表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚弱生産士は今日も死ぬ -遊戯の世界で満喫中-  作者: 山田 武
どこもかしこも王族案件

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

753/3067

アリバイ作り その09



 改めて、客間のような場所で『錬金王』たちと話を行う。

 少し前に訪れた仙人たちの郷同様、この場所に求めるモノは──


「錬金術の可能性、か……」


「そうです。私たちの世界では、錬金術を攻撃に転じて戦う物語もございまして。そのすべてが本来の錬金術で行えるかどうかは分かりませんが、一度『錬金王』さんたちに相談してみたかったのです」


「それで、これがそのリストか……ほう、ずいぶんと過激なことを考える者が居るみたいだな、『生者』たちの世界には」


「少なくとも私たちの世代において、錬金術は過去の遺失技術とされていまして。すべては想像の産物でしかないのです」


 もしかしたら、現代においてもできるヤツがいるかもしれないが……少なくとも創作物みたいな派手な演出が起こせるヤツは不可能なので、無いモノとして扱おう。


「ちなみに、これは私がそういったアイデアから発想を得て作成した物です。インスタントシールというアイテムで、地面を錬成することで鋭い棘で相手を貫きます」


「……ずいぶんと荒いな」


「まだ『錬金王』さんたちに会う前の段階で試作したものでして、錬金術に関する知識はすべて独学だったのです」


「なるほど、道理で工夫も何もされていな術式だったわけだ。これ、魔道具に使われるような術式を転写しただけだろう」


 その通りである。

 俺の知識は『魔道具適正0(笑)』から引き出していたもので、それ以外の情報は当時あまり持っていなかった。


 貢献イベントで出会った種族や仙人たちから、それぞれの種族が扱う技術を学んだものの……魔法陣そのものに関する知識は、まだ得ていなかったのだ。


「今の『生者』であれば、もう少しマシな術式が刻めるであろう?」


「ええ、まあ……魔道具という形であれば、このような感じで作成してあります。効果は結界構築、多重展開のものです」


「これは……エルフの多重術式に、ドワーフの刻印か? 少し型は古いようだが、それでもこれが使われていた時代から考えると、相当に高位のものだな」


 隠れ里、ということだけあってやはり今の術式よりは少し古いようだ。

 これを聞く限り、『錬金王』であればもう少し新しい術式を知っているのだろう。


 ……どこを探してもそういう情報だけが抜け落ちているので、これまで根本的な部分を改良できなかったんだよな。


「──これらも含め、技術をより高めていきたいのです。また、新しいものだけでなく古いモノ……いえ、効率化の末に消された技術なども教えていただければ幸いです」


「とりあえず、探すだけ探してみようか。無いモノは教えられないからな」


「では……」


「いいだろう。私もお前たちの知識から少しは意欲が湧いてきた。何より恩人の頼み事だからな、協力しようじゃないか」


 不敵な笑みを浮かべて語る『錬金王』。

 ユリルはその言葉に目を輝かせ、今にも書物を取りに行きそうだ。


 ……これはしばらく、お勉強に時間が掛かりそうだな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=196149026&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ