表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
509/3050

聞き取り調査



「原因不明、突如数が増えたか……謎が多いみたいだな、今回の問題」


《どうされますか?》


 代表との話し合いを済ませ、古代人たちの築いた城の中を練り歩く。

 城は古代人全員を収容できるだけの広さが確保されており、中はかなり賑やかだ。


 城塞都市、という単語は聞いたことがあるが……城内都市というのは初めてだな。


「どうされる、と言われてもな……どれだけ理由があったって、最終的に悪い奴を考えてみれば──全部俺になるわけだし」


《いえ、それを言うのであれば私が》


「──『SEBAS』は悪くないさ。もともとは、俺がやらなきゃならなかったことなんだし……それを人に任せて、飄々と生きてきた罰が当たったんだろう。このタイミングでそんなことになったのも、それで納得だ」


 つい数日前から起こったらしい。

 時系列的なモノがあれば、ちょうど天空の城で無双し終えた頃。

 調子に乗ったから、なんて可能性もありえてしまうぐらいだ。


「とりあえず、ヘノプスの所に行ってみる。そのあと例の場所を調べ尽くして、何か大切な情報が無いかを確認しておこう」


 そうと決まれば、しっかりと門から出て湖まで移動を行う。

 途中の城から見えない場所で、空間転位も忘れずに使用するぞ。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 入口でさんざん味わった水だが、外から見ればずいぶんと映える場所となっている。

 到着後に連絡を取りつけ、待機すること約五分──ヘノプスが現れた。


『遅れてすみません、マスター』


「ちなみに、こっちに来てからずっと不思議に思ってたんだが……なんでそんな敬語を使うようになったんだ?」


『好きにしていい、とマスターよりお言葉を頂戴しております故。これまでに身に着けた敬語を使わせていただいている所存です』


「まあ、いいんだけどさ。それより今の状況について、ヘノプスはどれくらい察しがついているんだ?」


 箱庭の守護獣であるヘノプスであれば、今の状況についてある程度察しがついているだろう……と思っていたんだが。


『申し訳ございません、マスター。その件に関しては、情報が開示できません』


「……へー。箱庭をいちおうは支配しているこの俺にも、言えないことなのか?」


『ッ……! そうでございます』


 うん、これで答えが分かった。

 この場合、沈黙が何よりの回答となっているのはヘノプスも分かっていただろう。

 言える言えないは芝居の一つ──そもそも俺の上位者なんて、そう存在はしない。


「上はいったい、何を望んでいるんだか」


『それこそ、存じ上げません』


 まあ、それもそうだな。

 新人への、神様の試練ってヤツなのか?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=196149026&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ