表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚弱生産士は今日も死ぬ -遊戯の世界で満喫中-  作者: 山田 武
二つの世界の侵略者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

705/3066

旋極会 後篇



「貴殿が『生者』であったか。妾こそがこの領域の主──【奴隷王】である」


「王、なのですか?」


「そうであるが……何か問題でも?」


「いえ、てっきり姫なのかと……」


 とまあ、会話で分かるように、俺の目の前に居る【奴隷王】は少女だ。


 あくまで見た目が、という限定されたモノではあるが、少なくとも王という性別では無いと思う。


「職業に文句を言うでない。わざわざ姫という名に変更するほど、奴隷の主とは特異な職業ではないということだ」


「なるほど、そういうことでしたか」


 たしかに、【魔王】にいちいち姫とか付かなさそうだし……男女で異なる印象を与えるかどうか、などが関係しているのかも。


 ただ、名前が違っても能力は同じだし、上限なども共有されているらしい。


「それで、汝は何故にこの地を訪れた?」


「ご挨拶ととあるアイテムの宣伝を。最近、地上で流行りの品でございます」


「うむ──受け取ってまいれ」


 侍らせた少女の一人がこちらへ来て、俺の差しだしたアイテムを受け取り【奴隷王】の下へ届ける。


 それが何なのかすぐに察した彼女は、手に取ったそれを弄び始めた。


「ふむ、光線銃というヤツじゃな。わざわざこれを持ち込んだ理由は?」


「奴隷たちの育成に使えるかと思いまして。必ず一定以上のダメージを発生させるので、一度撃たせたうえで他の者が敵を倒せば、それだけで経験値が入るようになります」


「なるほど、戦力増強に使えるわけか……よい手土産であるぞ」


「そう言っていただき、幸いでございます」


 最近売り始めたアップデートパッチを使うと、属性付きの光線が放てるようになり、使い続ければ属性に関するスキルが習得しやすくなる……という仕掛けを施した。


 誰も再現できないブラックボックスに関わる技術なので、利益は単独で総取り……その一部を生産ギルドに回せば大抵のことは多めに見てもらえるので、やりたい放題で大儲けしているぞ。


「して、いくつほど持ち込んだ?」


「そうですね、無料でとなるとだいたい十丁ほどです。しかし、大量に購入していただけるのであれば、お安くしておきますよ」


「そうじゃなぁ……では、二百丁ほど買わせてもらおうか」


「お買い上げ、ありがとうございます」


 すぐに値段を計算し、それを紙に記したうえでメモを奴隷に渡してもらう。

 メモを【奴隷王】が見ている間に、瞬時に大量の光線銃を並べておく。


「! それほどの用意ができておるのか」


「お得意様との交渉の機会は、決して見逃してはいけませんので。求められればそれをすぐに提供する。それが商人として、まず信頼される条件ですよ」


 まあ、だからといって信用されるわけじゃない……問題はここからである。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=196149026&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ