表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚弱生産士は今日も死ぬ -遊戯の世界で満喫中-  作者: 山田 武
ゴウケツ X ト X ゴウセツ
549/3049

表五天談 その04



『『闘天』です。効果は物理攻撃が全部防御無視になること、威力が上がること。普段はパーティーを組んで冒険しています。よろしくお願いします』


 挨拶が終わると、『巧天』と『援天』が力強く拍手していた。

 それを見ていた『魔天』はため息を、『冒天』は少し拍手のペースを上げる。


『や、止めてよ二人とも……』


『たとえこの手が壊れようと』『私たちは拍手を止めない!』


 ドヤッと言わんばかりの表情に呆れ、そのまま席に着く『闘天』。

 それを見た二人は、あっさりと同時に激しい拍手を止めて次の者を見る。


『……なんだ、その目は』


『いや、素晴らしい挨拶が聞けると思って』


『なんでそんなことしないといけない』


『信じてますよ』


 熱い眼差し、とはこのことだ。

 少し悩んだ末に、『魔天』は立ち上がる。


『『魔天』だ。見ての通り効果は魔法関連の補助、『闘天』の魔法版だ…………以上』


『『『えー!』』』


『何が不満なんだ。それに、『闘天』もか』


『い、言ってくれると思ったんだよ』


 少し大人びようとしていようとも、結局のところ『闘天』は子供なのだ。


 そんな様子を『巧天』と『援天』は癒されたという表情で見るし、『冒天』は良かったと安堵していた。


『……ほら、『援天』。お前の番だ』


『あら? そういえば、私が最後ね』


『〆は頼んだぞー!』


 声に応えるように手を振り、『魔天』と代わるように立ち上がった。


『『援天』です。効果はバフ・デバフ、回復の範囲内の対象指定が自由になるものと、効果が持続する能力の継続時間が大幅に延長されるものです。教会で教祖をやっています、よろしくお願いします』


 ペコリとお辞儀をして座る『援天』。

 拍手をする『闘天』と『冒天』だが、残りの二人はアイコンタクトをしていた。


[おい、お前の妻異常すぎるだろ! 何が教会で教祖だ……分かるけど!]


[分かってもらえて何よりだ! 加えて言っておけば、当然のようにいいことばっかりだからな!]


[……リアルラックが高いから、か。ガチャは最上位レアばかりだったし、レイドボス戦も激熱の展開にはなるが、誰一人としてデスペナを喰らわなかったしな]


[ずいぶん懐かしい話だ。だが、たぶんこっちでも再現されるぞ!]


 かつてのオンゲー徘徊期、古今東西あらゆるゲームで有名人になった無課金者は伊達ではないのだ。


 公式配布の無料ガチャさえあれば、のちにもっとも評価されるアイテムを得る……それが『神運』と呼ばれた彼女の運力である。


『何か、お二人で隠し事ですか?』


『『いいや、なんでも!』』


 本人に自覚が無いので、周りは堪ったものではなかったが……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=196149026&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ