表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
730/3052

大森林 その07



「──以上がこれまでのことだ。しっかりと纏められていたか?」


《はい。余すことなく纏められていたかと》


 サポートはしておらずとも、いつでも見守り続けている『SEBAS』。


 ドローンが俺の周囲に飛び続ける限り、また首元の小型カメラが作動している限り……『SEBAS』は俺と共にある。


 結界の調査も一段落。

 今は侵略者に関する情報を集めてもらったうえで、入り口に配置されている種族識別結界の書き換えが可能かを検証している。


「侵略者は多様なんだが……そのすべてを同時に、逃がすことなくなんだが? けどこうでもしないと、たぶんまたどこかで増殖していそうなんだよな」


《魔物の核を喰らうことで、侵略者たちは増殖することを確認しております。また、人族の心臓でも同様です》


「魔物は分かるんだが……心臓って、魔物にも心臓はあるはずだよな?」


《正しくは、魔力が宿っている部分を喰らうことで増殖するからでございます。魔物は比重が核へ寄るため、そちらの方が多く増殖の糧となります。一方、人族には貯蔵器官が無いため、心臓が最たる物となります》


 結局、高位の魔物であればその肉体すべてが大繁殖の引き金になってしまうらしい。


 人族は血液や髪の毛、皮膚などにも魔力が集中するんだとか……髪の毛か、無意識的に強化でもしているんだろうか?


「浄化で倒せる理由は?」


《旦那様の浄化は神聖属性、つまり神の力を借り受けて行使する魔法です。侵略は相手の主権を奪うモノ……聖獣を侵略するために時間を掛けている侵略者たちにとって、その力は対応できないモノなのでしょう》


「……ってことは、そのうち対応されると」


《おそらくは。しかし、神を喰らうことがなければ問題ありません。聖獣の持つ聖気と神が宿す神気とではエネルギーの質量がまったくと言っていいほどに異なりますので》


 普通の浄化は光属性のモノなのだが、俺のは『死天』謹製の品だからな。

 ある意味(うんえい)が関わったアイテムなので、それだけ異常な品となっていたのだろう。


「…………なんか、こんなパターン前にも邂逅したことがあるな」


《幽源世界でしょうか?》


「ああ、それそれ。同じ別の星だったから、似たような理が……そうだ、理か」


 星が違うから、侵略者は自分たちの惑星の理不尽な法則を基に俺たちを襲う。


 だが神は……同じく上位存在として君臨しているのであれば、等しく影響を受けるのかもしれない。


「『SEBAS』、道中で倒した魔物をもう一度調べておいてくれ。全部『死天』のアイテムだから同じ結果のはずだ」


《畏まりました》


 これで結果が分かる……ただ、これでは殺す方法が分かっただけだ。

 切除する方法、その理を暴かなければどうしようもない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=196149026&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ