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八芒星



 アイプスル


「──はい。というわけで、こちらに俺専用の式札が用意してあります」


 帰還後、すぐにこちらの世界に向かって式札の製作に入る。

 素晴らしき:DIY:様のお力は、ベースとなる基本的な式札の書き方を俺にもたらす。


「それを基盤に、『SEBAS』が空撮したさまざまな式札を解析、現状ベストな式札を用意したぞ」


《あくまで、外で使用された物だけですので秘匿技術などは用いられておりません。今回は効率の良さを重視しました》


「ああ、それで充分だ」


 陰陽師の中には、札から術式が瞬時に読まれないように無駄な回路を書き記す者がいるらしい。

 俺は隠す必要が無いので、ストレートな術式をそのまま書き記すことにした。


「あとは紋様だな……五芒星だとパクリになりそうだし、適当にやってみるか」


 術式とリンクする環状の印が必要だ。

『陰陽師』の場合はそれが五芒星、他にも太極図風の印や陰陽五行と呼ばれる五角形の印もデータして載っていた。


「循環すればいいんだし……まあ、こんな感じでいいか」


八芒星(オクトグラム)ですか……》


「属性の数とも一致するし、ちょうどよかったんじゃないか?」


 火・水・風・土・光・闇・無・回復……まあ、回復だけは神様云々の面倒な設定が存在するが、まあファンタジーで王道の属性を分けるならばこんなものだろう。


 新しく属性や法則を見つけたなら修正すればいいし、この形にこだわる必要も無い。

 まあ、ただのロマンとして書いただけだ。




 儀式などは特に必要ない。

 物ノ怪を召喚する術式は最低限の劣化品しかないが、物ノ怪自体は最高品質のものを入手している。


「それじゃあ『SEBAS』、例の奴をこの場に出してくれ」


《畏まりました》


 無人の荒野に、突然巨大な山が現れる。

 だがそれは山ではなく、山のように大きなナニカであった。


「コイツ、なんて名前なんだろうな」


《伝承の方はまだ収集不足で。申し訳ありませんが、本人に直接訊ねなければ判明しない事柄です》


 一本角の悪鬼。

 有名な物ノ怪ならば、さすがに『陰陽師』も説明してくれただろう……が、実際には説明など無かった。


 名を忘れ去られた物ノ怪なのか?

 悪魔は名前を識ることで、存在を縛ることができるというが……この悪鬼の名前を知ればコントロールができるかもしれないな。


「まあ、とりあえず起こしてみるか。アレが無いと起きないのが問題点だな」


《それだけ、『死天』と旦那様の死因の力がお強いということですよ》


 それもそっかと答えながら、俺は大量にストックしてあったエリクサーを取りだした。



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