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神様談(09)



「暇だよー、◆◆◆◆ー」


「そう申されましても……」


 人の身では干渉することすら許されない禁断の領域、そこに住まう二人の者たちは今日も異なる世界を映しだした画面に目を向け、暇だと語っていた。


 子供のような姿をした■■■は、配下であり使徒であり、眷属である◆◆◆◆に指示を出していく。


 そのため◆◆◆◆にはやることが無数にある……だが、■■■は何もしない。


 正確には何もできないのだ。

 かつての所業によって行動に制限が設けられているうえ、とある普人に自らの権能の大半を委ねているため──行えることが極端に少なくなっていた。


「あの運営がやっていることに、僕たちが干渉できることはほとんどない。だからって、ここまで扱いがひどいのはおかしくないじゃないか……あそこ、神像が一つも無いよ!」


「それが彼らの選択なのでしょう。いずれ星の中を巡り歩いていけば、神殿の一つや二つあるでしょうから……あっ」


「そうだよ、僕の神像はツクル君が創ってくれたアレ一つだよ! あそこで紹介されないで、伝承まで廃棄された僕の神性をどうやって維持すればいいのさ!」


 少年の姿をした神は、地団太を踏む。

 この神──創造神はとても冷遇されているため、その力を維持することなく……むしろ減衰する処遇を受けていた。


 それでも彼を慕う者がおり、そんな者たちが創造神の維持を手伝っている。

 故に、この場であれば存在を保ち続けているが……彼はとても退屈していた。


 そのため、下界とのチャンネルを繋ぐために、とある取引をしたうえで一人の普人に己の権能を与え、こうしてその動向を窺っているが──彼が訪れたとある星の様子を観て、少年はこうして憤っている。


「ツクル君が行く気が無かったから分からなかったけど、僕に送られる神気がいっさいなかったんだからそうなんだろうね。けど、さすがにひどくない? 僕、創造神だよ。こう見えても、世界とか創っちゃってるんだよ」


「そうですね」


「うわ、淡泊だよ◆◆◆◆!」


 すでにこの話、何千何百と聞かされてきた話であった。

 そのため◆◆◆◆もまともに受け取らず、なぁなぁでスルーしている。


「──まあ、僕のことはいいや。それよりツクル君のことだね。最後の解放はどうなっているのかな?」


「はい。死神様と獣神様から連絡がありまして、●●●●様が応えていただいたと」


「うんうん、やっぱり持つべき者はよき友だよね。ちょっと難があるけど……まあ、ツクル君なら乗り越えられるさ」


(……大丈夫でしょうか?)


 自慢気な自身の主の姿を見て、不安に思う◆◆◆◆であった。



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