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アジト その01



 それからしばらく、『拳王』の案内の下で暗躍街を移動することに。


「『生者』、気をつけろよ。……狙われすぎじゃないか?」


「ええ、まあ。体質、でしょうか?」


「……単に弱そうだから、ってのもあるかもしれねぇな。お前、本当にオーラを感じねぇし。鍛えろよ」


「呪いのようなもので、肉体的に強くなることはほぼないんですよ。だから、私はこのままなんで……っとと、またですか」


 何度目だろうか。

 隣に最強のボディーガード──『拳王』が居ようと、俺のアイテムを狙ってくる。


 最初は対処してくれそうだったのだが、必要ないのでそれは止めてもらった。

 恩として扱われるのもアレだし、そもそも対策はこっちで行っている。


 彼らにも彼らなりの事情があるのだし、あまり残酷なことはする気がない。

 ドローンで暗躍街の情勢は調べているものの、まだすべては調べ尽くしていないのでどうにも判別に困る。


 通り魔などには遭遇せず、あくまでスリだけなのだが……そこに理由があるのかな?


「あの、『拳王』さん」


「ん、どうした『生者』?」


「貴方の領土? という場所で、こういったことは行われるので?」


「んにゃ、そんなことさせねぇよ。基本、俺の領土は力がすべてだ。『賭博』に闘技場も用意させてあるから、だいたいのことは拳一つで解決できるぞ」


 つまり、アングラファイトで稼ぐこともできるってことか。

 たぶんだが、金以外の物もここでなら賭けれるだろうから何でもいける。


 ん? もしかして、だが……


「まさか、『拳王』の座も──」


「当たりだ。よく分かったな。『拳王』の条件は最強たれ──少なくとも、この街で最強にならねぇと『拳王』は無理だぞ」


「そうですか……というか、掛け持ちできないのでは?」


「普通は無理だな。だが、世の中には裏の道というものがある。【魔王】だって、いくつかの権能を使えるんだ。──そして、ここは裏に知り尽くした者が集まる暗躍街……求れば、何でも手に入るさ」


 俺も【魔王】の細胞を抽出して、似たようなことをできるようにしてある。

 だいぶ精度も向上し、質を下げれば常時維持もできようになった。


「……まっ、今は俺のアジトまで連れていくことを優先するか」


「アジト、ですか……」


「まあ、そんな大層なもんでもねぇけど……俺の部下たちの紹介でもしてやろうか?」


「いえ、そちらは遠慮しておきます。私の戦闘力は低いので」


 よくある、実力を見せてもらおう……なんてことになってはまた死んでしまう。

 安全第一、力がすべてのエリアでそんな思いは通用するだろうか。



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