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情報ギルド その07



「そして、こちらが三階でございますっと」


 正確には、三階前の認証ゲートの前だ。

 駅の改札口のように、カードを通す場所がポツンと置かれている。


「それにこのカードを──偽装カードを通すことで……」


 ピンポーンという軽快な音が鳴り響くと、閉じていたゲートがパカッと開く。

 まあ、内部構造はフルコピーしてあるはずだし、失敗するとは思っていなかったが。


「はい、通りまーす」


 もちろん、この一連の動作も光学迷彩を使用しての動作なので、誰にも気づかれない。

 ……完全に透明人間状態だと監視魔道具的に怪しまれるので、モンタージュで作った顔に変装しているんだけどな。


「内部の意匠も……綺麗ですね」


 少しずつ細かいことは考えるのがアレなので説明は省くが、売ったら一生何もせずに生きていられるのでは? と思うぐらいに素晴らしいアイテムの数々。


 うん、この世界の芸術品のことはよくわからないが、どうせこのうえにはもっといい品が並んでいるのだろう──ダメだ、説明が無理なのが理解できた。


「どんどん行った方がいいか。はい、移動を行いましょう」


 先ほども挙げたように、場所としての変化は椅子や魔道具が増えたぐらいだ。

 わざわざ姿を現してまで、ここで質問をする気もないのでここはスルーとしようか。


「続いて四階、五階と向かいましょう」


 ゲートは入口と出口に置かれている。

 移動を決意した俺はカードを通し、一階、また一階と上に登っていく。


「そのたびそのたびに、装飾が高級な物になる感じ……なんだか腹が立ってきた」


 いや、冗談だけどな。

 俺はここに置かれているアイテム以上に価値の高い物を用意できるし、そうでなくとも芸術品にあまり興味はない。


 芸術品が心を癒すという考えを持つ人もいるが、俺の場合は家族のことを考えるだけで心身ともに癒されるからな。


「──まあ、そんなわけで装飾に関してはもう置いておこう。受付嬢さんの服装が高級そうな品になったり、態度が豪邸に尽くすメイドさんみたいになってるけど……細かいことは気にしないでおくぞ」


 大切なことはそこではなく、すでにこの場所が情報を売り買いする場所としては最上階の場所だということだ。

 ここ以降はまた別のカード──社員用の物でなければ、通ることができない。


「『SEBAS』、準備はできているか?」


《はい。インベントリに送信しました》


「──これか。見た目は同じなんだな」


 用意された偽装カードは色以外はほとんど同じ代物で、複雑な術式が内部に施されている……おまけの機能として、タイムカードのような機能まで付いているとか。


「さてさて、お次は社会科見学だな」 



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