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巫女 その04



「とは言っても、俺にできることなんてあんまりないんだけどな」


 知識は:DIY:と『魔道具適正(笑)』からお取り寄せ。

 それに則った修繕方法で、鳥居に手を加えている。


「……はいはい、さすがゲーム世界。転移の際に生じる空間の揺れ的なものが、鳥居を内部から傷つけていたと。あの娘が他者を救おうとすればするほど、自分の首を絞めるようにしていたってことだな」


 鳥居自体が失われれば、現在通れる者であろうと社から出ることができなくなる。

 神の通り道とされる鳥居、そこには神通力的なものも通っていく。


 それこそが空間の歪を生みだす源。

 無くなれば未来永劫、隔離されたこの世界に捕らわれることになる。


「けどまあ、それは修繕するできる奴が居ない場合。世界だって救える虚弱な『超越者』様にかかれば……子供の夢ぐらい叶えることができるさ」


 ポケットから取りだしたアイテム、その一つを手に持ち──鳥居へ使用する。


 すると、いかにも悪影響を及ぼしそうな緑色の煙が立ち込め……その鳥居がまるで新品同様の状態と化す。


「──『修復玉』。在庫はほぼ無限にあるんだし、ここの鳥居全部に使ってやるよ」


 次いでドローンを起動させると、それぞれ鳥居の場所まで向かって『修復玉』をぶつけていく。


 これはあくまで耐久度を戻すだけなので、中が壊れていれば加速的に耐久度が減少して破損するだけ。

 ──要は改造の間、壊れないようにしておくための延命装置でもあった。


「星脈が無いのは残念だが……地脈の方ならちゃんとあるみたいだな。これを強化して接続させれば、まあ多少はいけるか」


 すべての鳥居を修復した、とドローンから通信が入る。

 同時に、この地に流れる脈を計測していた『SEBAS』からも有益な地脈の情報を得ておく。


「鳥居は一基ずつが別々の魔道具で、それらが折り重なるようにして機能している。一つ変えるならすべてを直す必要がある……いけるよな?」


《全力でサポートを行います》


「ああ。俺の体がそれを可能でも、人間としての限界がある。同時にやる作業は、そっちに少し任せるぞ」


《畏まりました》


 鳥居の修繕を単独で行うことは、本来考えられていなかったのだろう。

 いくつかの作業の途中に、一人では達成困難なオーダーが混ざっている。


 ……基本的な作り方であるそれしか今は知らないので、どうにかしてそのオーダーを達成する必要がある。


「ドローン、マジックハンド着装。並びに思考制御に一部回してくれ」


 突然入ってくる情報に頭の中が弾けそうになるが、作業中に与えられる無限の恩恵がそれを黙らせる。


 さて、最悪の場合はアレを使えばいいとして……具体的な案をどうにかしないとな。



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