表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
353/3046

疲労理由 前篇



 応援しただけでは駄目だったようで。


 後日、再び呼びだされてしまった。

 毎度のようにギルドの受付嬢に依頼があるかどうかを尋ね、それからギルド長の元へ向かう。


「──は、入っていいよ」


「どうされたので、ギルド長? なんだかお顔が赤いように……」


 許可を得て入ってみれば、体調を取り戻したギルド長が仕事をバリバリしていた。

 ただ、少し働きすぎたのか顔が紅潮しているのがダメだな。


「な、なな、なんでもないさ! そ、それよりほら! 座ってくれたまえ!」


「そうですか。では、お言葉に甘えて」


「…………」


「おや、今回は対面なんですね」


「~~~~~~~!」


 ヤバッ、なんか面白いわ。

 一通りギルド長をからかってから、話を始めることにした。




「……なるほど、お疲れ様です」


「全部君のせいじゃないか。指定依頼OO(チョウエツシャ)関連の仕事は、流さないでくれよ」


「人類の敵候補である私の味方は、そう多くは無いんですよ。これまでの経験から、貴方が多少は利益よりも別のナニカで動いていることは分かっていますし……保険です」


「そのせいでぼくは……その、少し疲れるぐらいには仕事が増えたんだからね」


 地球では、もっと多くの企業戦士が働いていると知れば、ギルド長も大人しく諦めるかもしれない……だが、残酷な現実をこちらに持ち込むのも諸刃の剣(アレ)なので止めておく。


 ──そもそも、ギルド長に当たってもしかたない事案だ。


「信じがたい話だよ。新星に『超越者』、おまけに【魔王】まで。君たち休人……ああ、君は星渡りの民でも通じるんだったね。彼らの冒険は、ぼくたちの想像をはるかに超えてこの星で騒動を起こしているよ」


「自分だって、望んで遭ったならば許容したでしょうが……この街に訪れるアレを防げるならば、何も言いません」


「……あんなに普通に現れた『超越者』を、ただの一般人にどう対処しろと? ぼくたちが束になって挑んでも、意にも介さず消し飛ばせるのが君たちという存在(チョウエツシャ)だよ」


「疲れるんですよ……本当に。何せ、相手は王様ですからね」


 スイッチ一つでどうにかできるとはいえ、対魔術の阻害装置は開発が頓挫している。

 科学と魔術が云々とかいうことではなく、あの王様の魔術のスペックを抑え込むのが難しいと言う話だ。


「まあいい、ここまではいいんだよ。ぼくもこれぐらいだったら、まだどうにかなった。貿易の件も、他の休人が密かに動いていた新しい街の建設も対処できたよ」


「……ああ、あれですか。一度たりともお世話になっていないので忘れてました」


「正直に言って、君以外の人はまだ扱うのが楽なんだよ。だって、オーバーテクノロジーみたいなアイテムを出さないんだから!」


 ……はて、何かしたかな?

 ギルド長の声の上がり具合からして、またやってしまったみたいだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=196149026&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ