死天の試練後 その15
ルリから嬉死恥ずか死な発言を貰いつつ、クローン魔獣たちが絶賛活動中。
そしてルリに興味津々な【傾界魔王】、彼女とアルス・ナギマを追い出すために動く。
「それで、このまま延々と複製体を生み出す作業に徹しますの?」
「まあ、そんなところです。私たちが行うのはあくまでも補助、主力となる皆さんがあちらに向かう余裕を確保することが目的です」
「……つまらないですわね。てっきり私たちであそこへ向かい、何かするのかもと期待していましたのに」
「相手は魔導世界が秘匿していた特異戦力、私はともかくアズルや貴女は……執着されることになるでしょう」
「あら、貴男もそうでしょう?」
「すでに一度接触していますし。その際に最低限のことは調べていたようですし、私自身にはあまり興味無いかと。私の権能も、とてもシンプルなものですので」
俺の権能は休人共通の性質、[死に戻り]の機能拡張版みたいなもの。
権能を簒奪できる【魔王】が保有しても、意味を成さないような代物。
それゆえに、俺を調べるよりも『SEBAS』と術式について話していたわけだ。
まあ解析は試みていたようだが、そこまで注力していなかったので阻害できたらしい。
だがこの二人は違う。
片や現人神かつ運の概念がぶっ壊れ、片や特殊な星敵かつマスター級の『プログレス』保有者……解析してもし足りないはず。
「動くにしても、主力の方々に手一杯となってからですね。そして、それももう間もなくでしょう」
現在、『SEBAS』が辺りに飛ばしたドローンたちがポーションを散布している。
今回のソレは『巧天』で作ったバフ付き、回復以外にも様々な恩恵が乗せておいた。
「あら、そろそろいいの?」
「ええ、お願いします」
「はーい──“聖別変化”!」
それは聖属性魔法の一種。
特定の食べ物や飲み物などに、聖なる力をもたらす限定的なバフ。
本来は儀式用の実用性に欠けたもの。
だがそれは普通の聖職者が使った場合……高位の聖職者が使えばその性質は強化、そしてルリが使えば──
「これは……凄いですわね。範囲・効果共に最上級以上ですわ」
「散布したポーション自体の性質を維持しつつ、聖性の付与による強化を強化そのものの質を上げたうえで行う……まさに神業です」
種族×職業×称号(権能)。
それは逸脱者たちの中でも珍しい、三種の要素が重なり合ったシナジーと同種のもの。
ルリ自身の技量が一番重要だ。
オンゲーで磨いた時間配分、EHOで磨いた身力の操作技術……そういったすべてが組み合わさり、この場の者たちを支援する。
「ああ……反撃の狼煙が上がりましたね」
「…………そうですわね」
空に一筋の流星が。
降り注ぐのではない、ソレは地上から放たれ矢の如く飛んでいく。
その先には中核を成す魔法陣。
星の鑓は展開された障壁も何のその、減速することなく魔法陣を貫いた。
※ルリのシナジー
種族……というか現人神の性質、職業【神聖女】と【開祖】、そして休人用の本来の擬似権能『援天』
それらが組み合わさり、それぞれの性質を高めている
なお、ここに『プログレス:ミス・フォーチュン』が加わると……
p.s.無字×1212
仕事の疲労でほとんど何もできない作者です
お布団の誘惑が強い……!
気づけば誘引され、そのまま意識が飛びます
……いつも時間がありません




