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巫女 その06



「術式の刻印完成。多重構造による並列式術式起動も成功だ」


《おめでとうございます、旦那様》


「ああ、どうにか整った」


 ドローンを介し、『SEBAS』が見つけた改竄プログラムを書き込んでいった。

 その際の容量問題に関しては、元の術式を立体型にすることで解消に成功する。


 平方を立方にしたことで、緻密さを求められたが……そこは:DIY:──寸分の狂いもなく、完璧な形で修繕を完了させた。


「あとは魔力を込めるだけで終わりの簡単なお仕事か……。接続の方はどうなってる」


《──完了しました。統括機に送っていただければ、全機体に供給されます》


「ああ、分かった」


 俺の目の前には、先ほどまで使っていたドローンとは少し違うドローンが浮いている。

 具体的に言えば……そう、高級感があると言っても過言ではない。


 別に、赤く塗られているわけじゃないぞ。

 少しばかり、オプションが豪華なんだ。


「それじゃあ始めよう──魔力供給開始」


 ドローンに掌を押し当てる。

 そして、体の中で渦巻くナニカを掴み……引っ張り出してドローンに流し込んでいく。


《魔力供給確認、魔力線を介しての送信を開始します》


 仄かに目の前のドローンが光ると、辺り一帯に無数の線が浮かび上がっていく。

 それらはすべて、鳥居に張りつくドローンの下まで伸びており、俺の元にある機体から送られるソレを受信する。


《全ドローン、魔力受け入れ完了。最終段階に移行します》


自動修繕術式オートリペアプログラム──起動せよ」


 貯められた魔力を、自分たちがくっついていた鳥居の中へ注ぎ込んでいく。

 流された鳥居もまた、自身が発動すべきとプログラムされた術式を読み込む。


 ──そして世界は、万色に輝いた。


 膨大な量の魔力を注いだ結果、鳥居の一基一基が正常に機能しだす。

 本来の鳥居はこうして常時起動しているものであり、決してあの娘のナニカを対価として起動する物ではなかったのだ。


 そういった部分まで改造を施し、安全に使えるように改変していった。


「えっと、たしかここに……あった」


 取りだしたのは──メガホン。

 俺の声の振動を強化してくれるそれに口を当て、大きく息を吸い……



「聞け! 物ノ怪たちよ! 貴公らが主を縛りつけていた鳥居は! すべて彼女の自由へ協力してくれるようだ! これから先、彼女が旅立つことを拒むものは何もなく。貴公らが望んだ未来を断ち切るものは何もない!」


「それを望まぬのなら、今すぐこの場へやってこい! 未来を拒み、断ち切るというのならば……『超越者』を倒してみろ」



 そう告げて、メガホンの電源を切った。



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