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機械皇 その06



「──知らない天井だ」


 前回ログアウトする前に確認していなかったので、当然と言えば当然なんだけど。

 起き上がって周囲や自分の状態を確認してみるが、目に見えるような変化は無かった。


 だが一つ、起きた自分がすぐ分かるようにセットしておいた魔道具だけが、異なる姿で俺を出迎えてくれる。


「やっぱり、侵入しようとしたか。この光り方だと……遠隔と直接、かな? あんまりお痛が過ぎるのもいけないな」


 部屋に設置した魔道具が一度でも起動すると、光る仕様のランプ。

 先に挙げた事柄に関する色で光っている部分があるので、侵入自体はたしかに起きた。


「うーん……四日か」


 時間を確認すると、今日はすでにログアウトから四日が過ぎているようだ。


 仕事の量が豪く多く、その上やらなければならないことが山積みだったので、陽はすでに沈んでいた。


「よし、それじゃあ行きますか」


 装備を確認し、故障させた機械をすべて修理していく。

 情報を使えないよう、データプログラムを消滅させ……扉を開いた。


「挨拶。おはようございます」


「……ええ、おはようございます」


 待っていたのは機械仕掛けの少女。

 その娘が体操座りのまま壁に寄りかかって座っていたので、少しだけビックリする。


「悲報。機体はずっと、ここに居ました」


「……というと?」


「単純明快。案内せよという指示を受け、現在も進行しているのです、一時的とはいえ主であるのならば、部屋の中でつき従うのが至極真っ当でした。しかし、扉は開かずに入れてくれません……その結果がこちらです」


 ここは『機械皇』の住処ではあるが、俺の部屋に不法侵入しようとした者を、どうして中に上げる必要があろうか。


 彼女は機械であるため、食事を必要とせずにいいんだから何も困ってないだろう。


「そうでしたか、それは大変申し訳ございません。あまり招き入れられるという経験も少なく、このような行いをしてしまいました」


「了承。そちらに関しては、そのように処理しておきます。ですが、機体を拒絶した結界について少し……」


「『生者』の持つ秘匿技術です。それ以上を教える気は、今のところございません」


「納得。秘匿技術でしたか、それであれば理解できます。いずれこちらの秘匿技術も開示します、その際は友好的な関係を築き上げたいとも」


 わざわざこの言葉を引き出すために、あちらもこのようなことをしてきたのだろうか。


 いずれにせよ、完全に気を許してはいけない場所のようだ……早めに直接会ってみたいな、『機械皇』に。



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