個体を用意するのです。必要な機体は二種──未知の情報を機知により既知とする機体、既知の情報を再び未知にする機体です」


「ずいぶんと抽象的な言い方だな」


「ただ、こちらにも問題がございます。これらに必要なのは明確な意志……統率はできても支配ができなくなります」


「…………」


 まあ、これも没になるだろうな。

 だからこその第二案であり、第一案を残してある──この選択が正しいかどうか、それは分からないけど。



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