死天の試練後 その17
反撃が始まった。
勝手に自分たちの複製体を作られ、情報までパクられているのだ……そりゃあもう、一致団結して挑むわな。
だがいろいろと事情を抱える俺たち三人組は、どうしたものかと頭を悩ませている。
そこでルリが挙げたアイデアに──俺は驚き【傾界魔王】は笑い声をあげた。
「……本当にやるんですね。あの、担当を変えたりとかは──」
「私は星約があるので動けませんわ。まさか貴男、自分の奥方にあのようなことをさせるつもりですの?」
「……その『あのようなこと』を、提案した当人なんですがね」
ルリは今、この場を離れて別行動中。
護衛にはアズル教の騎士団の中でも、精鋭たちが付いているので問題無し……これまでも実は付近に何人か待機していたのだ。
残った俺と【傾界魔王】は最終調整中。
クローン魔獣の量産を終えた影に、再び異なるモノを突っ込んでいる。
「いいではありませんの。少しぐらい、私を楽しませてくださいな」
「……そこまで、お気に召しましたか?」
「ええ、貴男にもあの娘にも。だからこうして、協力しているではありませんか」
享楽的な【傾界魔王】、その振る舞いが許される……というか周りが許さざるを得ないだけの力を持つ彼女にしかできない。
クローン魔獣同様、俺では動かすことのできなかったものを彼女に動かしてもらう。
……どっぷり禁忌関連だが、俺も彼女も星敵なのでその辺はよしッ!
「そうですね。私だけでも、そしてアズルと二人であっても成し得なかったでしょうね。これまでも案は出ていましたが、様々な問題が解決できませんでしたので」
「そろそろですわ……さぁ、準備の方は?」
「できていませんが……まあ、いつものことですので」
「私が提供するのはあくまで動力源、それ以上はそちらにお任せしますわ。少しだけサービスしましたので、協力して良かったと思わせてくださいね」
「……善処はします」
確約することなどできない。
これからやることは……そういう類いだ。
◆ □ ◆ □ ◆
どうも、星敵やってる『超越生者』です。
イベント世界で行われている試練後の騒動も、クライマックスに突入していました。
「お久しぶり……いえ、先ほどぶりでしょうかね。ともあれ、挨拶はまだでしたね──アルス・ナギマさん」
『……何故』
「ああ、この状況ですか。私にも責任があると思いまして……貴方は私の呼びかけに応じた、助けてくれたにも関わらず何もせず迎撃されるのを見過ごすというのも、義理に欠けると思いましてね」
さて、俺は今元凶そのものであるアルス・ナギマ氏と接触しています。
誰もそれを阻まないかって? ……それどころじゃないので問題ありません。
「コホンッ……それじゃあ、さっそく本題に移ろうか──賭けをしよう。その勝敗次第でこのまま帰ってほしい」
『…………それがあの個体』
俺と【傾界魔王】が共に生み出した……正しくは作り直した混合獣の一種。
スペックだけなら逸脱者級、そんな怪物を差し向けていますからね。
詳細は次回!
p.s. 無字×1214
隔月恒例、自称偽善者の更新日となりました
魔王少女チュートリアル開始です




