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当千の試練 その13



 試練、獣の神はたしかにそういった。

 クエストは表示されていなかったのだが、今確認してみると突然それが強制受注の形で示されていた……ズルくね?


「やはり、試練だったのですね」


『オレが行うのは『当千の試練』。膨大な物量を相手にどれだけの力を振るうか、それを見て合否を判断した』


「合格理由をお聞きしても?」


『全滅させたからだ』


 もう少し細かく訊いてみると、別に全滅でなくとも審査点を獲得していれば試練をクリアしたことになっていたらしい。


「──その場合、魔物はどうなっていたのでしょうか?」


『消えていた。だが、どのような過程を経ても最終課題は変わらない』


「さっきのスライムですか」


『あれはお前が特殊だからだ。本来ならば、ただのレッドドラゴンのはずであった』


 ただ火を噴くドラゴン、と説明するとなんだか味気ないな。

 赤い鱗を持つレッドドラゴンは、ドラゴンたちの中でも高い火への適性を持ち、マグマの熱気を糧に生命活動を維持できるとも言われる超生命体……らしい。


「では、どうしてスライムに?」


『倒した魔物の数分、魔力が最終課題で使われ強大な魔物と化す。だが今回、お前はすべての魔物に関わっていた……そのため、許容以上の魔力となってしまい、暴走した器はスライムのように融けたということだ』


「……レッドドラゴンの成れの果て、と定義してよろしいでしょうか?」


『事実、それに近い』


 それが環境に合った適応を果たそうとし、マグマと同一化したらしい。

 たとえ少し壊れていても、もともとが最強種として生を成したドラゴン種──使えるということでそのまま試練を行ったとのこと。


 ……ちなみに種族名は神の方で偽装していたらしい、『SEBAS』に説明したら少々ショックを受けるだろうな。


「故に褒美を与えよう。お前の持つその力、封印の一部を解こう」


 ふわふわとした球体からより小さな球体が飛ぶと、俺の中に入っていく。

 すると──


  ◆   □   ◆   □   ◆


『当千の試練』の合格を確認

 対象にボーナスを付与します


 祝福(■■の祝福)を獲得しました


 CHECK

 対象に特定の能力を確認


【■■者】──確認

『超越者:■神』──確認

 祝福──確認


【■■者】を一部解放……成功しました

『超越者:■神』を解放……成功しました

 祝福を解放……成功しました


【■■者】は【救■者】に変化しました

『超越者:■神』は『超越者:死神』に変化しました

 祝福(■神の祝福)は(死神の祝福)に変化しました

 祝福(■■の祝福)は(■神の祝福)に変化しました


 試練の完全達成を確認

 対象にランダムでボーナスを付与します


『守護獣の卵』を獲得しました


  ◆   □   ◆   □   ◆


『では、さらばだ。いつの日か、酒を酌み交わすことを期待している』


「えっ? いや、ちょっと待って──!」


 だが、そんな停止の声を聞いてくれるわけもなく……俺の思考と視界は真っ白になる。

 ──なんで、卵なのかな?



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