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歓迎ミニゲーム その09



 結果を語る必要があるだろうか。

 サポートを受けて投げる場所が分かったうえ、求める最適な動きをパワードスーツの働きをする結界が勝手に体を操って再現してくれるのだから……俺、居る必要あるのかな?


「そういえば、カエンはどうした?」


《すでに両方の腕輪を手に入れ、アイプスルへ帰還しております。私もまた、旦那様がログアウトしている間に済ませておりますよ》


「マジか……」


 まあ、当然と言えば当然なわけだけど。

 俺が居ない間であれば、サポートという無駄なことに処理を回す必要が無くなる。


 また、演算した動きを試すことにもなるので、より俺のクリア率が向上するのだ。


「一発クリアだろうな……まあ、それは当たり前だから置いておくけど。にしても、早く腕輪が欲しいな。いろんな意味で、あの視線が来るのを避けたい」


 一度目は虚弱すぎるが故の散々たる結果。

 二度目は補正による完璧すぎる結果。


 どちらも視線が痛いのだ、蔑みやら嫉妬やら憎悪やら……鑑定云々の話は隠せても、光学迷彩で透明になるなんてことができないのだから、視線を浴びるしかないのだ。


「こればかりは俺をどうにかするんじゃなくて、周りをどうにかしないといけないしな。やれやれ、どうしたものか……」


 そんな問題も解決策は見いだせず、次のミニゲーム会場へ到達した。


 クリアできない者が多い……のはいつものことだが、やはり結構な数の挑戦者が列を生みだしている。


「『祭り料理』……なんでゲームで料理の腕が求められるんだろうか」


《:DIY:をお使いになられれば、確実にクリアできたでしょう。しかし、それは避けたい選択でしたね》


「開示してはいけない切り札だしな。知り合い以外誰にも教えていないこれを、わざわざお披露目する必要もないだろ」


 能力値が無限となり、生産に関するスキルもすべて最大状態となる最強モード。

 生産にしか使えないそのスキルだが、それでも知られてしまうと悪影響しか無い。


「『SEBAS』、どの料理が一番簡単にクリアできるんだ?」


《料理自体の難易度に合わせ、求められる品質も異なりますので……やはり、難しい品が旦那様には向いているかと》


 ちなみに一番簡単なのはわたあめだ。

 そりゃそうだ、ザラメを入れてクルクルと棒を突っ込んで混ぜるだけだからな。


 それでも失敗した俺って……と考えると非常に虚しくなるので、それはやらない。


「となると、煮込み料理か? さすがに煮込む時間とかは、タイマーセットで時属性の早回しになるみたいだが……いけるか?」


《可能です。あれは完成時間よりも前に一定量のアクを取ることでクリアとなります。もちろん、それ以外の調理を完璧にこなすことが前提条件ですが》


「なら……いけるか? まあ、出来た品は自分で食べられるみたいだし、とりあえずやってみるか」


 いわゆる、『スタッフが美味しく頂きました』というやつだ。

 自分で作った料理は、しっかりと責任を持ち消化する必要があるわけだな。



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