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虚弱生産士は今日も死ぬ -遊戯の世界で満喫中-  作者: 山田 武
継承の刻、天を放し窺うは機

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死天の試練数十回目 その02



 術式の開発・組み込みが完了してからは、初めてとなる死天の試練。

 千体ずつ投入される触れたら即死の敵性ユニットたちを、作業的に処理している。


「……上手くやって1万が限界か。やっぱり全然終わらないな……」


 術式“破砕硝壁”による、チクチク戦法はもう通用しない。

 同じ手を何度も繰り返していると、耐性が付き最終的に無効化されるからだ。


 手を変え品を変え、属性やらを弄って繰り返していたがそれもおしまい。

 これまで同様、また新しい戦法を探らねばならない……と思っていたのだが──


《旦那様、緊急の報告が》


「えっ、なんだ?」


《たった今、運営側より提案が届きました。内容は…………その、このままでは終わらないので試練の内容を変更をしないか、とのことです》


「なんで今!?」


 もっと早くそう提案してくれても良かっただろうに、今までの苦労は何だったのやら。

 ……というか、間違いなく運営側でこちらの様子は見ているな。


「UIでずっとボタンを押している姿が嫌なのか? 仕方ないだろう、これが一番効率よかったんだから」


《…………》


 絵面なんだろう。

 それを裏付けるように、『SEBAS』が沈黙している……肯定はしないものの否定もできない、そういうことだ。


「それで、運営様が用意してくれた素晴らしい解決策とは?」


《それぞれの死因から生成された敵性ユニットを、一定数ごとに統合可能になります。十体、百体、千体と……数が多ければ多いだけ突破数が向上しますが、その分だけ難易度も上昇する仕様です》


「よし、それ採用で。MAX……はアレだから、とりあえず十体で。死因ごとに設定可能なのか?」


《問題ありません。では、そのように設定を変更します。次回以降、出現する敵性ユニットに反映されます》


 自死を選べばすぐに反映されるだろうが、とりあえず真面目に頑張ろう。

 ……そう決心して数秒後、不意打ちで殺された俺は強化版の敵性ユニットへ挑む。


「──見た目で違いが分からないな。その辺の報告もしておいてくれ」


《畏まりました》


「……そんなことしなくても、初回辺りは見ているのか? まあいいや、それじゃあまずは耐久度のチェックから」


 展開するのは“千変宝珠”。

 属性や持たせた武器によって、まだ無効化まで至っていないものをピックアップして並べていく。


 そして、それらを出撃。

 これまでであれば、武器が当たるか人形たちが当たれば、相性が絶望的でなければ相殺として敵性ユニットたちは消えていた。


「──統合された結果、ステータス的にも強化されているか。いやまあ、当然だよな」


 HPが1、あるいは俺と同じく小数点以下のものが切り上げられそう見えているだけ。

 それぐらい虚弱だった敵性ユニットたち、その弱さがどうやら失われているようで。


 接触しただけでは消えない、むしろ反撃するだけのスペックを手に入れている。

 ……それでも武器で一方的に攻撃されれば消えている、がこれはまだ十体分なんだよ。



※死天の試練・改

敵性ユニットの強化が可能になりました

強化版の個体は討伐カウントをより多く稼ぐことができます

──より強い死の因果、貴方は抗うことができるのか


p.s. 無字×1146

毎度のこと(ry、作者です

余裕ってなんでしょう……いつの間にか、何ですよね

変わらない日々、増えていく数字

……いつか意味のあるものになると信じて

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