死天の試練後 その08
ルリ、俺の奥さんであり……とある存在から祝福された愛し子。
今回、俺が人質にされそうになっているこの状況も、それが原因だと思われる。
(急がないといかんか……現状は?)
《まだ七割ほどです》
(少々の無茶をしてもか?)
《してもです》
くっ、強引な方法なら短縮可能……みたいなパターンでは無かったか。
まあ、『SEBAS』に任せていれば問題無いだろう……というわけで移動は続行だ。
とはいえ、俺にできることはほぼ無い。
指示されるがままに歩き、気づかぬ間に術式行使のための魔力を消費される……俺の存在意義、とかそういう部分がな。
(こういう時の暇潰し…………なんか有ったかな)
《旦那様?》
(よし、“架想・究極術式”)
《旦那様!?》
うん? なんだか珍しい反応。
暇潰しにと思いついたのは、魔導世界が持つ術式サーバー(比喩)にアクセスできる術式を発動。
魔導世界の秘匿戦力、アルス・ナギマから貰った三つの術式の一つ。
矢印に従って動くだけなら、同時に調べることもできるからな。
──と思っていたのは俺だけだった。
(…………えっと、どうなったんだ?)
《“架想・究極術式”は、アルス・ナギマを介して『統魔の叡典』にアクセスする術式です。その仕様上、双方向での繋がりが求められます》
(えーと、つまり?)
《……来ます》
五感を弄られている俺でも分かるよう、改めて設定をしてくれたようで。
切り替わった視界──それは空に浮かぶ巨大な魔法陣だった。
(……って、空? アレ、知らない天井があるはずでは?)
《アルス・ナギマにより、ホテルそのものが破壊されました。同時に、強者たちを相手に術式のテストを行っており……騒動が加速しております》
「…………マジですか」
声を漏らしてしまうが、それを咎める者も感知して動き出す者もすでに存在しない。
呼びだすつもりは無かったが、どうやらあちらとしても好都合だったわけだ。
「アイスプルもバレてるのか?」
《そちらは“災星護界”をアイスプルのエネルギーで行使してうえで、何重にも回線に細工を入れておりますので。旦那様が今回行使したモノは、それらを施さないまま使ってしまったため……》
「ま、まあ、アイスプルが大丈夫ならいい。ただ、これ俺が起こしたことってバレたら、どこかに怒られないかな?」
《旦那様は術式を使っただけ、それを悪用した別の存在が居る……そういった筋書きで行きましょう》
つまり、そうしないと問題になってしまうわけなんだが……。
まあ、ホテルからの脱出という目的は果たせたわけだし良しとしよう。
Q.どういうこと?
A.普段は逆探知対策をしているのに、そういうことをやっていると知らない奴が普通に使って特定された
こう、海外のサーバーを複数使う的な……足が付かないようにする偽装工作的なアレ
秘匿戦力たちとの接触は、多かれ少なかれメリットとデメリットが生じます
冒険世界の【魔王】にしても、普通なら個人情報ほとんどすっぱ抜かれますしね
p.s. 無字×2005
Wifiの調子が悪い作者の家です
……おかしいな、急にだ
一度リセットした方がいいかも?
だいたいこういう解決策しか見いだせない作者でした




